
記事の監修
株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子
記事の監修
株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子
大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。
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前頭葉は、思考や感情といった、人間が人間らしく生活するために必要な機能をコントロールする非常に重要な部位です。
前頭葉の機能を高められれば、日常生活の質を向上させることはもちろん、認知症の予防効果も期待できます。
この記事では、前頭葉の役割をご紹介したあと、生活習慣の改善と効果的な脳トレーニング方法を紹介します。脳の働きをもっともっとよくしたい人は、ぜひ最後までお読みください。
目次
前頭葉の基本的な知識
脳にはいろいろな部位があるとは知っていても、前頭葉がどういう働きをしているかをきちんと理解している人は案外少ないものです。前頭葉を鍛える方法についてお話しする前に、まずは前頭葉の基本的な知識を押さえてしまいましょう。
前頭葉とは何か?その主な機能
前頭葉は、脳のもっとも前部に位置する領域で、私たちの行動や思考をコントロールする重要な役割を担っています。もう少し具体的にいうと、意思決定・問題解決・感情の制御・記憶の編集といった高度な認知機能に深く関与しています。
非常にデリケートな部位ということもあり、ストレスや睡眠不足といった外的要因の影響を非常に受けやすいのが前頭葉の大きな特徴です。前頭葉の働きが低下すると、もっとも影響を受けるのが、感情のコントロールでしょう。
ちょっとしたことでイライラしたり、不安に押しつぶされそうになったり、感情の起伏が激しくなります。そうなると、周囲の人からも少しずつ距離を置かれてしまい、孤立感から余計に感情コントロールがうまくいきません。
こういった悪循環に陥らないためにも、生活習慣を整え、日頃からトレーニングで前頭葉を鍛えておくことが重要です。
前頭葉が健康におよぼす影響
先ほどお伝えしたように、前頭葉は、私たちの精神的な健康と密接に関連しています。そのため、ストレスなどによって前頭葉の働きが鈍ると、感情の調節や社会的コミュニケーションに問題が起きやすくなってしまうのです。
感情の調節がうまくできない状態が長期間続くと、いずれうつ病や不安障害、さらには多くの精神疾患を引き起こしてしまうかもしれません。
また感情のコントロールが乱れ、論理的思考や分析力も衰えれば、正常な判断ができずに生活習慣が乱れます。そうなると、高血圧や糖尿病といった、いわゆる「生活習慣病」のリスクも跳ね上がってしまうでしょう。
なお、前頭葉の機能低下による病気のリスクとしては、やはり認知症をもっとも警戒すべきです。前頭葉と認知症の関係については、次項で説明します。
認知症と前頭葉の深い関係
前頭葉や側頭葉の萎縮によって発症する認知症を、「前頭側頭型認知症」といいます。アルツハイマー型認知症と血管性認知症に次ぐ3番目に多い認知症ですが、日本での患者数は12,000人と割合としてはそれほど多くありません。
ただし、若年期(40歳〜64歳)に発症するケースが多いため、周囲が認知症の事実に気づくのがどうしても遅れてしまうという大きなデメリットがあります。
前頭側頭型認知を疑うべき症状として、大阪市の資料には以下のようなものが挙げられています。
- 同じことを繰り返す:同じ行動や同じ言葉を繰り返す
- 時刻表的な生活:毎日同じ時間に同様の行動をとり、制止すると怒る
- 食べ物へのこだわり:同じ食べ物、特に甘いものばかり際限なく食べる
- 立ち去り行動:周囲の状況に関わらず、突然立ち去ってしまう
- 状況に合わない行動:無遠慮で身勝手にも思える行動をとる
- 無関心:周囲の出来事や自己(衛生、容姿など)へも無関心である
- 逸脱行為:万引きのような反社会的行動、性的な行動などを繰り返す
- 意欲減退:ぼんやりと何もしない、引きこもりが続く
- 言語障害:言葉の意味がわからない、言葉が出にくい
- 記憶障害が軽い:はじめの頃は比較的記憶障害が目立たない
残念ながら、前頭側頭型認知症は指定難病に認定されており、現在でも根本的な治療法は見つかっていません。だからこそ、認知症を予防する意識が重要になってくるのです。
前頭葉を鍛えるとどのようなメリットがあるのか?
