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前頭葉を鍛える方法|大人が毎日続けられる習慣と脳トレ8選

前頭葉を鍛えるための生活習慣とオススメのトレーニング8選

記事の監修

株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子

記事の監修

株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子

大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。

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脳科学研究 第一人者の推薦

私は「瞬読」を推薦します!

株式会社サンリ 会長 / 西田会 会長・塾長

西田 文郎氏

瞬読は能力開発において計り知れない恩恵をもたらすでしょう

私は40年以上にわたり脳科学を研究してきました。AIの進展で10年後には多くの仕事が消え、2020年のセンター試験廃止で「詰め込み」教育も通用しなくなります。これから求められるのはイメージ力・判断力・思考力・コミュニケーション力・共感力といった能力開発領域の力であり、これらを備えた人が各業界のリーダーになります。瞬読トレーニングは速読だけでなく、これらの能力を高める手段にもなるため、豊かな人生を目指す皆さまに自信を持って推薦します。

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前頭葉は、大人になってからでも鍛えられます。年齢とともに働きが落ちやすい部位ではありますが、毎日の中で「前頭葉を使う場面」を増やせば、判断力や集中力、感情の切り替えを保っていけます。

この記事では、前頭葉が衰えてきたと感じたときのサインを先にお伝えし、前頭葉の働きを整理したうえで、前頭葉を使う場面を毎日つくる考え方を紹介します。そのあとに、前頭葉を整える生活習慣、短い時間から取り組めるトレーニング8選、何から始めるかの1週間例をまとめました。

目次

前頭葉は大人になってからでも鍛えられる?

朝のリビングの窓際に置かれた湯気の立つマグカップと、開いた無地のノートとペン

Yahoo!知恵袋には「前頭葉を鍛えるというか、なるべく衰えさせない方法って何かありますか?」「前頭葉の鍛え方を知りたいのですが、パズル系のアプリ、ランニングなどの運動をしてみましたが、どうもしっくりきません」といった質問が投稿されています。答えを先にお伝えすると、前頭葉は大人になってからでも鍛えられます。

前頭葉を使う機会を増やせば、働きは年齢に関わらず保てる

前頭葉の前側にある「前頭前野」は、考える・判断する・感情を抑える・段取りを組むといった働きを担う部位です。日本神経科学学会が公開している「脳科学辞典」では、前頭前野を人間でもっともよく発達した部位としています。同時に、老化にともなって最も早く機能が低下する部位の一つだという説明です。裏を返せば、年齢による変化が出やすいからこそ、日頃の使い方で差がつく部位。この記事では以後まとめて「前頭葉」と書き、出典の表現を引くときだけ「前頭前野」と書きます。

公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授は、日本経済新聞のサイトで、前頭葉を鍛えるような頭の使い方をすれば機能低下に歯止めをかけられる、と述べています。脳トレの効果は筋トレよりも現れやすい、というのが篠原教授の見方です。この記事でも、鍛え方の中心を「前頭葉を使う場面を日常につくること」に置きます。特別な道具は不要。

速読メソッド「瞬読」を提供する株式会社瞬読の代表・山中恵美子も、ダイヤモンド・オンラインへの寄稿で次のように述べています。

よく「頭のいいのは生まれつき」という言葉を聞きますが、決してそうではありません。子どもの頃は親から与えられた知識の量で差がつくことはありますが、大人になれば一緒です。自分で学び、トレーニングすることで、誰でも追いつくことができるのです。

出典:ダイヤモンド・オンライン「手遅れと思った人にすすめたい『地頭がよくなる方法』」(2022年12月13日)

参考:脳科学辞典「前頭前野」

参考:日本経済新聞「脳を鍛えるコツ3つ 脳トレは筋トレより早く効果あり」

こんなサインがあれば前頭葉が疲れているかもしれない

前頭葉が担う働きは、日常の小さな場面に現れます。次のような変化が続いている場合は、前頭葉が疲れている(ストレスや睡眠不足で働きが落ちている)か、前頭葉を使う機会が減っているサインと考えられます。どちらの場合も、対処は同じです。土台となる生活習慣を整えたうえで、使う場面を増やしていきます。

  • 人の名前や言葉が、すぐに出てこない
  • ちょっとしたことでイライラし、気持ちを切り替えるのに時間がかかる
  • 仕事や読書で集中が続かず、同じ行を何度も読み返す
  • 段取りを組むのが面倒になり、後回しが増えた
  • 新しいやり方や新しい場所を避けるようになった

