記事の監修
株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子
大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。
もしあなたが、「人の名前を思い出せない」「どうも本の内容が頭に入ってこない」このように感じはじめたら、それは脳を鍛える時期がきたというシグナルです。
人間誰しも「自分はまだまだ大丈夫」と思い込みがちですが、残念ながら40代に差しかかると、脳の衰えはどんどん進んでいきます。
今回の記事では、脳の働きに大きく関係する前頭葉や海馬と脳トレの関係、さらに脳を鍛える方法についてわかりやすく解説していきます。
目次
「脳を鍛えるとは」具体的にどういう状態を指すのか?
脳を鍛えるといっても、さまざまな部位にわかれている脳の、どの部分を鍛えればよいのでしょうか。すべての部位をまんべんなく鍛えられればベストですが、現実的にはなかなかむずかしいところです。
「記憶力が悪くなってきた」「最近名前が出てこない」というように、もし現在なにか気になる症状があるなら、その症状を改善してくれる脳トレを選ぶのがベストな選択になります。とくにそういった症状がなければ、主に前頭葉と海馬に焦点を絞っていけば間違いないでしょう。
前頭葉は、人間の思考や理性・運動などを司る非常に重要な部位です。「考える」「判断する」「理性を働かせる」など、人間として重要な要素をすべて担っているといっても過言ではありません。
また海馬は、情報をいったん保管して長期間記憶するかどうかを判断する、これまた重要な器官です。前頭葉と海馬の働きが衰えると、以下のようにさまざまな障害が現れてきます。
■ もの忘れが増える
■ 判断力が鈍る
■ すぐにキレる
■ やる気が出ない
上記のような症状が頻発するようになれば、やがては認知症になる可能性が高いです。しかも、いったん認知症になれば、完全な治療はほぼムリだと思います。だからこそ、できるだけ早いうちに脳トレで脳を鍛えて、認知症を予防していく必要があるのです。
脳を鍛える4つのメリット
前述のとおり、脳を鍛えると認知症の予防効果が期待できます。とはいえ、現在20代や30代なら、認知症といわれても正直ピンとこないでしょう。そこで、もう少し具体的に、脳を鍛えるメリットについて解説していこうと思います。
- 記憶力が改善
- 集中力や判断力が蘇る
- マルチタスクも楽々
- 言語能力の衰えを最小限に抑えられる
それでは、ひとつずつ解説します。
記憶力が改善
前述のとおり、海馬はインプットした情報を一時保管して、整理をする重要な器官です。その海馬は、前頭葉の大半を占める前頭前野が統括しています。だから、脳トレで海馬と前頭前野を鍛えると、少なからず記憶力によい影響が現れてきます。(海馬と前頭前野の記憶システムについては後述)
また海馬と前頭前野が活性化すると、記憶力のみならず、記憶された情報を引き出す能力もアップします。そのため、なにか問題が発生した際も、蓄積された記憶のなかから問題解決に役立ちそうな情報をピックアップして、素早く対処できるようになるでしょう。
ただ、ひと言で記憶力の衰えといっても、さまざまな原因があります。加齢や疲労による軽度な状態とアルツハイマーのような病気では、対処の仕方がまったく変わってくるのは当然です。
脳トレは治療ではありません。症状が現れる前から取り組んで、衰えを少しでも遅らせるようにするための予防法のひとつです。そこだけは誤解のないようにお願いします。
◆海馬・前頭前野と記憶の関係については、コチラの記事でもお読みいただけます
判断力や集中力が蘇る
前述のとおり、前頭葉は人間の思考や理性・運動などを司っていて、判断力や集中力にも前頭葉が大きく関係しています。だから脳トレをして前頭葉を刺激すると、判断力と集中力が次第に研ぎ澄まされてきます。
人生は判断の連続です。判断力が鈍り、誤った判断を下せば、当然自分の望むような素晴らしい結果は望めません。その誤った判断で、単にチャンスをロスするだけならまだマシです。
最悪の場合は、失敗によってあなたの信用を失ってしまうことだって考えられます。いったん信用を失えば、そこからまた信用を取り戻すのは、容易なことではありません。
だから、少しでもよい状態で正しい判断を下せるように、脳トレで判断力と集中力を鍛えていく必要があるのです。
◆判断力を鍛えるコツについては、コチラの記事でお読みいただけます
マルチタスクも楽々
「音楽を聞きながら歩く」「リスニングをした内容をメモする」といったマルチタスク脳トレを習慣化すると、実生活におけるマルチタスク(同時作業)がスムーズになってきます。思考を司る前頭葉と、運動系を司る小脳を同時に鍛えることで、脳が同時作業に慣れてくるからです。
違うことを同時におこなうマルチタスクは、どうしても集中力が分散しやすいので、一般的にあまりよい結果が生まれないとされています。たしかにそのとおりなのですが、実際にはマルチタスクをせざるを得ない状況は必ずあります。