冒頭でもお伝えしたように、前頭葉は私たちの感情や判断、記憶に大きく関与している重要な部位です。この重要な役割をもつ前頭葉を鍛えることで、多くのメリットを得ることができます。ここでは、前頭葉の強化で得られる3つのメリットについて詳しく見ていきましょう。
うつ病のような精神疾患のリスクを抑制できる
前頭葉を鍛えると、うつ病のような精神疾患発症リスクの軽減が期待できます。前頭葉は感情のコントロールを司る重要な部分であり、ここがうまく働くとストレスや不安に対する耐性が大きく高まるからです。
たとえば、適度な負荷の有酸素運動をおこなうと、エンドルフィンと呼ばれる「幸せホルモン」が安静時の3〜5倍も分泌されます。エンドルフィンには、抗ストレス作用や鎮静作用があるので、分泌量が増えれば脳を安定した状態に維持しやすくなるわけです。
また感情を安定させるという面でいうと、瞑想なども非常にオススメです。静かに自分の内側と向き合う過程で、過去への後悔や未来に対する不安から解放されます。
さらに、現在進行形で発生している問題や不安点についても、じっくりと向き合ううちに、きっとよいアイデアが生まれてくるでしょう。
そうやってネガティブな感情が少なくなれば、当然うつ病になるリスクは軽減します。瞑想については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ読んでみてください。
◆マインドフルネス瞑想については、コチラの記事でもお読みいただけます
判断力や記憶力といった認知機能が向上する
前頭葉を鍛える大きなメリットのひとつとして、判断力や記憶力の向上が挙げられます。ここまで繰り返しお伝えしている通り、前頭葉は私たちの思考を司る最重要パーツです。そのため、前頭葉の働きがよくなれば、認知機能が向上するのも当然といえます。
ただし、ストレスや体調不良といったマイナスの負担が前頭葉にかかると、やはり認知機能は低下します。
残念ながら、人と関わりながら生きていく限り、こういったマイナス要因を完全に避けるのはむずかしいでしょう。だから私たちは、普段から前頭葉を鍛えるトレーニングに取り組んでおく必要があるのです。
日頃からものごとを客観的に分析判断する訓練を積んでおけば、多少前頭葉にストレスがかかっても、大きな判断ミスは回避できます。長期記憶として覚える効率的な学習法を知っていれば、加齢による記憶力の低下も最低限に抑えられるはずです。
後述するオススメのトレーニングを参考にして、まずはどれかひとつ、気になる脳トレーニングに取り組んでみてください。
人間関係がよくなる
前頭葉を鍛えて、前頭葉の司る認知機能がきちんと働いてくれれば、あなたの人間関係は劇的によくなります。前頭葉は感情・性格・理性といった面と密接に関係があるため、前頭葉の働きを強化すると、感情コントロールが上手になるからです。
なにか嫌なことがあり、そのイライラを毎回友達にぶつけていたら、どんなに仲がよくてもやがて嫌われてしまいますよね。
もちろん、本人からすればちょっと愚痴を言っただけという認識であり、自分ではうまく感情を抑えているつもりでしょう。でも、イライラや不安、悲しみといったネガティブな感情は、あなたが考えている以上に相手へ伝わっているものです。
前頭葉を鍛えると怒りや悲しみといった感情を適切に管理できるようになるので、周囲の人とのコミュニケーションが円滑になり、誤解や対立が減ります。誰だって、人間関係が改善され、日常生活がより充実したものになれば嬉しいですよね。
そう考えると、やはり前頭葉を鍛えるトレーニングに取り組む価値は大きいと言えそうです。
生活習慣を整えて前頭葉を活性化しよう
前述の認知症リスクを軽減するには、まず生活習慣を整えて、脳の働きを正常に維持する意識が必要です。今回は、整えるべき生活習慣を7つご紹介します。
バランスのよい食事を心がける
健康な前頭葉を維持するためには、バランスの取れた食事が欠かせません。近年日本では糖質制限が流行っていますが、脳の健康という意味でいうと、あまりオススメしたくないのが正直なところです。