一つひとつは誰にでもあることです。ただ、これらはいずれも前頭葉が関わる働きで、脳科学辞典も前頭前野を意欲・注意・理解・計画に深く関わる部位としています。思い当たる項目が多いほど、この記事で紹介する「前頭葉を使う場面」を意識して増やす価値があります。

◆あわせて読みたい:年齢を重ねても脳は成長するのか

前頭葉の働きと、鍛えると変わること

前頭葉・頭頂葉・側頭葉・後頭葉など脳の各部位と、それぞれの働きを示した図

前頭葉(前頭前野)が担う4つの働き

前頭葉は、脳のもっとも前側にある領域です。その中でも前頭前野は、脳科学辞典によると、ワーキングメモリー・反応抑制・行動の切り替え・プランニング・推論などの認知機能を担う部位です。情動や意思決定にも関わります。この記事では、日常の場面に合わせて4つに整理します。

前頭葉の働き 日常で現れる場面
考える・判断する(推論・意思決定) 複数の案から1つを選ぶ/話の要点をつかむ/見積もりの妥当性を判断する
感情や衝動を抑える(反応抑制) カッとなっても言い返さない/衝動買いを思いとどまる/気持ちを切り替える
情報を一時的に覚えて使い、注意を向け続ける(ワーキングメモリー・注意) 聞いた電話番号を入力するまで覚えておく/会話をしながら次に言うことを考える/読み終えるまで集中を切らさない
段取りを組み、やる気を保つ(プランニング・動機づけ) 料理の手順を組み立てる/面倒な作業に取りかかる/予定どおりに進める

冒頭のサインのうち、最初に現れやすいのが、感情のコントロールが利かなくなることです。感情や衝動を抑える働きが鈍ると、ちょっとしたことでイライラしたり、不安に押しつぶされそうになったりします。

前頭葉を鍛えると期待できること

前頭葉を使う機会を保つことで期待できる変化を整理しました。表の上2つは前頭葉の働きから考えられること、3つ目は病気の予防に関わることで、いずれも効果の出方には個人差があります。

期待できること 内容
判断力・記憶力を保つ 前頭前野は推論や意思決定、ワーキングメモリーを担う部位です。日頃から考えて判断する練習を積んでおくと、ストレスがかかる場面でも大きな判断ミスを避けやすくなります
感情が安定し、人間関係が円滑になる 感情や衝動を抑える働きが保たれると、怒りや不安をそのまま相手にぶつける場面が減ります。本人が思う以上に、イライラは相手へ伝わっているものです
認知症・うつ病のリスクの低減 感情の調節が難しい状態が長く続くと、うつ病などの不調につながりかねません。また、前頭葉や側頭葉の萎縮によって発症する「前頭側頭型認知症」は、40〜64歳で発症する例が多く、周囲が気づきにくい認知症です。生活習慣を整えて前頭葉の働きを保つことは、こうした病気の予防を考えるうえでの土台になります。鍛えれば防げる、とまでは言えません

参考:大阪市「前頭側頭型認知症&意味性認知症」

◆あわせて読みたい:前頭葉に向く脳トレを作業系・頭脳系で選ぶ

※以下は、オンラインで参加できる瞬読の体験会のご案内です。瞬読の読み方と前頭葉の関係は、後の「読書」の項で触れます。

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前頭葉を活性化する基本は「前頭葉を使う場面」を毎日つくること

キッチンのまな板の上で野菜を切る大人の手元と、脇に置かれたレシピカード

前頭葉の鍛え方というと、難しい本や複雑な計算を思い浮かべる方が多いようです。精神科医の和田秀樹氏は幻冬舎plusの記事で、難しい本を読んでいるときは側頭葉の言語野を主に使っていると述べています。複雑な計算をしているときは頭頂葉です。それだけでは前頭葉は鍛えられず、前頭葉が使われるのは想定外のことが起きたときや、感情をコントロールするときだという説明です。

冒頭の知恵袋の「パズル系のアプリや運動を試したがしっくりこない」という質問も、この整理で説明がつきます。慣れてしまい、考えずに手が動く課題では、前頭葉を使う場面になりにくいからです。運動は血流を整える土台で、それ単体では判断や感情の切り替えを練習する場面になりません。運動の位置づけは「生活習慣」の章と「ウォーキング」の項で改めて触れます。

