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集中力が続かない人のために!集中力を高める8つの対策

集中力が続かない人のために!集中力を高める8つの対策

記事の監修

株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子

大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。

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仕事や勉強に集中しようと思っても、すぐに気が散ってしまう経験はありませんか?集中力が続かない原因は、生活習慣や環境、心理的な要因などさまざまです。

この記事では、集中力が続かない原因を詳しく解説し、具体的な対策法を8つ紹介します。これらの対策をうまく取り入れられれば、集中力が続かないという悩みを大幅に改善できるはずです。ぜひ参考にしていただいて、毎日のパフォーマンスを爆アゲしていきましょう!

目次

集中力が続かない原因とは?

集中力が続かない原因とは?

集中力を改善するには、まず集中力が続かない原因をしっかりと押さえておく必要があります。ここでは、集中力が続かない主な原因を4つ解説します。

睡眠不足など生活習慣の乱れ

睡眠不足に代表される生活習慣の乱れは、集中力を削ぐ大きな原因のひとつです。たとえば、動画が面白くて夜更かししてしまったら、翌日頭がぼんやりしてしまいませんか。

これは、睡眠不足により脳が十分な休息を取れていないため、引き起こされる現象です。寝不足でボーッとしていたら、集中力が出るわけありませんよね。

また、栄養バランスの取れた食事も大切です。朝ごはんを抜いて学校や職場にいくと、お腹が空いて集中できないという人も多いと思います。

食事の回数には諸説ありますが、少なくとも体と脳の成長過程にある未成年者は、朝ごはんを食べて、脳に必要な栄養をしっかりと供給してあげるべきです。

同様に、運動不足も集中力を欠く大きな要因となり得ます。机に座って勉強するにしても、一定時間座位を維持できる体幹の筋力が必要です。こうした筋力が衰えると、じっと座っていられず、すぐに寝っ転がってしまいます。

このように、集中力のベースには正しい生活習慣が必要です。後述する改善法で、しっかりと健康管理をおこなっていきましょう。

乱雑な部屋に代表される環境的要因

乱雑な部屋で仕事や勉強をすると、集中力が続きません。散らかったものが視界に入り、意識があちこちにもっていかれてしまいます。なかでもスマートフォンは要注意です。スマートフォンは、SNS、動画視聴など、楽しいことがなんでもできる魔法の機械です。

だから、たとえ電源が切ってあっても、机の上のスマートフォンが視界に入っただけで、集中力はリセットされてしまいます。集中したいときには、スマートフォンを必ず目に見えない場所へしまってください。

また、作業をする場所がうるさいと、雑音に気を取られてしまいます。自宅や仕事場で集中できる環境がつくれないなら、静かなカフェや図書館を活用するのもひとつの方法です。

さらに、部屋の明るさや温度も、集中力と大きな関係があります。暗すぎず明るすぎず、室温20〜25℃、湿度50%前後を目安にして、作業効率をアップさせましょう。(室温や湿度については、季節や場所によって異なります)

ストレスやプレッシャーといった心理的要因

ストレスやプレッシャーが溜まると、どうしても集中力を保つのはむずかしくなります。たとえば、テスト前に「いい点を取らなきゃ」と強く思いすぎると、ガチガチになって勉強に集中できなくなることってありませんか?

また、友達や家族との関係に問題があると、その問題が心に重くのしかかって、とても集中などできないですよね。このように、マイナスの心理的要因は、集中力を著しく阻害します。

そのようなときは、とにかく心を落ち着けるのが大切です。問題の根本的な解決には、通常時間がかかります。深呼吸や瞑想、好きな音楽を聴くなど、上手な気分転換の方法を見つけましょう。

また、誰かに悩みを話すだけでも、気持ちが軽くなるものです。親や友達、信頼できる先生や上司に思い切って相談してみるのもよいかもしれません。

作業のやりすぎや難易度設定のミス

勉強や作業をやりすぎると、集中力が続かなくなります。いくら気分が乗っていても、休憩を取らずに何時間も勉強し続ければ、いつか集中力は切れてしまうでしょう。そして無理をしていったん切れた集中力を取り戻すのは、非常に困難です。

1日だけならともかく、毎日作業を継続するなら、無理は禁物です。少なくとも1時間に1回は短い休憩を挟み、集中力をうまくコントロールしてください。

また、勉強の難易度が高すぎると、まったく歯が立たず、モチベーションが萎えてしまいます。難易度設定のミスが原因で集中力が途切れてしまった場合は、難易度設定をやり直すしかありません。