脳が栄養として吸収するのは、基本的にブドウ糖がメインになります。だから、過度の糖質制限を長期間続けると、脳に十分な栄養が供給されなくなってしまう恐れがあるのです。(もちろん、適度な糖質制限は現代人にとって必須です)
とはいえ、ブドウ糖だけを摂取していればよいわけではありません。神経細胞の生成やホルモンの分泌には、ビタミンやミネラルといった微量栄養素が必要です。
以下に、脳によいとされる代表的な栄養素と含有量の多い食品を挙げておきます。
- オメガ3脂肪酸:サバやサーモン、亜麻仁油など
- ビタミンB群:赤身肉、バナナ、さつまいもなど
- ポリフェノールのような抗酸化物質:ブルーベリー、大豆、お茶など
- 葉酸:緑黄色野菜、穀物類、きのこ、海藻など
- 鉄分:レバー、カツオ、納豆、ほうれん草など
普段あまり摂らない栄養があったら、ぜひ意識的に摂取量を増やしてみてください。きっと、脳の働きが改善されるはずです。
◆朝食の重要性については、コチラの記事でお読みいただけます
7〜8時間の良質な睡眠を取る
良質な睡眠は、前頭葉だけでなく、脳全体の健康にとって不可欠です。忙しい現代人にとって、毎日7〜8時間の睡眠を確保するのは、正直大変かもしれません。
しかし、睡眠は脳の疲れを癒やし、記憶の整理と定着をおこなう大事な時間です。寝不足の翌日は、なんだか頭がぼんやりしてうまく働かないという経験を、誰もが一度はしているでしょう。そう、寝不足は、本当に脳の働きを鈍らせます。
また、記憶の整理と定着は、レム睡眠中だけにおこなわれる作業です。レム睡眠は90分感覚で一晩に4〜5回しか発生しないため、睡眠時間が短いと記憶の整理が十分にできないまま朝を迎えてしまいます。
また、睡眠の質も重要です。いくら長時間寝ても、明るく寝苦しい状態だと、睡眠が浅くなってしまいます。
寝る前のスマートフォンをやめる・朝日に邪魔されないように遮光カーテンを設置する・よい寝具を選ぶなど、できるだけ快適に睡眠が取れるように、心がけましょう。
◆良質な睡眠を取るためのポイントについては、コチラの記事でもお読みいただけます
定期的な運動で血流改善を目指す
定期的な運動は血流を改善し、脳に対する酸素と栄養素の供給量を増やしてくれます。デスクワーク主体の生活で、歩行数が極端に少ない(5,000歩未満)人は、要注意です。
日常生活で歩数を稼げない人は、意図的に運動の時間を確保するしかありません。まずは、ひと駅前で降りて歩く・3階までは階段を利用する・自転車通勤にするといった感じで、日常生活の運動量を少しずつ増やしてみましょう。
慣れてきたら、ウォーキングや水泳、筋トレなど、好きな運動に取り組み、運動量を徐々に増やしていきます。
運動量については、個人差はありますが、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の基準を目安にするのが無難でしょう。
- 週に中強度の運動を150分、もしくは強めの運動を75分
- 週2日以上の筋力トレーニング
- 片足立ちのようなバランス運動を週に3日(65歳以上)
いきなり上記の運動量を確保できなければ、まずは、時間を決めずに「週に2回の運動」を目指してみてください。
◆運動と脳の関係については、コチラの記事でもお読みいただけます
1日2回以上の歯磨きで認知症予防
定期的な歯磨き習慣は、認知症の予防を促進してくれる可能性が非常に高いです。歯周病や虫歯と認知症との関連を示す研究も増えており、近年口腔ケアの重要性があらためて見直されています。
- 歯数が少ないほどアルツハイマー型認知症のリスクが上がる
- 歯周病菌が増えるほど、思い出す力や計算力が低下する
- アルツハイマー型認知症患者の脳から、歯周病菌が検出された
口腔の状態と認知症の関係性を示した上記のような研究データが、公益財団法人長寿科学振興財団のサイトに多数掲載されています。もちろん上記データが、「歯磨きが前頭葉に直接影響を与えること」を示しているわけではありません。