たとえば運転です。運転に慣れてくるとつい忘れがちですが、運転はハンドル操作・アクセルとブレーキの操作・周囲の確認・ウィンカーやワイパーの作動など、挙げればキリがないくらい、さまざまな動作を同時にこなさなければ成立しません。
高齢なドライバーが逆行運転や急発進による事故を引き起こすのは、こうしたマルチタスクの能力が加齢とともに衰えてしまうからです。普段から脳トレでマルチタスク能力を鍛えておけば、こうした悲しい事故は防げたかもしれません。
言語能力の衰えを最小限に抑えられる
誰でも年齢を重ねるごとに、少しずつもの忘れが増えていくものです。知っているはずの名前を忘れてしまったり、思っていることがうまく言葉にできなかったりすると、わかっていてもガッカリしますよね。
そういった症状は、言語系の脳トレによって、進行を遅らせることも十分可能です。個人差はありますが、なにもせずに言語能力の衰えが進行すると、いわゆる認知症になってしまう可能性が大幅にアップします。
言語障害をともなう認知症になれば、相手のいうことがわからない、反対に相手の話す内容はわかるが思っていることを言葉にできないといった症状が出てくるので、これまでのような日常生活は送れません。
今回は紹介しませんが、別記事で言語系に効果的な脳トレを紹介しています。言語能力に不安のあるかたは、ぜひそちらの記事にも目を通しておいてください。
◆言語系脳トレについては、コチラの記事でお読みいただけます
脳の前頭葉と海馬を鍛える方法
脳はさまざまな部位にわかれていて、それぞれ受けもつ役割が異なります。記憶の定着という面でいうと、もっとも大事なのが、冒頭でも触れた「海馬」です。そして、海馬の大元である前頭葉は、思考や理性などをコントロールしています。
脳を鍛える方法を紹介する前に、前頭葉と海馬の働きについて、しっかりと理解しておきましょう。
海馬はワーキングメモリの司令塔
目や耳といった感覚器官から受け取った情報は、大脳を通過したあと、海馬に集められます。海馬は前頭前野という部位と連動して、受け取った情報を長期間記憶しておくべきかどうかを判断する重要な器官です。
この、一時的な記憶の保存機能を、ワーキングメモリとよびます。もしワーキングメモリがなければ、インプットしたそばから忘れてしまい、長期記憶どころの話ではありません。
同様に、人間がスムーズに会話できるのも、ワーキングメモリのおかげです。相手の話をすぐに忘れてしまっては、とても会話になりませんからね。
ただこのワーキングメモリは、いわば脳のメモ帳です。あくまでも一時的な保管が目的なので容量はとても小さく、あまりにも大量の情報を受けると、うまく機能できない可能性があります。そういった状況を避けるためにも、海馬を鍛えて、長期記憶への移行を促進することが非常に重要です。
自分で考えるクセをつけると前頭葉は発達する
前頭葉や海馬を鍛えたいなら、「自分の言葉でじっくりと考える」ことを意識するだけでも、だいぶ結果が変わってきます。
私たちの日常は、同じような行動の繰り返しばかりです。起床時間・食事時間・仕事の時間と、1日の大半は、ほぼルーティン化されてしまっています。生活の大半がルーティン化すれば、自分で考える機会が激減するのは当然です。
考える機会が減れば、そのぶん思考力や判断力といった能力が衰えてしまいます。だから日常生活に少しずつ新しい習慣を組み込んで、脳へどんどん刺激を与えていく必要があるのです。
もちろん、いきなり転職や引越しのような、大きな変化を求める必要はありません。いつもと違う道を歩く・旧友に連絡してみる・平日に休みを取って遠出するなど、日常生活に少しだけ変化をプラスしてみましょう。もちろん、手軽にできる脳トレもオススメです。
そして、はじめて歩いた場所でみつけたラーメン屋が流行っていたら、なぜそんなに人気があるのか考えてみてください。答えがみつからなくても、別に構いません。その考える行為自体が、前頭葉と海馬に十分な刺激を与えてくれますので。
◆新しいことを学ぶ効能については、コチラの記事でもお読みいただけます
日記を書いて、1日の行動を振り返る
記憶力の衰えを感じたら、ぜひ日記を書いてみてください。脳がインプットした内容を長期間記憶しておくためには、繰り返しとインパクトがポイントだといわれています。
日記を書くとなれば、自然と1日の行動やできごとを、何度も思い返すはずです。また、日記に記録することで、自分の行動がより鮮明に脳へ刻み込まれます。
このように、1日の行動を振り返る行為には、脳を刺激する要素が揃っているわけです。記憶の衰えを解消したいなら、この効果を利用しない手はありません。
日記の内容は、今日のできごとや楽しかったことを、箇条書きする程度で十分でしょう。文章の量よりも、手書きで書くことのほうが重要です。
音声入力が容易な時代にあえて手を動かすと、脳が「わざわざ書くくらいだから、この情報は重要に違いない」と認識します。また手書きなら、簡単なイラストなども書き込めるので、よりいっそう記憶を刺激してくれるはずです。
海馬を鍛えればストレスに強くなる