もう少し簡単なレベルからリスタートすれば、達成感を得やすいので、挫折が減ります。ただし、あまりにも簡単すぎると、退屈になってきて集中力を失いやすいです。この点は、実際に難易度を調整しながら、集中力を保てる最適なペースを見つけていくしかありません。

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集中力が続かないとこんなデメリットが……

集中力が続かないとこんなデメリットが……

「集中力が続かないと悪い影響がある」というのは、ほとんどの人が知っています。しかし、具体的にどのような不都合が生じるかまでは、把握していない人が多いのではないでしょうか。集中力改善に取り組む前に、集中力が続かないことによるデメリットをしっかりと押さえておきましょう。

作業効率が著しく低下する

個人差はありますが、集中力が続かないと、通常作業効率は大きく低下するものです。集中できればあっという間に終わる作業なのに、ダラダラやっているため、倍近くの時間がかかってしまうこともザラにあります。

そして集中力が切れると、漫画を読んだり、SNSを確認したりして、やるべき作業からつい現実逃避をしてしまいがちです。でも多くの人は、作業を中断しても、すぐ作業に戻れば問題ないと軽く考えています。

ところが実際には、いったん作業を離れてしまうと、また作業へ戻るまでに数十分単位の時間が必要です。カリフォルニア大学Gloria Mark教授のインタビュー※では、途中で中断された作業の82%が、作業再開までに約23分かかっているという研究データについて言及していました。

仕事に関するデータなので23分で済んでいますが、自宅でSNSや漫画を読みだしたら、おそらく軽く1時間近く作業が中断してしまうのではないでしょうか。

※参考: Worker, Interrupted: The Cost of Task Switching – Fast Company

こまかいミスが増える

集中力が続かないと、どうしてもこまかいミスが増えることは避けられません。とくに、仕事や勉強で同じ作業を繰り返していると、途中で飽きてしまい、誤字や計算ミスといった些細なミスを見逃しやすくなります。

こうしたミスは、一つひとつが小さいので、あまり気にせず放置している人も多いです。しかし、小さいミスも積み重なると、影響はそれなりに大きくなります。

たとえば、仕事の見積書の数字が間違っていたり、顧客へのメールに重要な情報を書き忘れたりしたら、大きなトラブルに発展する可能性もあります。こういったことが続けば、周囲から段々信頼されなくなってしまうでしょう。

そこまで大事にならないとしても、ミスが増えれば、修正も増えます。当然仕事の効率は悪くなり、「大事な仕事は任せられないな……」と会社から判断されてしまうかもしれません。

焦りやストレスを感じることが増える

集中力が続かないと、作業が思うように進まず、焦りやストレスを感じることが増えます。期限が迫っているにもかかわらず、集中力不足でタスクが進まないので、プレッシャーで余計に集中力が低下します。

そして、焦りやストレスからミスが増え、ますます時間が足りなくなる。こうなると冷静な判断などできなくなっているので、よい解決策も思いつきません。いったんこの悪循環に入ってしまうと、もう抜け出すのは大変です。

こういった状況を打破するには、適度な休憩や適切なストレス対策が必要です。のちほど休憩法やストレス対策を紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

また場合によっては、第三者に相談することも考えなければなりません。このままでは厳しいなと思ったら、傷が浅いうちに同僚や上司に相談して、適切なサポートを受けるようにしてください。

自信喪失により対人関係にも影響が出る

集中力が続かず、仕事や勉強でうまく結果を出せないことが続くと、どんどん自信を失っていきます。自信がなくなると、どうしても他者とのコミュニケーションに悪い影響が出てくるものです。

たとえば、集中力の低下によってミスが増え、同僚から何度も指摘されたとしましょう。ミスが続いていることは自分でもよくわかっているので、自己評価が大きく下がります。

自己評価が下がると、どうしても卑屈な気持ちになってしまい、段々他人とうまく付き合えなくなってくるんですね。ときには、他者の意見や評価に対して必要以上に自己防衛的な態度を取ってしまい、周囲から距離を置かれてしまうこともあるでしょう。

こういった状況へ陥らないようにするには、小さな成功体験を積み重ね、少しずつ集中力を取り戻すのが一番です。そうやって自信を取り戻していけば、必ず対人関係にもよい影響が生まれます。