つまり基本は、「前頭葉を使う場面」を毎日の中に意識してつくること。この章では今日から試せる3つの入口を紹介し、具体的なメニューは後の「生活習慣」と「トレーニング8選」の章で広げます。

感情が揺れたときに、理屈で対応してみる

和田氏が最も効果的だとしているのが、あえて感情的になる場面で、それをコントロールするトレーニングです。腹が立ったときに理屈で対抗する方法を考え、その腹立ちを行動に出さないよう試みる。こうした試みが前頭葉への刺激になると説明しています。

日常で取り入れるなら、次のような形です。

  • カッとなったら、返事をする前に「相手の言い分を一文で言い換える」
  • イライラした理由を、起きた事実の形で書き出す(「約束の時間に15分遅れた」など)
  • 反対の意見を聞いたら、反論する前に「なぜそう考えるのか」を質問する

感情が動いたあとに、理屈で対応する。その一手間が、前頭葉を使う場面になります。

いつもと違うやり方で前頭葉を刺激する(新しいレシピ・違う道・反対の意見の本)

想定外の出来事に対処するとき、人は前頭葉を使います。といっても、想定外を待つ必要はありません。自分で「いつもと違う」状況をつくれば、同じ効果が期待できます。和田氏は、普段と違う服を着る、普段と違うレシピで食事をつくる、自分と明らかに意見の違う人の本を反論を考えながら読む、といった方法を挙げています。

  • 通勤や買い物で、いつもと違う道を選ぶ
  • 週に1回は、作ったことのないレシピで料理する
  • 自分の考えと反対の立場で書かれた本や記事を、反論を考えながら読む
  • 外食では、まだ食べたことのない料理を注文する

どれも手間は小さく、お金もかかりません。「慣れたやり方を1つ変える」だけで、前頭葉を使う場面は増やせます。

1問数秒で答える課題で、迷わず判断する練習をする

3つ目の入口は、短い時間で答えを出す課題です。考えすぎる時間を与えず、一定のテンポで判断を繰り返すことで、「考える・判断する」働きを集中的に使えます。先ほどの「複雑な計算は頭頂葉」の話と矛盾するようですが、線引きは難しさより速さ。和田氏は同じ記事の中で、東北大学の川島隆太教授の「単純計算や音読がいい」という考えを、前頭葉の血流を増やす簡単な方法として肯定的に紹介しています。単純計算や音読は、1問・1行を数秒で処理していく課題でもあります。線引きを速さに置くのは、この記事での整理。

スマートフォンアプリの「瞬読式脳トレ」も、この考え方で作られたトレーニングです。6種類のうち4種類は1問1〜3秒を目安に答えていくため、迷っている時間がありません。残りの2種類も、一定のテンポで答え続ける形です。6種類のトレーニングを、先ほど整理した前頭葉の働きに当てはめると次のようになります。括弧内はアプリ内の分類名で、当てはめ方はこの記事での整理です。「段取りを組む」働きに対応するトレーニングはアプリにはありません。

前頭葉の働き 対応するトレーニング 1問の目安(秒)
考える・判断する バラバラ文字(判断力):バラバラに並んだ文字を瞬時に見て、何が書かれているかを答える 1秒
考える・判断する 問いの並べ替え(思考力):バラバラになった問題文を並べ替え、問いの答えまで考える 指定なし
感情や衝動を抑える(ネガティブな言葉を肯定的に言い換える練習として) 反対語と肯定表現(発想力):ネガティブな単語の反対語を答え、肯定的な表現に言い換える 指定なし
情報を一時的に覚えて使う イメージ記憶(記憶力):10秒間絵を見たあと、絵を見ないで5つの質問に答える 1問1秒(絵を見るのは10秒)
情報を一時的に覚えて使う ストーリー並べ替え(読解力):順番がバラバラになった5つの文を、正しい順番に並べ替える 3秒
情報を一時的に覚えて使い、注意を向け続ける 共通点探し(集中力):5つの絵を見比べ、共通点を手がかりに1つだけ違うものを選ぶ 2秒

書籍版の『見るだけで脳がよくなる1分間瞬読ドリル』も同じ考え方で、1ページ分の問題を1分以内に答えていく形式です。書籍が「答えられなくてもOK」としているのは、迷わず頭を動かす時間そのものを目的にしているからです。アプリの利用者の方からは「いつもと違う頭の使い方をしている感じがします。例えるなら、脳のストレッチみたいな感じです。」(40代男性)という声が寄せられています。