海馬は、隣接する「扁桃体(へんとうたい)」と、非常に関係が密接です。そのため「快・不快」を判断する扁桃体が、長期間不快な感情にさらされると、海馬もその影響をダイレクトに受けてしまいます。
ストレスの多い生活が続けば、ワーキングメモリの一部は、常に不安や不快な情報で一杯です。しかもたちの悪いことに、恐怖やストレスほど、より強く記憶に刻み込まれます。こうなると、当然海馬の働きが鈍り、長期記憶への移行もスムーズにおこなえません。
こういった状況を解決するには、運動などを通じて、海馬を鍛えるのが一番です。もちろん、筋トレやマラソンのような、負荷の高い運動は必要ありません。
東北大学「瀧 靖之教授」は、1日30分程度の軽い有酸素運動で十分効果があるといっています。また運動に限らず、脳トレのように楽しんで脳を刺激できるものなら、なんでも効果があるそうです。
脳を鍛える具体的な方法については、このあと詳しく紹介していきます。
脳を鍛える方法を頭脳系と作業系にわけて8つ紹介
脳を鍛える方法とひと言でいっても、それこそ選びきれないほどたくさんあります。今回は、頭脳系と作業系、40代にオススメな方法をそれぞれ4つずつ紹介していきます。
頭脳系「パズル」
脳を鍛える方法といえば、まずパズルを思い浮かべる人も多いでしょう。パズルとひと言でいっても、その種類はさまざま。クロスワードパズル・ナンプレ・計算クイズなど、答えが簡単に出せないように工夫がされている形式のものは、どれもパズルの一種と考えてOKです。
脳を鍛えるのが目的ならば、どのパズルを選んでも大差ありません。パズルの種類よりも、大事なのは難易度です。問題をみて即答できるようでは、脳への刺激が足りていませんから、その場合はワンランク上の難易度に挑戦してみてください。
またジャンルは少々違いますが、ジグソーパズルも、脳を鍛える方法としてはかなりオススメです。完成した絵をイメージしながら、ワンピースずつ組み合わせていく作業は、しっかりと脳に刺激を与えてくれます。
ジグソーパズルは、ピース数や図柄によって、難易度を自分で選べるのが嬉しいですよね。世界中で人気があるため、題材に困ることもありません。
◆オススメの脳トレについてはコチラの記事でもお読みいただけます
頭脳系「右脳速読」
速読も脳を鍛えるには、非常にオススメの方法です。とはいえ、一般的な目を速く動かす速読法だと、正直あまり効果は期待できません。目を動かすのが主体なので、眼筋は鍛えられても、脳への影響は思っているよりも小さいからです。
もし速読を活用していくなら、右脳速読にしてください。右脳速読とは、イメージ化が得意な右脳を使い、読んだ内容を映像として記憶していく速読法です。
通常本を読む際には、左脳だけを使い、右脳はほとんど働いていません。一方で右脳速読なら、右脳と左脳を両方使うので、脳全体がバランスよく鍛えられていきます。
なによりも、本を速く読めれば、大量の知識が得られ、仕事や勉強に大いに役立つでしょう。また、右脳活用の副産物として、創造力・理解力などの向上も期待できます。ぜひいちど、右脳速読について、しっかりとリサーチしてみてください。
◆右脳速読の詳細についてはコチラの記事でもお読みいただけます
頭脳系「対戦ゲーム」
パズルや速読がどうも苦手だというなら、対戦ゲームはどうでしょうか。トランプや後述する麻雀、あるいは格闘ゲームなど、相手がいるゲームならなんでも構いません。
どのようなゲームでも、対戦者への対応をその場で考える必要があるため、判断力ががっちりと鍛えられます。バトル要素の入ったゲームなら、さらに動体視力・運動能力・空間把握能力といった、右脳の領域も同時に鍛えられるでしょう。
なかでも、人と直接会わなくても対戦できるオンラインゲームは、オススメです。自宅にいながら世界中の人と対戦ができるので、感染対策に煩わされることなく、ゲームを楽しめます。
もちろんほとんどの対戦ゲームには、コンピューターと対戦できるモードも搭載されています。ちょっとしたスキマ時間に脳トレをしたい人は、外出先でも気軽にできる、アプリ版ゲームのほうが便利でしょう。
頭脳系「間違い探し」
間違い探しも、脳トレの王道ですね。非常に似た2枚の絵を見比べながら、相違点を探す過程で、さまざまな能力が鍛えられます。
両方の絵を同時にみるのは不可能なので、常にどちらかの絵を覚えておいて、相違点をみつけていかなければいけません。こういった作業を繰り返すと、前述のワーキングメモリがどんどん鍛えられていきます。そうすれば、「あれ、なんて名前だっけな……」ということも、少しずつ減っていくはずです。
また、ハイレベルな間違い探しともなれば、2枚の違いは本当に少ししかありません。そういったわずかな違いをみつけだすには、とにかく集中力と注意力が必要です。
間違い探しは、短期記憶・集中力・注意力を鍛えてくれる、かなり効率のよい脳トレといえます。もう少し負荷を上げたい人は、ぜひ時間制限を設定してみてください。時間制限があるだけで、集中力や注意力はさらに鍛えられていくでしょう。
◆間違い探しについては、コチラの記事でもお読みいただけます