周囲からの評価が下がってしまう

集中力が続かずに作業の質や効率が下がれば、よい結果を出せず、周囲からの評価も下がってしまう可能性が高いです。

たとえば、ぼーっとして会議中に話を聞き逃したり、重要な仕事でのミスが重なったりすれば、上司から「アイツにはしばらく重要な仕事は任せられない」と判断されてしまうでしょう。

上司も人間ですから、たとえ多少結果の伴わない時期があっても、一生懸命動いていれば、ある程度目をつぶってくれるはずです。しかし、明らかに集中力を欠いて、努力していないように見られてしまえば、かばってもらえません。

こういった状況が続けば、昇進やプロジェクト参加のチャンスが減ってしまい、今後のキャリアに悪影響をおよぼします。自身の評価を下げないためには、集中力をもって仕事に取り組み、やはり結果を出していくしかないのです。

そのためにも、集中力の改善方法を知り、しっかりと実践していくことが非常に重要になってきます。

集中力アップに有効な対策法を8つ紹介

集中力アップに有効な対策法を6つ紹介

集中力の続かない原因がわかったところで、今度は集中力アップに有効な対策法を8つ紹介していきます。もちろん、8つの方法すべてに取り組む必要はありません。まずはどれかひとつ選んで、効果のほどをご自身で試してみてください。

目標を設定する

集中力を維持するためには、具体的な目標の設定がマストです。目標が決まっていないと、なにから手をつけるべきか迷い、結果として集中力が途切れやすくなります。

目標は大きすぎると途中で挫折しやすいので、短期的かつ達成可能な小さな目標を設定するのがポイントです。(小さな目標は、計画といった方が正確かもしれません)

たとえば、公認会計士を目指して勉強をスタートする状況を考えてみましょう。公認会計士試験の合格という目標しかないと、目標が大きすぎて行動に移せません。

試験の合格から逆算して、それまでになにをどのくらい勉強すればいいのか、月・週・日単位にどんどん細分化していきます。

最終的には、「◯月◯日の20〜22時までに財務会計論第1章を終わらせる」というレベルにまで目標を落とし込めれば理想です。

もちろん、こういった小さい目標は必ずズレが生じます。ズレが生じた際には、最低でも1週間単位でこまかく修正をしてください。そうすれば、目標未達成への焦りによる集中力の低下はほとんど起こらないはずです。

タスク管理でやるべきことを明確にする

集中力を高めて作業の効率化を図りたいなら、タスク管理は不可欠になります。タスク管理とは、期限・優先順位などを考慮して、ピックアップしたやるべき作業(タスク)を整理するスケジュール管理法です。

タスク管理には、大きく以下のメリットがあります。

タスク管理の主なメリット
  • 作業の全体像を把握しやすい
  • やるべき作業が明確になる
  • 作業の抜けがなくなる
  • 作業の遅れがなくなる
  • ほかの作業との調整がやりやすい

タスク管理をおこなうと、やるべきことが可視化されます。頭のなかだけでやることを考えていると、内容を覚えておくことに脳のリソースが取られてしまい、肝心の作業に集中できません。

また、いくら頭で考えても、必ず漏れが出てしまいます。その点、タスクを書き出してあらかじめ優先順位を決めておけば、あとはただひたすら順番通りに作業を進めていくだけでOKです。

もし今までタスク管理をやっていないのであれば、タスク管理アプリの活用をオススメします。手書きとは違い、タスクの追加や削除、変更が非常に簡単です。カレンダーにも自動で反映され、事前にアラームでタスクを告知してくれるので、余計なことを考えずひたすら作業に集中できます。

ポモドーロテクニックに沿って作業を進める

集中力を高める方法として、個人的にポモドーロテクニックを非常にオススメしています。ポモドーロテクニックとは、25分間の作業時間と5分間の休憩をワンセットとした時間管理術です。(25分を1ポモドーロと呼び、4ポモドーロごとに15分の大休憩を取る)

この方法のよいところは、1回あたりの作業時間が短いので、やる気を維持しやすくなるところにあります。少し気持ちがダレてきても、「あと25分だけ頑張ろう」と思うと、気持ちが楽になりませんか?