6種類のトレーニングをスマートフォンで毎日1分から試せる瞬読式脳トレアプリは、3日間無料でお使いいただけます。

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参考:幻冬舎plus「前頭葉の5つの鍛え方。普段と違う服を着ると怒りをコントロールできるようになる?!」(和田秀樹)

生活習慣で前頭葉を活性化する・衰えさせない

ハート型の皿に盛られた野菜や豆類と、水のボトル・ハンドグリップ・縄跳び

前頭葉を使う場面をつくっても、土台となる体の状態が整っていなければ働きは鈍ります。この章では、前頭葉を整える4つの習慣と、衰えさせないための3つの注意点をまとめました。

バランスのよい食事を心がける

脳が主なエネルギーとして使うのはブドウ糖です。極端な糖質制限を長く続けると、脳に十分なエネルギーが届かなくなるおそれがあります。一方で、ブドウ糖だけを摂っていればよいわけでもありません。神経細胞の生成やホルモンの分泌には、ビタミンやミネラルといった微量栄養素が必要です。

脳によいとされる代表的な栄養素と、含有量の多い食品は次のとおりです。

  • オメガ3脂肪酸:サバやサーモン、亜麻仁油など
  • ビタミンB群:赤身肉、バナナ、さつまいもなど
  • ポリフェノールなどの抗酸化物質:ブルーベリー、大豆、お茶など
  • 葉酸:緑黄色野菜、穀物類、きのこ、海藻など
  • 鉄分:レバー、カツオ、納豆、ほうれん草など

普段あまり摂っていない栄養を1つ足すところから始めると、続けやすくなります。

7〜8時間の良質な睡眠を取る

睡眠は、脳の疲れを回復させ、記憶を整理して定着させる時間です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することをすすめています。6時間は最低ラインで、適正な時間には個人差があります。日中に眠気を感じるなら、まず寝る時間を30分早め、7〜8時間を目標にしてみてください。

眠りが浅いと、長く寝ても記憶の整理が十分に進みません。寝る前のスマートフォンをやめる、朝日に邪魔されないよう遮光カーテンを使う、寝具を見直すなど、眠りが浅くなる要因を1つずつ減らしていきましょう。

定期的な運動で血流を改善する

運動は血流を改善し、脳への酸素と栄養の供給を増やします。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人の目安を次のように示しています。歩行または同等の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)。あわせて、週2〜3日の筋力トレーニングもすすめています。デスクワーク中心で歩数が少ない方は、ひと駅手前で降りて歩く、3階までは階段を使うといった形で、日常の活動量から増やしてみてください。

いきなり目安を満たせなくても構いません。まずは「週2回、何分やるかは決めずに体を動かす」ところから始め、慣れてきたらウォーキングや水泳など好きな運動に広げていくと続きます。

参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

ストレスをためない工夫をする

強いストレスが続くと、前頭葉の働きは妨げられます。篠原教授によると、不安傾向が高い人ほど、またストレス度の高い課題に取り組むときほど、前頭前野の活動は低下しやすくなります。そこで篠原教授がすすめているのが、ToDoリストに不安も一緒に書き出すことです。「困った、どうしよう」という思いを紙に出してしまえば、脳のメモ帳(先ほどの表のワーキングメモリー)が空いて使いやすくなる、という考え方です。

もう1つは、ぼーっとする時間を意識的に作ること。自然の中を歩いたり、森や湖の写真を見たりするだけでも前頭前野の機能が増すという報告があると、篠原教授は述べています。手軽なところでは、5分間の深呼吸と、昼休みの短い散歩が入口になります。

前頭葉を衰えさせない3つの注意点

整える習慣を足しても、損なう習慣が残っていれば効果は相殺されます。研究で関連が示されている3つを挙げます。

  • 歯磨き不足:公益財団法人長寿科学振興財団のサイトでは、口の中の状態と認知症の関係を示す研究が紹介されています。歯の数が少ないほどアルツハイマー型認知症のリスクが上がる、歯周病菌が増えるほど思い出す力や計算力が低下する、といった内容です。歯磨きが前頭葉に直接働くわけではありませんが、口の中の健康を保つことは脳の健康につながります。最低でも1日2回、できれば毎食後に磨いてください
  • 大量の飲酒:慢性的に多量のアルコールを摂取していた中高年男性の脳を調べた研究があります。前頭葉の灰白質(神経細胞が集まる部分)の体積が、健常者と比べて有意に縮小していました。前頭葉は判断力や感情のコントロールに関わる部位です。楽しみの範囲に量を抑え、飲まない日を決めておきましょう
  • タバコ:喫煙は血管を収縮させて血流を悪化させます。喫煙と認知症の関係を調べた研究では、喫煙者は非喫煙者に比べてアルツハイマー型認知症の発症リスクが高いという結果でした。同じ研究は、禁煙によってそのリスクが非喫煙者と同等の水準まで下がっていくとも述べています