ですが、口の中の健康を保つことが脳の健康を保つことにつながっているのは、間違いないでしょう。脳の劣化を防ぐために、最低でも1日2回できれば毎食後に、しっかりと歯磨きをおこなってください。
※参考: 第5章 口腔ケア 5.認知症患者への口腔ケア | 公益財団法人長寿科学振興財団
大量の飲酒で脳が萎縮
大量の飲酒は、前頭葉を含む脳全体の萎縮を引き起こし、脳機能の低下を招く恐れがあります。前頭葉は「判断力」や「感情のコントロール」を司る重要な部位であり、アルコールの影響を強く受けることが知られています。
実際、アルコールが脳に与える悪影響に関する研究データは非常に多いです。たとえば、慢性的に多量のアルコールを摂取していた中高年男性の脳を調べた研究※では、「前頭葉の灰白質体積が健常者と比べて有意に縮小している」ということが明らかになっています。
楽しくお酒を飲むこと自体が悪いとは言いませんが、飲み過ぎによって気づかぬうちに脳の老化を加速させているかもしれません。前頭葉の働きを守るためにも、飲酒量の見直しは非常に重要です。あくまでも楽しみの範囲に量を抑えて、脳に無理な負担をかけないように心がけましょう。
◆過剰な飲酒と脳の関係については、コチラの記事でもお読みいただけます
タバコをやめれば認知症リスクは軽減
タバコをやめれば、前頭葉をはじめとする脳の健康が守られ、認知症リスクの軽減が期待できます。喫煙は血管を収縮させて血流を悪化させるうえ、脳に慢性的な酸素不足をもたらします。
なかでも前頭葉は、血流の影響が大きい器官です。そのため、長期間の喫煙習慣により徐々に萎縮し、認知機能の低下を引き起こしやすくなります。
たとえば、中国でおこなわれた喫煙と認知症の関係性に関する研究※では、喫煙者は非喫煙者に比べてアルツハイマー型認知症の発症リスクが高いことがわかっています。
でも、安心してください。同報告書には、禁煙によってこのリスクが、非喫煙者と同等レベルにまで下がっていくとも書かれています。
タバコはあくまでも嗜好品です。なくても生活に支障をもたらすものではありません。高齢になっても元気で生き生きと生活をしたいのであれば、できるだけ早い時期での禁煙を強くオススメします。
◆禁煙が脳に与える悪影響については、コチラの記事でもお読みいただけます
定期的にストレス対策をおこなう
前頭葉の健康を保つためには、ストレスをため込まないよう、定期的にストレスを解放してあげる必要があります。というのも、ストレスが続くと脳内でコルチゾールというホルモンが過剰に分泌され、前頭葉の働きを妨げてしまうからです。
前頭葉は思考力や感情のコントロールを担う場所で、ストレスの影響を大きく受けます。過度なストレスにより、メンタルへ影響が出る前に、ストレスを解消してあげましょう。手軽にできるストレス対策としてオススメなのが、深呼吸と軽い散歩です。
わずか5分間の深呼吸で前頭葉の実行機能が改善されたという研究結果※1や、自然環境でのウォーキング(40分)により、注意力や感情制御にポジティブな変化があったという研究結果※2もあります。
ストレスを完全に除去するのはむずかしいとしても、前頭葉の働きへ影響が出ない程度にストレスを抑制することはできるはずです。自分がリラックスできる方法で、定期的に脳を労ってあげてください。
◆呼吸法のやり方については、コチラの記事でお読みいただけます
◆自然と触れ合うメリットについては、コチラの記事でもお読みいただけます
前頭葉を鍛えるオススメトレーニング
最後に、前頭葉を鍛えるオススメのトレーニングを8つ紹介します。ほかにも有効なトレーニングは数多くありますが、まずは今回紹介した8つをきっかけにして、トレーニングを習慣化していきましょう。
料理
料理が優秀な脳トレであるといっても、ほとんどの人がピンとこないかもしれません。しかし、冷静に料理のプロセスを分析すると、料理はさまざまなマルチタスクが連続する高度な作業であると気づくはずです。
レシピの選定・材料の買い出し・調理・配膳・片付け・次の食事の下準備といった作業を、手際よくこなせるのは、前頭葉がしっかりと活動してくれているから。