25分間だけ乗り切れば、短い休憩があるので、リフレッシュして次の25分に集中しやすくなります。

また、ポモドーロテクニックは、作業の進捗が実感しやすいのも大きなメリットです。アプリを使えば、その日に何ポモドーロ作業をおこなったかが、ひと目で確認できます。

ポモドーロテクニックは、タイマー(もしくはアプリ)さえあれば、誰でも簡単にはじめられるテクニックです。うまく活用できれば、効率よく集中力を持続させるための強力なツールになってくれるでしょう。

◆ポモドーロテクニックのメリットについては、コチラの記事でもお読みいただけます

スペースド・リピティションで気分をリフレッシュ

スペースド・リピティション(分散学習)は、一定の間隔を空けて復習する方法で、集中力の維持と向上に非常に効果的です。

同じ内容を一気にまとめて学習する方が、一般的には有効だと思われています。しかし、集中学習はどうしても詰め込みになりやすく、時間の経過とともに、せっかく覚えた知識がボロボロと頭からこぼれ落ちていきます。

一方、少しずつ時間をかけて繰り返し復習した情報は、通常より長期記憶に定着しやすいです。しかも1回あたりにかかる学習の負担が少ないので、疲労感や飽きを感じにくいというメリットもあります。

これまでスペースド・リピティションを知らなかった人は、壁のペンキ塗りをイメージするとわかりやすいかもしれません。1回塗っただけではムラがあっても、2回3回とこまめに塗れば、最終的にキレイなムラのない壁に仕上がります。

知識のインプットも、これとまったく同じです。1回では覚えきれない内容を、繰り返しインプットして、抜けをつぶしていきます。いったん知識のインプットが完成すれば、今度はなかなか忘れません。

どうせ復習をするなら、スペースド・リピティションを上手に取り入れて、効率よく学習していきましょう。

◆スペースド・リピティションについては、コチラの記事でもお読みいただけます

集中力改善のための脳トレに取り組む

集中力を改善するためには、脳を鍛えるトレーニングに取り組むのもよい考えです。脳トレが脳に与える影響については、正直まだ未知数な側面があります。でも、脳トレによって脳機能が活発になったという研究結果は数多く存在しますので、取り組んでも決して損はありません。

集中力改善が目的なので、まずは集中力アップが期待できる脳トレから取り組むのがオススメです。集中力改善の代表的な脳トレとして、間違い探しゲーム・迷路ゲーム・引っかけ問題などがあります。

たとえば、間違い探しは、非常によく似た2枚の絵(写真)を見比べて、違いを探すゲームです。すぐに見つかるような簡単な間違いと一緒に、むずかしい間違いが混在しています。

じっくり見てもわからないように、うまくカモフラージュされているので、間違いをすべて見つけるのはなかなか大変です。最後の1〜2個が見つからないと、イライラするかもしれませんね。

でも、2枚の絵を入念に見比べる作業を通して、あなたの集中力は少しずつレベルアップしていきます。ぜひ、試してみてください。

◆注意力(集中力)アップにオススメの脳トレについては、コチラの記事でもお読みいただけます

午後に短い仮眠を取る

お昼ごはんを食べたあと、どうしても眠くなってしまうことってありますよね。そんなとき、15〜20分の短い仮眠を取ると、頭がすっきりして午後の勉強や活動に集中しやすくなります。

仮眠の効果は科学的にも証明されていて、2021年に発表された研究データ※によると、昼間に短時間の仮眠を取ると、少なくとも仮眠後2時間は注意力といった認知機能が向上するそうです。

実際、カリフォルニア大学やグーグルといった有名団体では、いつでも仮眠できるように仮眠スポットが用意されています。

とはいえ、寝すぎは逆効果です。30分以上の仮眠になると深い眠りに入ってしまうため、起床後にかえって頭がボーッとしてしまいます。同様に、ベッドやソファに横になるのもNGです。あくまでも脳を休めるのが目的なので、熟睡しないように気をつけてください。

※参考: How Naps Improve Memory Performance | Discover Magazine

必要に応じて糖分を補給する

集中力が低下してきたと感じたら、糖分の補給は非常に効果的です。脳はブドウ糖を主なエネルギー源にしているため、脳内のブドウ糖が低下すると、集中力や思考力の低下を招きやすくなります。

ブドウ糖の補給方法として、もっとも手軽でオススメなのは、チョコレートです。昔、テレビで同時通訳者をフューチャーしたバラエティ番組を見たことがあります。わずか数十分の通訳中に脳のエネルギーを使い切ってしまうため、休憩のたびにチョコレートを食べていました。

通常の生活でここまで脳を追い込むことは少ないでしょうが、集中力が切れてきたら、適度な糖分補給はオススメです。チョコレートに含まれるテオブロミン※が、セロトニンの分泌を増やし、集中力を蘇らせてくれます。