作業系「料理」
頭を使う方法を紹介したところで、今度は手を動かす作業系の方法を4つ紹介します。最初に紹介するのは、料理です。なんといっても料理は、頭と体の両方をバランスよく使うのがいいですよね。
「メニューを決めて食材を揃える」「肉を焼きながら隣でスープをつくる」というように、料理は複数の行為を並行しておこないます。なにも考えずにできるルーティン作業と違い、こういったマルチタスクは、脳に適度な刺激を与えてくれるものです。
また普段あまり意識していませんが、料理をすると、思っているよりも体を動かします。買い物に行き、材料を切り、重い鍋やフライパンを使う。もちろん料理の完成後は、配膳や後片づけも必要です。
手足(とくに手)は、「第二の脳」といわれるくらい、脳の働きと連動しています。料理をしている間は基本的に立ちっぱなしなので、慣れるまでは大変かもしれませんが、ぜひ料理で脳をガンガン鍛えていきましょう。
作業系「麻雀」
頭と手の両方を使う方法なら、麻雀も非常にオススメです。麻雀は、自分だけで完結するゲームではなく、必ず相手がいます。勝つためには、場の流れや相手の考えを読み取らなければならず、さまざまな駆け引きが要求される高度なゲームです。
将棋やトランプなど、対戦ゲームはほかにもありますが、会話から相手の思考を探り合うのは麻雀くらいでしょう。もちろん、相手の発言がハッタリの場合もあります。でも、そういった駆け引きも含めて頭を使うからこそ、麻雀は脳を思い切り鍛えてくれるんです。
また麻雀は、アプリも充実しています。4人集まるのがむずかしいときでも、ひとりでいつでも遊べるのはとても便利です。
作業系「ウォーキング」
ウォーキングが体にいいといわれて、反論する人はまずいないでしょう。でも、ウォーキングの効能は、体にいいだけではありません。ウォーキングによって全身の血流がよくなるので、その結果として脳にも十分な栄養と酸素が行き渡り、脳が活性化します。
またストレス耐性が強く、脳を活性化する働きのあるセロトニンという脳内物質は、適度な運動によって分泌が促進されます。日光を浴びる・よく噛んで食べるといった習慣とウォーキングを組み合わせれば、より多くのセロトニンが分泌されるでしょう。
なお脳トレ効果をさらにアップしたいなら、英語のリスニングや考え事をしながら歩く「ながらウォーキング」をオススメします。「行き詰まって散歩したら、新しいアイディアが閃いた」といった経験は、誰でもいちどはあるはずです。
これは、ウォーキングで気持ちがリフレッシュしていること、さらにゲームやスマホに集中力を奪われない状況が大いに関係していると考えられます。もちろん全身の血流がよくなって、脳が働きやすくなっているのも、理由のひとつでしょう。
雨が降っているときや気分が乗らないときは、室内で足踏みをするだけでも、だいぶ違います。健康促進も兼ねて、ぜひウォーキングを習慣化してみてください。
作業系「瞑想」
なんとなくよさそうに思っていても、どこかスピリチュアルなイメージがあり、瞑想を敬遠する人は少なくありません。しかし世界中には本当にさまざまな瞑想法が存在し、毎日のように実践している人が数多くいます。
おそらくもっとも有名であろう「マインドフルネス瞑想」に関する調査結果※をみると、実践者は年々増加していて、2022年の段階で3,000億円を超えるビック市場になっているそうです。AppleやGoogleなど大手企業でもマインドフルネスを取り入れていると聞けば、瞑想に対する不安も解消されるのではないでしょうか。
どの瞑想を選ぶにせよ、自分の心と向き合い、自分を見つめ直す作業は、以下のような効果をもたらしてくれます。
- 集中力アップ
- リラックス効果
- ストレス解消
- やる気アップ
- 意思決定力の強化
まったく瞑想のイメージがわかない人は、別記事で紹介したマインドフルネスのやりかたを読んでみてください。瞑想のおおまかな流れが、わかると思います。
※参考:「マインドフルネス業界カオスマップ2022(日本版/海外版)」を、Upmindが公開
◆マインドフルネスについては、コチラの記事でもお読みいただけます
認知機能別オススメの脳トレ
先ほどは、頭脳系と作業系に分けて脳トレを紹介しました。でも、自分の気になる点をもう少しピンポイントで鍛えたいという人も少なくないでしょう。そこでここでは、記憶力や判断力といった認知機能別にオススメの脳トレを紹介します。
記憶力向上のための脳トレ:フラッシュカードを使用した暗記トレーニング
古くから日本でもポピュラーなフラッシュカード(暗記カード)は、記憶力向上のトレーニングとして非常にオススメです。歴史の年号や英単語の暗記などをする際に、フラッシュカードを利用したことのある人も多いでしょう。
やり方は非常にシンプルです。カードの片面に質問やキーワードが、もう一方に答えや説明が記載されていて、1問ずつ答えを確認していきます。人によっては、答えのほかに、注意事項や間違いやすいポイントなども一緒に書き込んでいるかもしれません。