もし、今「もっと上手に料理ができればいいのに……」と感じていても、全然大丈夫です。繰り返し料理をするうちに、計画立てや遂行力、論理的思考が磨かれ、必ず手際はよくなります。
慣れてきたら、ぜひオリジナルレシピにチャレンジしてみてください。もちろん、最初はレシピサイトで気に入った料理を、自分好みにアレンジするだけで十分です。それだけでも、分析力や創造力は、メキメキとレベルアップします。
◆料理の脳トレ効果については、コチラの記事でもお読みいただけます
日記(モーニング・ページ)
日記を書く習慣は、前頭葉の機能を強化する効果的な方法のひとつです。日記にその日の出来事や感情を記録する課程で、自然と自己反省と感情の整理が促されます。
日記を書くなら、断然朝の静かな時間をオススメします。以前別記事でも紹介しましたが、アメリカの著名な作家ジュリア・キャメロンさんの著書で提唱している「モーニング・ページ」の効果は本当に絶大です。
モーニング・ページとは、朝起きたらA3ページ3枚分、頭のなかの思考を書き出すという思考整理法になります。常に頭のなかでモヤモヤとしている思いを頭から追い出して、新しい考えを生み出すスペースを脳内につくってあげるのが、モーニング・ページの目的です。
別な表現をすれば、「思考の言語化をする」のがモーニング・ページの役割になります。思考が明確になれば、頭のなかがスッキリして、別の創造的な思考に脳のリソースを割けますよね。
なんか頭がスッキリしないと感じている人は、ぜひモーニング・ページを試してみてはいかがでしょうか。
◆モーニングページの詳細については、コチラの記事でもお読みいただけます
暗算クイズ
暗算クイズは、生活の基盤ともいえる計算の能力を鍛えてくれるオススメの脳トレです。多くの人は、年齢を重ねるごとに、少しずつ計算能力が衰えていきます。近年では、電子マネーや自動精算機が普及しているので、余計に暗算をする機会が減ってしまいました。
もちろん、微分積分や方程式といった難易度の高い計算は、正直必要ありません。足す・引くといった四則計算ができれば、脳トレとしては十分だと思います。(分数や小数点の四則計算はなかなか難敵ですけどね……)
具体的な方法として、小学校の計算ドリルを小学1年生から順番に解いてみるのがオススメです。算数は途中でわからない点があると、そのあと習う内容にうまく対応できないという性質があります。
だから、へたに高学年からスタートするよりも、最初から理解度を確認する方が、最終的に効率よく脳を鍛えられるはずです。
◆暗算クイズについては、コチラの記事でもお読みいただけます
対戦ゲーム
対戦ゲームは、前頭葉の認知機能を楽しく鍛えられるのが、大きなポイントになります。ゲームの種類はなんでも構いません。自宅でRPGをしてもいいし、将棋や麻雀のように実際に向かい合って戦うのもおもしろいでしょう。
どのゲームを選ぶにせよ、誰かと競い合うなかで、プレーヤーは素早い意思決定や戦略的思考、および問題解決スキルを学びます。ちょっとしたことでイライラしたら、相手にやられてしまいますから、優秀なプレーヤーは自然と感情のコントロール方法も身につけていきます。
ほかのプレーヤーとチームを組んで戦うタイプのゲームなら、協調性やコミュニケーションスキルなども少しずつ養われていくでしょう。
ゲームと聞くとただの遊びと思われがちですが、脳トレ効果は非常に高いです。やりすぎない程度に、ぜひいろいろな対戦ゲームを試してみてください。
推理クイズ
前頭葉を鍛えるうえで、推理クイズはオススメのトレーニングです。推理クイズに取り組む際には、状況を整理し、仮説を立て、矛盾を見つけながら答えを導き出すという一連の「論理的思考」が求められます。
前頭葉、特に前頭前野は、思考、判断、計画、実行などの 実行機能を司っている非常に重要な部位です。「この手がかりはどういう意味があるのか?」「動機はなにか?」「アリバイを崩す糸口は?」と深く考察するプロセスが、前頭葉を思いっきり刺激してくれます。
四字熟語クイズや計算クイズのようなゲームは、どうしても飽きが早いです。一方、推理クイズのように考える要素が多いゲームは、なかなか飽きません。スマホアプリや書籍など、気軽に入手でき、いつでもどこでも楽しめるのも推理クイズの魅力です。