また、カカオポリフェノールには、脳内の血流をよくしてくれる働きがあります。とはいえ、糖分の摂りすぎには注意が必要です。大量の糖分で急激に血糖値が上昇すると、インスリンが分泌され、その反動で血糖値は急降下します。

チョコレートを食べるなら、作業30分くらい前、1〜2かけ程度に抑えておきましょう。そうすれば、急激な血糖値の低下による、だるさや眠気といった症状を防げます。

※参考: 集中力を効果的に上げる方法 – 早稲田ウィークリー

呼吸法でメンタルを安定させる

 勉強や仕事を長時間続けていると、疲れてしまいなんだか気持ちが落ち着かなくなることってありますよね?

そういう場合は、前述の通り、仮眠を取るのもよい方法です。とはいえ、いつも仮眠できるとは限りません。とくに、仕事中であれば、サボっていると思われてしまいます。

であれば、ぜひ呼吸法を活用してください。呼吸法を身につければ、短時間で気持ちを落ち着かせることが可能です。さまざまな呼吸法がありますが、今回は「4・4・8呼吸法」を紹介します。といっても、やることは非常に簡単です。

  1. 楽な姿勢で椅子に座り、お腹の上に手を置き、4秒かけて鼻から息を吸う
  2. 4秒間息を止める
  3. 8秒かけてゆっくりと鼻から息を吐く

あとは、この一連の作業を何回か繰り返すだけ。それだけですが、効果は絶大です。この深呼吸を数回繰り返すだけで、心拍数が安定し、リラックス効果が得られます。緊張がほぐれ、集中力が高まるので、試験前や重要な作業の前にもオススメです。

◆アメリカ海軍で採用されている呼吸法については、コチラの記事でお読みいただけます

集中力を高める環境づくり

集中力を高める環境づくり

集中力が続かないと悩んでいる人は、まず集中力を高める環境づくりを心がけてください。極端な話、対策法がなくても、環境さえ整っていれば、集中力は必ずアップします。それくらい、集中力の維持にとって作業環境は重要なのです。

今回は、集中力アップをもたらす環境づくりのポイントを7つご紹介します。

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落ち着いて考えられる場所を用意する

集中して物事を考えるためには、落ち着いて取り組める場所が必要です。たとえば、資格の勉強をする際に、テレビや家族の話し声が聞こえる場所では、どうしても気が散ってしまいますよね。

それなら自分の部屋で作業をすればいいように思いますが、自室は人の目がない分、ゲームやSNSといった誘惑に負けてしまう危険性が高くなります。人の目をうまく利用するという意味では、図書館やカフェなどを利用するのもひとつの方法です。

この辺は個人差も大きいですが、飽きる前にうまく場所移動すると、集中力を維持しやすくなります。

いずれにせよ、集中力を維持したいなら、とにかく集中できる環境をいかにつくれるかがポイントです。照明の選び方や整理整頓など、具体的な方法については、これからひとつずつ解説していきます。

自然の癒し効果を活用する

自然のなかで過ごす時間は、集中力改善の大きな助けになってくれます。自然環境には、以下のような癒し効果があるといわれており、ストレスや疲れによって低下したさまざまな認知機能が、一気にリフレッシュします。

自然環境の主な癒し効果
  • 副交感神経の活性化
  • NK細胞の増加
  • ストレスホルモン「コルチゾール」分泌量の低下
  • 心拍数や血圧の安定

現代人は忙しすぎて、常になにかから追い立てられていると感じている人が多いです。自分のペースで進めていこうと思っていても、SNSで誰かの成功談を見ると、焦ってしまう。頑張らなきゃと思えば思うほど、空回りして集中力はどんどん失われていくでしょう。

そんな疲れた心を、自然のパワーは癒してくれます。毎日とはいいませんが、できれば週に1〜2回は、山や公園など自然のなかへ出かけていきたいですね。どうしても時間が取れない人は、自宅から近所の木や花を見るだけでも、十分効果はあります。

疲れて集中力が途切れたら、自然に触れてみる。それだけで、見違えるように集中力が蘇ってくるはずです。

目の疲れない照明を選ぶ

勉強や作業をする際、照明、とくにデスクライトの選び方はとても重要です。目に合わない照明を使うと、目が疲れやすくなり、集中力も続かなくなります。

照明の選び方のポイントは以下の通りです。

目の疲れない照明選びのポイント
  • 青白い昼白色、もしくは昼光色のLEDを選ぶ
  • 調光機能のついた照明を選ぶ
  • オススメの光量は300〜400lm(ルーメン)
  • アームの調整範囲が広めだと調整しやすい