このトレーニングの魅力は、なんといっても、そのシンプルさゆえのスピード感にあります。その情報を覚えているかどうか瞬時に判断して、答えを確認する。ひとつずつの問題にかかる時間が極端に短いので、復習の回数を増やせるのがフラッシュカードの大きなメリットです。
また、今はフラッシュカードアプリも数多くリリースされていて、進捗状況が簡単に確認できます。なかには、苦手な問題を集中的に出題する機能をもつアプリもあり、苦手を克服してくれる大きな助けになってくれるはずです。
判断力を高める脳トレ:シミュレーションゲーム
楽しく判断力を高める脳トレなら、シミュレーションゲームはどうでしょうか。シミュレーションゲームとは、仮想世界のなかで戦争や歴史上の出来事を体験する、コンピューターゲームです。
もちろん、戦争や歴史だけでなく、株式投資・会社経営・農場経営・都市建設・飛行機の操縦など、さまざまなジャンルの疑似体験ができます。こまかい違いはありますが、どのシミュレーションゲームも、複雑な状況判断や戦略的な思考が不可欠です。
たとえば、農場経営であれば、飼育する動物の種類や数、性別などを決めなければなりません。事業が軌道に乗ったら、さらなる事業拡大を目指して、直売店の出店や販売ルートの拡大といった実際の経営さながらの判断力が求められます。
当然、不慮の事故で家畜を失うリスクや、餌代の高騰なども考慮しておく必要があるでしょう。ちょっとした判断ミスで、これまで築いてきた事業をすべて失う可能性もあるのが、経営の怖さです。
単なるゲームかもしれませんが、そういった緊張感を覚えることで、判断力がメキメキと鍛えられていきます。
◆判断力を鍛える脳トレについては、コチラの記事でもお読みいただけます
言語能力強化の脳トレ:語彙ゲームや言語交換
このあと紹介する計算力と併せて、言語能力は日常生活を送るための基本となる認知機能です。言語能力が極端に低下すると、思っていることが口から出てこなくなってしまう可能性があります。
言語機能を強化するなら、語彙ゲームや言語交換のような、言語機能を直接鍛えてくれるトレーニングが効率的でしょう。最近漢字をよく忘れるという人は、四字熟語クイズや部首クイズなどがオススメです。
言葉そのものが出てこないなら、クロスワードパズルもいいですね。ヒントを基に文字数に即した答えを見つけ出す課程で、言語機能を司る前頭前野が思い切り鍛えられます。
一方で言語交換は、基本的な語彙力というよりも、より実践的な会話力を鍛えてくれます。異なる言語を話す人との会話は、母国語で会話しているときより、何倍も集中力が必要です。
相手の言葉にじっくりと耳を傾け、自分の思いをなんとか伝えようと適切な言葉を選ぶ行為が、やはり言語能力を大きく刺激してくれます。
◆言語能力を鍛える脳トレについては、コチラの記事でもお読みいただけます
計算力を鍛える脳トレ:ナンプレや簡単な計算ドリル
前述の通り、計算力は日常生活を正常に送るうえで、欠かせない能力です。それなのに、最近では、頭のなかでパッと計算する機会が激減しています。
買い物はカードや電子マネーが主流になりつつあるし、現金払いでも自動で計算されてしまい、暗算をする必要がまったくありません。
自分で計算をする必要があるときでも、ほとんどの人は、暗算ではなくスマートフォンの計算機アプリで計算してしまいます。だから、意図的に計算の機会をつくってあげることが重要になってくるわけです。
単純に計算力を維持したいなら、小学生向けの計算ドリルをオススメします。「えっ、今更小学生のドリルなんて……」と思うかもしれませんが、高学年向けのドリルになると、おそらく解けない問題がいくつも出てくるはずです。
それでも、やはり小学生向けの計算ドリルはテンションが上がらないというなら、ナンプレはいかがでしょうか。「3×3のワンブロックに1〜9までの数字は1回しか使えない」という大原則があるので、数字が苦手な人はかなり苦戦すると思われます。
またナンプレは計算スキルだけでなく、論理的思考や直感力なども同時に鍛えてくれるので、効率よく脳を鍛えたい人には最適なトレーニングといえるでしょう。
◆計算能力を鍛える脳トレアプリについては、コチラの記事でお読みいただけます
遂行力向上のための脳トレ:タスク管理アプリを使った計画立て
もしかすると、遂行力という認知機能については、あまり耳にしたことがない人も多いかもしれません。遂行力というのは、文字通り、なにかを成し遂げる能力です。この遂行力を鍛えるのには、タスク管理アプリを使った計画立てが非常に有効です。
やることがひとつしかなければ、最後までやり遂げるのはそれほどむずかしくないでしょう。しかし、現実社会では、複数のタスクを並行してこなさなければならないケースがほとんどです。
そのため、それぞれの兼ね合いを考えながら、うまくスケジュールに落とし込む能力が問われます。
これまで多くの人は、手書きによるスケジュールやタスク管理をおこなってきました。もちろん、手書きにも「記憶に残りやすい」といったメリットはあります。でも、タスクが増えると、中止や変更も多くなり、手書きでの管理は正直大変です。