参考:公益財団法人長寿科学振興財団「第5章 口腔ケア 5.認知症患者への口腔ケア」

参考:Frontal lobe volume loss observed with magnetic resonance imaging in older chronic alcoholics(PubMed)

参考:Smoking Is Associated with an Increased Risk of Dementia: A Meta-Analysis(PLOS ONE)

◆あわせて読みたい:脳の健康を守る生活習慣

前頭葉を鍛えるオススメトレーニング8選

スマートフォンを持って対戦ゲームをしている複数の人の手元

ここからは、前頭葉を鍛えるトレーニングを8つ紹介します。それぞれに、どの場面で前頭葉を使うのかを添えました。「前頭葉を使う場面」の章の3つの入口と、「生活習慣」の章の内容を、具体的なメニューに落とし込んだものと考えてください。まずは1〜2個を選んで、習慣にするところから始めましょう。

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料理

料理は、レシピの選定・買い出し・調理・配膳・片付けという一連の工程を順序立てて進める作業です。脳科学辞典でも、料理のように一連の工程を順序立てる作業には前頭前野の働きが必須だと説明されています。段取りを組み、火加減を見ながら別の作業を進める。この同時進行そのものが、前頭葉を使う場面です。

篠原教授は、料理や掃除で複数のことを同時に行う「デュアルタスク」を心がけると前頭前野が活性化し、心を込めて取り組むほどその傾向が強いと述べています。作ったことのないレシピに挑戦すれば、「いつもと違うやり方」の入口にもなります。慣れてきたら、レシピを自分好みにアレンジし、オリジナルの一品へ。刺激が長く続きます。

日記(モーニング・ページ)

日記は、その日の出来事や感情を書き出す中で、自然と感情の整理を促す方法です。なかでも、アメリカの作家ジュリア・キャメロン氏が提唱する「モーニング・ページ」は、朝起きてすぐにノート3ページ分、頭の中にある思考を書き出す方法です。常にモヤモヤしている思いを頭から出して、新しい考えを生み出すスペースを作ることを目的にしています。

「生活習慣」の章で紹介した「不安も一緒に書き出す」を、毎朝の習慣にする形だと考えてください。3ページが多いと感じるなら、気になっていることを3行書くだけでも、前頭葉のメモ帳を空ける効果は期待できます。

暗算クイズ

暗算は、短い時間で答えを出す課題の代表です。電子マネーや自動精算機の普及で、日常で暗算をする機会は減りました。微分積分のような難しい計算は必要なく、足す・引く・掛ける・割るの四則計算で十分です。

買い物のときに合計金額を先に暗算してからレジに並ぶ、割り勘の金額を電卓を使わずに出す、といった日常の場面が手軽です。暗算から長く離れていた方には、小学校の計算ドリルを低学年から順に解いていく方法も向いています。

推理クイズ

推理クイズでは、状況を整理し、仮説を立て、矛盾を見つけながら答えを導く「論理的思考」が求められます。「この手がかりはどういう意味か」「動機は何か」「アリバイを崩す糸口は」と考察する過程が、前頭前野が担う推論の働きを使う場面です。

同じ形の問題が続くクイズは飽きが早い一方、推理クイズのように考える要素が多いものは長く続く傾向があります。スマートフォンのアプリや書籍で気軽に手に入り、通勤中や待ち時間にも取り組めるのが魅力。

対戦ゲーム

対戦ゲームの利点は、前頭葉の働きを楽しく使えることです。将棋や麻雀のように向かい合って戦うものでも、オンラインの対戦でも構いません。相手がいるゲームでは、想定外の一手に対応し、素早く意思決定をし、戦略を組み直す場面が続きます。