上記以外にも、デスクライトの位置や、シーリングライトとの兼ね合いも非常に重要です。手元を照らすためにデスクライトの位置を低くしすぎると、視線を動かすたびにライト本体が視界に入り、集中力が途切れてしまいます。

また、集中できるからという理由で、デスクライトだけで作業をする人がいます。たしかに、デスクライト周りに集中できそうですが、これはオススメできません。明るいデスク周りから暗い部屋に視線が移るたびに、瞳孔が極端な調整を強いられるため、目に大きな負担がかかるからです。

ライトによる目の疲れを最小限に抑えるためにも、できるだけ店舗で試してみてから購入することをオススメします。

整理整頓で注意力の散漫を防ぐ

集中力を維持するには、作業する空間の整理整頓が欠かせません。机の上や作業する場所が散らかっていると、無意識のうちに気が散ってしまい、集中が途切れる原因になります。

汚い部屋を見て、「あー、片づけなきゃ……」と思ったことのある人は少なくないでしょう。時間にすれば、わずか数秒ですが、集中力を分断するには十分な時間です。

忙しくて片づけができないという人も、まずは机の上の整理から取り組んでみましょう。作業に使うもの以外は、基本的に机の上に置かないのが、整理整頓の大原則です。机の上にあってよいのは、パソコンのモニター・マウス・デスクライトだけと考えてください。

人によっては、メモや付箋を貼るボードなどを置く場合もありますが、多くてもそのくらいまでに抑えましょう。文房具は使うときに引き出しから出すようにして、テキストや本は机とは別の場所にしまっておくようにします。

「使うものは必要なときだけ取り出す」ように心がければ、ものによって集中力が切れることを最小限に抑えられますよ。

不快なノイズを徹底的に除去する

外から聞こえる車の音やご近所さんの話し声、家族の生活音は、いったん気になりだすと耳から離れなくなってしまうものです。集中して勉強や作業をするためには、こういった集中力を妨げるノイズを徹底的に取り除く必要があります。

まず室内ですが、家族と一緒に生活している以上、なんらかの生活音が発生するのは仕方がありません。家族の話し声やテレビの音などが気になるなら、自室で作業するのが基本です。

とはいえ、自室にひとりでいても、外部からの音が気になることもあるでしょう。その場合は、耳栓やノイズキャンセリングイヤホンを使って、強制的にノイズを遮断するのがベストです。

ノイズキャンセリングイヤホンは、イヤホンで騒音を拾い、その音波と反対の性質をもつ音波をつくり出して、外部の騒音を打ち消す仕組みになっています。密閉性が高く、耳栓としての効果もあるため、騒音を二重にブロックしてくれます。

もし、耳にイヤホンをするのが苦にならなければ、賑わっているカフェでの勉強にも大いに役立ってくれるでしょう。騒音が気になる方は、ぜひこういった機器の活用を検討してみてください。

快適な椅子の選び方

近年、健康のために、スタンディングデスクを使う人も増えてきました。しかし、学校や仕事場では、座って作業することがほとんどでしょう。そうなると、いかに快適で体に負担のかからない椅子を選ぶかが非常に重要になってきます。

椅子を選ぶ際には、最低限以下のポイントを必ずチェックしてください。

快適な椅子を選ぶ主なチェックポイント
  • 座面の高さ
  • 座面のサイズ
  • クッションの材質と硬さ
  • 背もたれの高さ
  • リクライニング機能の有無
  • 各パーツの調整範囲
  • アームレストの有無

どんなに評判のいい椅子でも、体格とマッチしなければ使いづらいと感じてしまうもの。そういう意味では、ネットの情報だけを見て、いきなり通販で購入するのはオススメできません。

いくらサイズや機能が表示されていても、実際に座ってみないとやはり本当の感触はわからないからです。住んでいる場所にもよりますが、可能な限り実店舗に出かけて、いろいろな椅子を試してみましょう。