その点、タスク管理アプリなら、急な修正や追加も簡単にできます。しかも、リマインダー機能と組み合わせれば、うっかり忘れによるスケジュールの狂いをほぼ完全に防止できます。
アプリでの半強制的な管理に慣れてくれば、少しずつ自分の頭で効率的なスケジュール管理ができるようになってくるはずです。
空間認識能力を強化する脳トレ:3Dパズルで立体感覚を掴む
空間認識能力とは、物体の形や大きさ、位置関係などを正確に把握する能力です。そのため、空間認識能力の働きが衰えると、ものにぶつかったり、つまずいたりしやすくなります。自分で転ぶくらいならまだしも、スピードのある自転車や自動車と接触したら、最悪命を落としかねません。
この非常に重要な機能を強化するには、3Dパズルなどを使う方法がオススメです。3Dパズルは、さまざまな形のピースを組み合わせて、ひとつの大きな立方体をつくり出していきます。
3Dパズルは、どのようにピースが連動して全体の形を成すかを考えなければ、決して完成できません。論理的思考や分析力、さらには創造的思考力も要求される非常に高度な脳トレです。
それだけに、完成したときの達成感は大きく、根気よく最後までやり遂げた自分に対して大きな自信をもたらしてくれるでしょう。
また、子どもから大人まで幅広い年齢層が楽しめる3Dパズルは、家族みんなで協力して楽しめますので、コミュニケーションのツールとしても役立ちます。空間認識能力を強化したい方は、ぜひこの楽しみながら学べる方法を試してみてください。
年齢別脳トレのポイント
先ほど頭脳系と作業系にわけて、脳を鍛える方法を紹介しました。頭脳系と作業系からひとつずつ取り組めれば、バランスよく脳を鍛えられるでしょう。ただし、年齢によって少しずつ選択のポイントが変わってきます。
この章では、4つの世代ごとに、脳トレを選ぶ際のポイントをお伝えしていきます。
子ども向けの脳トレ法
子どもの脳を鍛えるには、遊びや日常生活を通じた学習が効果的です。なんといっても子どもには、自主的に脳トレをする意識がありません。だから、「脳トレは楽しいものだ」と思わない限り、すぐにやめてしまいます。
もちろん、強制は厳禁です。子どもが小さいうちは、親に強制されればイヤイヤながらもおそらく従ってくれるでしょう。しかしその代償として、「学びは嫌なものだ」というマイナスの意識を植えつけてしまう可能性があります。
そうならないためには、まず親が一緒になって脳トレを楽しんでください。親がつまらなそうにしていたら、子どもだって興味をもつわけがありません。
脳トレの内容は、正直どれでもOKです。この年代では、内容より「興味をもって継続できるかどうか」が重要になります。
パズルや謎解きが好きな子もいれば、間違い探しが好きな子もいるでしょう。音楽が好きなら楽器を教えるのもいいし、スポーツに興味がある子どもは、スポーツ少年団などに参加させるのもよい方法だと思います。
言語能力を形成していくこの時期なら、ぜひ絵本や子ども向け小説の読み聞かせをしていただきたいですね。小さい時期に文字に触れる習慣をつくっておくと、苦手意識をもつことなく、将来自主的に読書から情報を習得できるようになりますので。
◆子どもにオススメな脳トレについては、コチラの記事でお読みいただけます
若年者向けの脳トレ法
自主的に考え行動できる年齢になったら、自己成長や新しい知識の獲得につながる脳トレをオススメします。なぜならば、10代・20代の頃に身につけた知識やスキルは、将来に渡って仕事や人生のベースになるケースが多いからです。
個人差はありますが、若い時代とくに学生時代は、比較的時間にゆとりのある人が多いものです。時間をたっぷり使えるときに、インプット系のトレーニングをおこなうと、短期間で効率よく専門的なスキルが身につきます。
個人的なオススメは、断然「語学の習得(とくに英語)」です。新しい言語の勉強は、脳に刺激を与え、視野を広げてくれます。社会人として働き出す前に、ある程度語学力をつけておけば、希望する仕事に就ける可能性が大幅にアップするでしょう。
また、音楽やアートといったクリエイティブな活動は、創造性や発想力を養ってくれます。正直なところ、語学やアートのように地道なトレーニングが必要な活動は、スタートする時期が早ければ早いほど有利です。
もちろん、かりにスタート時期が遅くても、継続さえできれば必ず上達します。しかし「早い時期に取り組む方が有利な脳トレもある」という事実は、やはり頭に入れておいたほうがよいでしょう。
◆英語の効率的な学習法については、コチラの記事でお読みいただけます
中年世代向けの脳トレ法
中年期は仕事や家庭の忙しさから、脳トレに時間を割く時間が取れないとお悩みの人も多いかもしれません。なかでも、資格やスキルアップの勉強をしている人は、あらためて脳トレの時間を確保するのは実際かなり大変でしょう。
そういう状況のなか、「脳トレで脳を鍛えなきゃ」とあまり意気込みすぎると、ストレスでかえって脳の働きを阻害しかねません。