ちょっとしたことでイライラすれば相手につけ込まれるため、うまいプレーヤーは自然と感情のコントロールも身につけていきます。チームで戦うゲームなら、協調性やコミュニケーションも養われるでしょう。時間を決めて、やりすぎない範囲で取り入れてください。

第二言語の学習

新しい言語を学ぶとき、脳は大量の新しい情報を処理しなければなりません。普段当たり前に使っている物の名前ですら、別の言語では分からないことが多く、「なんて言うんだっけ」と考える場面が続きます。言葉そのものを処理するのは側頭葉の言語野ですが、この「分からない」に対処する場面は、和田氏の整理でいう想定外への対処にあたります。

文法・読解・リスニング・スピーキング・ライティングと、目・耳・口を使って多方面から取り組む過程は、まとまった脳のトレーニング。外国語の学習は異文化を学ぶことでもあり、はっきりした意思表示が求められる海外のコミュニケーションに触れることも、前頭葉への刺激になります。

読書

読書が前頭葉のトレーニングになるのは、読みながら「本当にそうか」と判断し、読んだ内容を自分の言葉に組み立て直すからです。「前頭葉を使う場面」の章でお伝えしたとおり、難しい本をただ読むだけでは前頭葉を使ったことになりません。ポイントは、自分と反対の意見の本を反論を考えながら読むことと、読んだ内容を頭の中で映像化して自分の言葉で言い直すことの2つです。

瞬読では、文章を映像としてイメージし、そのイメージを右脳で記憶する読み方を「右脳でひらめき、左脳で言語化する」と説明しています。右脳・左脳は脳を左右で分けた見方、前頭葉は前後で分けた見方で、別の軸の話です。前頭葉に関わるのは、読んだあとのアウトプットのほう。瞬読が成果の目安としているのは、1冊を速読したあとにその内容を30分〜1時間かけて書き出せることです。読んだ内容を整理して言葉にするこのアウトプットが、前頭葉の「考える・判断する」働きを使う場面にあたります。受講生の声を1つ紹介します。

瞬読の受講生の声

「瞬読をやってから、本屋で少し見ただけで、大体どんなことが書いてあるかわかるので、買う買わないの判断がしやすくなったというのが一番大きいですね。」(40歳代 男性 会社経営者)

読んで終わりにせず、読んだ内容を3行で書き出す、家族や同僚に1分で話す。このアウトプットまで含めて、読書は前頭葉を使う場面になります。まずは1か月に1冊が目標です。

参考:右脳速読法「瞬読」とは

ウォーキングなど軽度な有酸素運動

ウォーキングは、8つの中で唯一、血流を整えて前頭葉が働ける状態をつくる土台にあたります。平均78歳の高齢者約300人を9年間追跡した研究では、歩く距離が長い人ほど前頭葉を含む脳の灰白質の体積が大きいという結果でした。さらに、体積が大きかった人は認知機能の低下リスクが約半分でした。行っていた運動は基本的にウォーキングだけです。

激しい運動は必要ありません。1日20〜30分、無理のないペースで歩くだけで十分です。歩きながら前頭葉を使う場面にするなら、いつもと違う道を選ぶ、その日の段取りを頭の中で組み立てる、といった工夫が足せます。篠原教授が挙げるように、自然の中を歩けば、ぼーっとする時間を作る効果も同時に得られます。

参考:Physical activity predicts gray matter volume in late adulthood: The Cardiovascular Health Study(PMC)

◆あわせて読みたい:脳トレの種類と使い分け

何から始める?1週間の組み合わせ例

机の上に置かれた白紙の卓上カレンダーと、鉛筆・腕時計・小さな観葉植物

「どれから始めればいいか分からない」という方のために、1週間の組み合わせ例をまとめました。効果の感じ方には個人差があるため、まず2週間は同じ組み合わせを続け、冒頭のサインが減ったかどうかを確かめるのが目安です。続けやすいように、毎日やるのは2つに絞り、残りは週2回と週末に分けています。

曜日の例 やること 時間の目安 ねらい(使う場面)
平日(毎日) 朝に、気になっていることを3行書き出す/昼休みに1問数秒の脳トレ 3分+1分 不安を書き出す/迷わず判断する
平日(週2回) 帰りにひと駅手前で降り、いつもと違う道を歩く(これ1つで、ねらい2つを兼ねる) 20分 有酸素運動/いつもと違うやり方
土曜 作ったことのないレシピで料理する 60分 段取りと同時進行
日曜 本を読み、内容を3行で書き出す/自然の中を歩く 30分+30分 読書とアウトプット/ぼーっとする時間

曜日や時間帯は一例です。起床後や通勤、食事のあとなど、自分の生活の中で「毎日必ずある時間」に組み込むと忘れにくくなります。昼休みの1分に取り組む脳トレは、「1問数秒で答える課題」の項で紹介した形のものなら、スマートフォンでも紙のドリルでも構いません。

前頭葉を鍛える方法についてよくある質問

木々に囲まれた公園のベンチに座り、緑を眺める大人の後ろ姿

前頭葉を鍛えると、効果はどれくらいで感じられますか?