スマートフォンの使い方を見直す

集中力を阻害する最大の要因は、スマートフォン(以下スマホ)です。スマホといかにうまく付き合えるかどうかで、あなたのパフォーマンスは大きく変わってきます。

スマホが集中力を低下させる大きな原因として挙げられるのは、以下の2点です。

  1. 情報量の多さにより脳の処理能力をオーバーしている
  2. マルチタスクを誘発するきっかけになっている

スマホの普及率がほぼ100%になった現在では、手元のスマホでほぼなんでも調べられます。便利な反面、私たちの脳は常に大量の情報を処理しなければならず、脳疲労が慢性化しているのです。

そして、スマホがあれば、ゲーム・動画・SNSといった娯楽にすぐにアクセスできます。そのため、勉強や仕事中にSNSを読んでしまったり、ついゲームをはじめてしまったりする人が非常に多いです。

人間の脳は、基本的にマルチタスクに向いていません。作業中いちどスマホに意識をもっていかれれば、再び集中するまでに25分以上かかるという研究データ※もあります。

集中力が続かないと悩んでいるなら、作業中はスマホの電源を切るか、最低でも目に入らないところにしまってください。それだけでも、あなたの集中力は飛躍的にアップするでしょう。

※参考: The Impact of Interruptions | University of California, Berkeley

生活習慣を整えて集中力アップを目指そう

生活習慣を整えて集中力アップを目指そう

集中力を長時間維持するには、まず体と心両面の集中力を維持できる状態に、整えて置く必要があります。そのためには、やはり生活習慣の見直しが欠かせません。この章では、集中力維持のために整えておくべき5つのポイントについて解説します。

良質な睡眠でしっかりと脳を休める

集中力を高めるためには、脳を十分に休ませないといけません。休養の方法はさまざまですが、なかでも睡眠は脳が日中の情報を整理し、記憶を定着させる大切な時間です。睡眠時間が短いと、記憶の整理と定着が十分におこなわれないまま翌日を迎えることになります。

また睡眠には、単純に脳の肉体的な疲労を回復させる役割もあります。脳を休ませる時間が短ければ、集中力や判断力が低下し、ミスを増やす原因にもなりかねません。

良質な睡眠を得るためには、就寝・起床するリズムを決めておくのが効果的です。少なくとも就寝1〜2時間前には、スマートフォンの使用を控えてください。スマートフォンのブルーライトが脳を活性化させ、活動的な交感神経に切り替わってしまいます。

暖色のライトで読書などをして、少しずつ体をお休みモードに切り替えていきましょう。朝日で明け方の睡眠を妨害されないように、できれば遮光カーテンの取りつけをオススメします。

このように睡眠環境を整えてやれば、体内時計が正常に働き、途中で起きることなく7〜8時間ぐっすりと眠れるはずです。

◆良質な睡眠を取るポイントについては、コチラの記事でもお読みいただけます

脳に必要な栄養をバランスよく摂取する

脳の機能を維持するためには、三大栄養素(エネルギー産生栄養素ともよばれる)である炭水化物・タンパク質・脂質を、バランスよく摂取する意識が重要です。

厳密にいうと適切な摂取量は、年齢や身体活動レベルによって変わってきます。ただ、変動幅はそれほど大きくないので、炭水化物50〜65%、脂質20〜30%、タンパク質13〜20%を目安にしておけば間違いないでしょう。

三大栄養素以外にも、脳によいといわれる栄養素は積極的に摂取してください。今回は、代表的なブレインフードを紹介しておきます。


・魚類(オメガ3脂肪酸)

サーモンやマグロなどにはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、神経細胞の働きをサポートし、記憶力や集中力を向上させます。

・全粒穀物(ビタミンB群)

ビタミンB群が豊富な全粒穀物は、脳のエネルギー代謝を助け、精神的な疲労を軽減します。

・抗酸化物質を含む野菜・果物

ブルーベリーやほうれん草には抗酸化作用があり、フリーラジカルから脳を守り、老化を遅らせる効果があります。

・ナッツ類(ビタミンE)

ビタミンEを多く含むアーモンドなどのナッツ類は、脳の老化を予防し、認知機能を維持する役割を果たします。


ほかにも、脳によいとされる食材は数多くあります。別記事を参照に、いろいろと試してみてください。

※参考:日本人の食事摂取基準(2020 年版) | 厚生労働省

◆良質な睡眠を取るポイントについては、コチラの記事でもお読みいただけます

週に2〜3日を目標に運動をおこなう

適度な運動は、体だけでなく脳の健康にも大きな影響を与えます。厚生労働省のガイド※によると、以下の身体活動強度(成人の場合)が推奨されています。

  1. 歩行または同等以上の身体活動(3メッツ)を1日60分以上(1日約8000歩以上)
  2. 息が弾み汗をかく程度以上の運動(4メッツ)を週60分以上(筋力トレーニング週2〜3回)