その場合は、息抜きと割り切って、気楽に好きな脳トレに取り組んでください。前述のとおり、英語を学ぶのもいいし、楽器や料理なんかもオススメです。脳トレの種類を問わず、なにか興味のあることへ新たにチャレンジすれば、それだけで脳は活性化してくれます。
ストレス解消という意味では、読書もいいですね。とくに小説やノンフィクションの読書は語彙力を増やし、理解力や想像力を磨いてくれます。
また中年世代は、少しずつ身体機能の衰えが気になりだす年代です。ウォーキングやヨガなど、体を動かす作業系の脳トレの比率を増やして、心身を効率よく鍛えていきましょう。
◆脳によい習慣については、コチラの記事でお読みいただけます
高齢者向けの脳トレ法
高齢者の脳トレ選びは、中年世代と基本的に変わりません。好きな脳トレに取り組み、心地よい刺激を脳に与えられれば、脳トレ効果は十分といえます。
ただし、高齢者は肉体的にも精神的にも、あまり無理がきかなくなる年代です。記憶力や計算力の衰えを如実に感じだすのも、この年代からでしょう。
ムリに嫌いな脳トレをする必要はありませんが、自分の気になる衰えの予防に直接つながる脳トレを選ぶ方が、やはり効率的といえます。認知機能とよばれる生活のベースとなる脳の働きには、主に以下のようなものがあります。
- 記憶力
- 判断力
- 遂行能力
- 計算力
- 言語能力
記憶力に不安があるなら、漢字クイズや計算クイズではなく、神経衰弱に代表されるメモリー系の脳トレが最適です。反対に、言語能力を鍛えたい人がメモリーゲームをしても、思ったような効果は期待できません。
上記はあくまでも一例ですが、鍛えたい内容によって、やはり適した脳トレがあります。「認知機能の衰え防止」という目的がはっきりしているなら、できるだけ効果の高い脳トレを優先的に選ぶべきです。
認知機能ごとにオススメの脳トレを、別記事で詳しく紹介しています。よかったらそちらの記事にも目を通しておいてください。
◆脳によい習慣については、コチラの記事でお読みいただけます
脳を活性化させる生活習慣8つの提案
いくらパズルや料理をしても、基本的な生活が乱れていれば、思うような効果は期待できません。脳を鍛えるなら、まずは生活の質をレベルアップしていく必要があります。
今回提言するのは、以下の8点です。
- できるだけ1日8時間以上の睡眠を確保
- 朝起きたら日光を浴びる
- バランスのよい食事を心がける
- ウォーキングを習慣にする
- 軽めの筋トレで筋力の維持を
- 最低でも週に1回は自然と触れる
- 瞑想で活発な脳活動のベースをつくる
- 新しいことにチャレンジしてみる
できそうなものから、ひとつずつ取り組んでみてください。
できるだけ1日8時間以上の睡眠を確保
脳を鍛えるといっても、その前にしっかりと睡眠を取れていることが大前提です。睡眠不足は、脳の働きを著しく阻害します。
ところが日本人の平均睡眠時間は、7時間12分(2020年NHK調べ)しかなく、世界でも最低レベルです。アメリカや中国など世界の主だった国では、平均睡眠時間が8時間以上なことを考えると、日本人もやはり最低8時間はクリアーしたいところでしょう。
2020年には筑波大学の研究チームにより、「睡眠中に再生する新しい細胞が、記憶の定着に大きく関係している」と発表されました。※
ということは、質のよい睡眠を十分確保できれば、それだけ脳の働きは活性化しやすくなるわけです。忙しい現代のライフスタイルでは、なかなか睡眠時間を確保しにくいところですが、ぜひ最優先事項として取り組んでください。
朝起きたら日光を浴びる
日光を浴びると、セロトニンという物質の分泌量が増加します。セロトニンは、驚きや恐怖をコントロールして気持ちを落ちつかせる働きのある、神経伝達物質のひとつです。
寝起きに頭がぼーっとするのは、睡眠中にセロトニンが減ってしまうから。また、うつ病の原因も、セロトニン不足にあるといわれています。実際うつ病の治療には、セロトニンの量を調整するSSRIの投薬が一般的です。
そういう実情を知ると、脳の働きを活発にしてくれる日光浴の重要性が、よくわかりますよね。ちなみに、いくら日光浴をしても、無限にセロトニンが増えるわけではありません。日光に当たりすぎると、日射病や日焼けの問題があるので、1日15〜30分で十分です。
バランスのよい食事を心がける
脳を鍛えるという目的を考えると、やはりバランスのよい食事は欠かせません。さいわい日本でも、脳の働きを促進する食材「ブレインフード」は簡単に手に入ります。代表的なブレインフードを下記にまとめておきますので、今日から食卓に取り入れてみてください。
■ 魚介類
■ ナッツ類
■ 緑黄色野菜
■ ベリー類
■ オリーブオイル/アマニ油
■ チョコレート
■ 卵
上記のなかでも、魚介類は、ぜひ積極的に食べてもらいたい食材です。なかでもサバやイワシといった青魚には、必須脂肪酸「EPA・DHA」が多量に含まれており、血液をサラサラにしてくれます。
ところが残念なことに、日本では圧倒的に肉好きが多く、深刻な魚離れが起こりつつあるそうです。肉に含まれる飽和脂肪酸は、血液中の中性脂肪やコレステロールを増やすので、できるだけ魚に切り替えたいところですね。(EPAやDHAは不飽和脂肪酸とよばれ、人間の体内では固まらない)