楽しみながら脳の前頭葉を刺激したいなら、推理クイズはまさにオススメの脳トレといえるでしょう。
第二言語の学習
前頭葉を鍛えるなら、第二言語の学習もオススメです。新しい言語を学ぶとき、脳は多くの新しい情報を処理しなければならず、言語機能と関係性の強い前頭葉が活発に働きます。
後述する読書も前頭葉のトレーニングに適していますが、過去の知識の蓄積がない状態での学習は、より強い刺激が脳にかかります。
普段当たり前のように使っているものの名前ですら、多言語だとわからないことが多いです。当然、「うーん、なんて言うんだっけ……」とイライラすることもしばしば起こります。でも、このイライラが、前頭葉を思い切り使っている証拠なのです。
実際の学習では、さらに文法・長文読解・リスニング・スピーキング・ライティングと、多方面から取り組んでいかなくてはなりません。目・耳・口・体を使って、なんとか新しい言葉に慣れていく。この過程が、最高の脳トレーニングとなってくれるはずです。
また、外国語の学習は、同時に異文化を学ぶことでもあります。海外の人とのコミュニケーションでは、明確な意思表示が求められます。
相手の気持ちを読み、時には曖昧な態度で場の空気を壊さないようにする日本式コミュニケーションとの違いは、前頭葉に大きな刺激を与えてくれるでしょう。(もちろん、日本式のコミュニケーションにもよい面は数多くあります)
◆効率的な英語の学習法については、コチラの記事でお読みいただけます
読書
前頭葉のトレーニングとして、ぜひ取り入れてほしいのが「読書」です。1冊あたりわずか1,000〜2,000円程度の出費で、効率的に脳トレーニングができると考えれば、これほどコストパフォーマンスに優れた方法は他にありません。
本の内容は、基本的に文章で構成されています。イラストや表が含まれている本もありますが、それらはあくまでも文章の補助的役割です。(写真やイラストがメインのものは、本ではなく雑誌です)
文章は情報伝達に適していますが、すべてを細かく描写するのは困難です。そのため、読者自身が文章から必要な情報を読み取り、頭の中で映像化する能力が求められます。小説はその典型で、登場人物の感情や行動、状況を文章から映像へ自分の頭で変換する作業が必要です。
この「自分の頭で文章を映像としてイメージする」作業によって、読解力や想像力が養われます。また、おもしろい本や役立つ本を読むと、自然に夢中になってしまい、集中力が鍛えられます。
さらに、読書を通じて得た新しい知識は、分析力や判断力の基礎として役立ってくれるでしょう。まずは、1か月に1冊を目標に、ぜひ読書に取り組んでみてください。
◆読書のメリットについては、コチラの記事でもお読みいただけます
ウォーキングなど軽度な有酸素運動
前述の通り、脳に対する酸素と栄養素の供給量を増やすには、軽度な有酸素運動が非常に有効です。また、適度な有酸素運動には、脳の体積を増やしてくれる働きがあります。
実際に、定期的にウォーキングをしている高齢者は、そうでない人に比べて前頭葉の体積が増加したという研究結果※も報告されています。研究開始後9年後の追跡調査では、脳の灰白質体積が増加した人の認知症リスクは、通常の2倍も減少していました。
研究対象者の平均年齢は78歳であり、おこなった運動は基本的に軽度のウォーキングだけです。脳の健康に限定するなら、激しい運動は必要ありません。1日20〜30分程度、無理のないペースで歩くだけでも十分効果が期待できます。
肉体の強化のみならず、ストレス対策やメンタル強化にも役立つウォーキングは、まさに前頭葉強化にうってつけの習慣といえるでしょう。
まとめ
冒頭でも触れたように、前頭葉は思考や感情といった日常生活の基本となる機能を司っています。したがって、前頭葉の働きが低下すると、日常生活のクオリティが一気に下がってしまいます。
年齢を重ねても元気で明瞭な思考を保てるように、今回紹介する前頭葉のトレーニングにぜひチャレンジしてみてください。