一律の目安はなく、個人差があります。目安を決めたいなら、「1週間の組み合わせ例」の章で書いたとおり、まず2週間同じ組み合わせを続け、冒頭のサインが減ったかどうかで確かめるのが現実的です。日々の変化を日記に残しておくと、比べやすくなります。

運動が苦手でも前頭葉は鍛えられますか?

鍛えられます。この記事で紹介した8つのトレーニングのうち、料理・日記・暗算・推理クイズ・対戦ゲーム・第二言語・読書の7つは、体を動かさずに取り組めるものです。前頭葉を使う場面をつくることが基本なので、運動が苦手なら、感情が揺れたときに理屈で対応する、いつもと違うやり方を選ぶ、1問数秒で答える課題を解く、の3つが入口。運動はしなくても鍛えられますが、血流の面では無理のない範囲の散歩を足せると、なお良い土台になります。

ゲームやアプリでも前頭葉は鍛えられますか?

市販のゲームや無料のアプリでも、素早い判断や想定外への対応が求められるものなら、前頭葉を使う場面になります。対戦相手がいるゲームや、制限時間のある問題は特に向いています。一方で、同じ操作を繰り返すだけで受け身になりやすいものは、気分転換にはなっても前頭葉を使う場面にはなりにくいでしょう。時間を決めて取り組むことと、正解にこだわりすぎないことがポイントです。

前頭葉を鍛えると、感情のコントロールはうまくなりますか?

前頭前野は、脳科学辞典によると反応抑制や情動、意思決定に関わる部位です。鍛えても感情は動きます。変わるのは、感情が動いたあとに一呼吸おいて対応できる場面が増えることです。実感しやすいのは、「カッとなったが言い返さずに済んだ」「イライラの理由を言葉にできた」「嫌な出来事を翌日に引きずらなくなった」といった場面です。具体的な練習は、「感情が揺れたときに、理屈で対応してみる」の項を参考にしてください。

前頭葉にいい食べ物はありますか?

特定の食べ物を食べれば前頭葉だけが鍛えられる、という根拠はありません。脳全体の働きを支える栄養として、オメガ3脂肪酸・ビタミンB群・抗酸化物質・葉酸・鉄分などを含む食品をバランスよく摂ることが基本です。極端な糖質制限は、脳のエネルギー不足につながるおそれがあるため避けてください。詳しくは「バランスのよい食事を心がける」の項をご覧ください。

子どもの前頭葉を鍛える方法は、大人と同じですか?

基本の考え方は同じですが、取り組み方は変わります。脳科学辞典によると、前頭前野は生まれてから最も遅く成熟する部位で、子どもは発達の途中にあります。子どもの場合は、遊びや習い事、規則正しい生活リズムの中で、自分で考えて選ぶ場面を増やすことが中心です。瞬読の体験会は本が読める小学4年生くらいから参加でき、書籍では5歳以上を対象にした『1問1秒 瞬読ドリル』もあります。年齢に合った負荷で、「迷わず答える」「段取りを組む」場面をつくってあげるのが基本です。

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まとめ

前頭葉は、大人になってからでも鍛えられます。鍛え方の基本は、感情が揺れたときに理屈で対応する、いつもと違うやり方を選ぶ、1問数秒で答える課題を解く、という「前頭葉を使う場面」を毎日つくることです。食事・睡眠・運動・ストレス対策で土台を整え、歯磨き不足をなくし、大量の飲酒とタバコを減らせば、年齢を重ねても判断力や感情の切り替えを保っていけます。

今回紹介した8つのトレーニングは、どれも今日から始められるものです。まずは1〜2個を選び、2週間続けて、冒頭のサインがどう変わったかを確かめるところからです。

「迷わず答える練習」から始めたい方は、瞬読式脳トレアプリをお試しください。

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