とはいえ現代の日本で、すべての食事をブレインフードにするのは、なかなか大変だと思います。ムリをしない程度で構いませんから、まずは加工食品やジャンクフードをできるだけ減らすことからはじめてみてください。
それだけでも、だいぶ脳の働きが変わってくるはずです。
ウォーキングを習慣にする
前述のセロトニンの分泌を促す方法としては、運動も非常にオススメです。もし、体力に自信があるなら、筋トレ・水泳・ジョギングなど、比較的強度の高い運動に挑戦してみてください。
とはいえ、「いきなり筋トレはきつい」という人も多いはずです。これまでほとんど運動をしていないのに、ムリしてハードな運動をすれば、おそらくすぐに挫折してしまうでしょう。
そういう意味では、誰でもムリなくできるウォーキングが、体を動かす入り口として最適だと思います。ジョギングほどではないにしても、もちろんセロトニンはきちんと分泌されるので、安心してください。(ラジオ体操などもオススメです)
あまり難しく考えず、まずは毎日、近所の散歩からスタートしてみてはいかがでしょうか。
軽めの筋トレで筋力の維持を
ウォーキングの話でも触れたように、ウォーキングは気分転換にもなるし、歩いたぶんだけ持久力がつきます。ただし、ウォーキングだけだと、大幅な筋力アップは期待できません。だから、ウォーキングに慣れてきたら、筋トレにも同時に取り組む必要があるのです。
筋肉(とくに下半身)は、血液を循環させる、いわばポンプの役割を果たしています。つまり、太ももやふくらはぎの筋肉を鍛えると血液の循環がよくなって、遠い位置にある脳まで十分な栄養が届くわけです。
また下半身の筋肉がしっかりしていると、転倒の危険性を大幅に減らせます。2019年の国民生活基礎調査※を調べてみると、要介護状態になった原因の3番目に「骨折・転倒」がランクインしていました。
要介護状態になれば、誰だって気持ちが落ち込みます。そうなると、どうしても脳を鍛えてよりよい生活を送ろうという、前向きな気持ちが生まれてきません。そうならないためにも、まだ元気なうちから、どんどん筋トレを生活に取り入れていきましょう。
最低でも週に1回は自然と触れる
自律神経を整えると、脳の働きは大幅にアップするといわれています。そのためには、自然と触れる時間をもつのが一番です。川や海もよいですが、まずは森林浴からスタートしてみてはどうでしょうか。
森林浴をすると、なぜか心が落ち着きます。これは、木から放出される「フィトンチッド」に、心を鎮めてくれる働きがあるからです。お日様の光を浴びて、小鳥の声を聴きながら森の大気に包まれていると、本当に頭がスッキリします。
もし山までいくのが大変だったら、街なかの公園でも構いません。ある程度緑があって、自分が落ち着いて過ごせれば、あまり場所にこだわらなくても大丈夫です。
それよりも、自然と触れる回数を気にしてください。目標は週1〜2回、最低でも月に3回くらいは森林浴ができると、ストレスで弱った海馬がメキメキと復活していくでしょう。
瞑想で活発な脳活動のベースをつくる
瞑想も、日光浴やウォーキング同様、セロトニンの分泌を促す作用があるといわれています。瞑想が脳に及ぼす影響については、研究がだいぶ進んでおり、瞑想で前頭葉などが大きくなる状況が確認されているそうです。
そういえば、「瞑想はただ座っているだけ」というイメージがありませんか?
しかし、心を無にして何十分も座っているのは、思っている以上に大変です。最初は、心配ごとや仕事のこと、あちこちに思考が散らばってしまうでしょう。でも慣れれば、なにも考えずにスーッと落ち着く時間が増えてきます。
まずは、1日10分でよいので、ぜひ毎日瞑想を続けてみてください。きっと、脳が段々とクリアーになっていく感覚を味わえると思いますよ。
新しいことにチャレンジしてみる
「自分で考えるクセをつける」でもお話ししたように、新しいことを学ぶと海馬が刺激を受けて、脳細胞がどんどん増えていきます。だから、ぜひ面倒くさがらずに、新しいことにどんどんチャレンジしてみて欲しいんです。
最初は早起きするとか、いつもと違う店に買い物にいくといった、ごく簡単な内容で十分だと思います。エレベーターではなく階段を上るなんていうのも、筋力アップも同時に鍛えられて一石二鳥という感じですよね。
また新しいチャレンジに慣れてきたら、ぜひ資格や仕事に関する勉強に挑戦してみてください。新しい知識が身につくと、知的好奇心が満たされて、もっと知りたいという意欲が生まれます。
さらに、自分に対する自信が深まり、対人関係や仕事にもよい影響を与えてくれるはずです。
まとめ
脳のなかでもとくに重要な前頭葉と海馬を鍛えると、脳の機能が向上し、自分に自信がつきます。今回紹介した、脳を鍛える方法は、どれも簡単なものばかりです。しかもやっていて楽しいものばかりなので、とくに問題なく継続できると思います。
最後に紹介した生活のレベルアップに取り組みながら、ぜひ気軽に挑戦してみてください。