基本は、毎日歩くこと。デスクワーク主体の人にとって、1日8000歩はなかなか厳しい目標かもしれません。まずは、朝の散歩を習慣化して、通勤時にひと駅手前で降りてみるなど、歩く距離を少しずつ伸ばしていってください。

また、毎日の歩きに加えて、週に2〜3回、中強度の運動が必要です。有酸素運動は徒歩でおこなっているので、中強度の筋力トレーニングを取り入れるのがベストでしょう。

なお、厚生労働省では、運動強度をメッツという単位で表記しています。筋トレについては、ごく軽いもので3メッツ、中強度の筋トレが4メッツ、激しい筋トレになると6メッツ以上が基準です。

アスリートでなければ、基本的に3〜4メッツの運動を中心におこなうのが、無理なく継続できる妥当な運動強度と考えてください。

※参考: 《健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023 推奨事項一覧》

◆脳の健康を高めるオススメの運動については、コチラの記事でお読みいただけます

ストレス対策で脳の負担を減らす

ストレスは集中力を低下させ、脳に大きな負担をかけます。ストレスで参っているときでも結果を出していくために、私たちは効果的なストレス対策を身につけておく必要があります。

そのひとつが、先ほど紹介した 4・4・8呼吸法です。ただ、ストレスに悩まされている人は、どうしても呼吸が浅くなっています。そういう状態でいきなり8秒間息を吐くのは、少し大変かもしれません。

そこで、もう少し難易度の低い、かつ効果が絶大な呼吸法をもうひとつ紹介します。それが、アメリカ海軍でも採用されている「ボックスブリージング」です。

軍隊で採用されていると聞けば、むずかしそうに聞こえるかもしれませんが、やること自体は 4・4・8呼吸法とほとんど変わりません。8秒息を吐く代わりに、4秒吐いて4秒息を止めるだけ。

やってみるとわかりますが、8秒間息を吐き続けるより、4秒吐いて4秒止める方が楽です。ちょっとした違いですが、どちらが自分に合うか、試してみてください。

また、日常的に取り組む対策法としては、「マインドフルネス瞑想」もオススメです。過去と未来ではなく、現在にフォーカスすることで、不安や恐怖といったマイナスな感情から解放される感覚が身につきます。

マインドフルネス瞑想については過去記事で何度も紹介しているので、ぜひ過去記事を読んでみてください。

◆マインドフルネス瞑想については、コチラの記事でもお読みいただけます

喫煙や過度の飲酒といった悪い習慣を断ち切る

喫煙や過度の飲酒が集中力に大きな悪影響を与えると、数多くの研究で明らかになっています。ニコチンは一時的に覚醒効果をもたらすため、短期的には集中力が上がったように感じる人も多いでしょう。

しかし喫煙が習慣化した場合、ニコチンが切れると、イライラして作業に集中できなくなります。そのため、1日何十本もタバコを吸わないと、集中してものごとに取り組めなくなってしまうのです。

日本医師会のサイト※1によれば、ニコチンの依存度合いはコカインやヘロインといった麻薬と同等だそうです。そう考えると、喫煙の怖さがよくわかります。

また、過度のアルコールも集中力の大敵です。アルコールを大量に摂取すると、血中アルコール濃度の急激な上昇により中枢神経が麻痺し、集中力や判断力、運動機能が著しく低下します。

もちろん、飲酒していないときはある程度正常な状態に戻りますが、ニコチン同様アルコールも依存性の高い物質※2です。依存度合いが進行すれば、飲酒に対する欲求が抑えられなくなり、当然日常生活に対する集中力は低下します。

現在喫煙と飲酒の習慣がある人は、少しずつ摂取量を減らすように意識してみてください。もし、自分の意思だけではコントロールできないなら、できるだけ早く専門医の受診をオススメします。

※1:禁煙の医学 | 禁煙は愛 | 禁煙推進Webサイト

※2:アルコール依存症 – 神奈川県ホームページ

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まとめ

集中力が続かない人には、必ずなんらかの原因があります。まずは、自分がどの原因に当てはまるか明確にしてください。そして、今回紹介した8つの方法をうまく取り入れて、集中力アップを目指していきましょう。