記事の監修
株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子
大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。
これからの時代は発想力が重要だといわれても、「自分には関係ない、発想力をもっているのなんて一部のクリエイターだけ」そんな風に考えている人がほとんどではないでしょうか。
しかし発想力に優れた人は、他人とは違う発想で、大きなチャンスを掴む可能性が高まります。そう、モノやサービスが溢れる今の時代には、発想力があなたの人生を決定づけるといっても過言ではないのです。
とはいえ、これまでに自由な発想をしてこなかった人にとって、斬新な発想力を手に入れるのは簡単ではないかもしれません。
そこで今回は、どんな人でもできる発想力の鍛え方や、発想力をもつ人が得られるメリットなどについて、わかりやすくお話ししていきます。
目次
発想力に優れた人だけが得られる3つのメリットとは
発想力を身につけるには、まず発想力で得られるメリットを、しっかりと理解しておくことが重要です。発想力が必要な理由を理解していないと、発想力を身につけようというモチベーションが生まれてきませんので。
この章で紹介する、発想力で得られる主なメリットは以下の3つです。
- 独創的な発想で、他人と差別化ができる
- 決断のスピードが速く、チャンスを逃さない
- 失敗を恐れない強いメンタルが手に入る
ひとつずつ解説します。
独創的な発想で、他人と差別化ができる
発想力最大のメリットは、なんといっても「他人と差別化ができる」ことに尽きるでしょう。「へっ?差別化ってそんなに重要なの?」と思われたかたは、今すぐに認識を改める必要があります。
現代の日本にはモノやサービスが溢れており、もはや手に入らないものはないといっても決して言い過ぎではありません。そういう社会のなかでは、人とは違う発想がないと周囲に埋没してしまい、あなたはいつまでも適性に評価してもらえないでしょう。
一方で、もしあなたにほかの人とは違った斬新な発想力があれば、あなたの評価は間違いなく上昇します。
新しいビジネスモデルや商品サービスの開発、あるいは既存事業の問題点を改善するなど、ビジネスの場では、常に斬新でオリジナル溢れる発想力が求められているのは間違いありません。ぜひ、発想力を鍛えて、自分の市場価値を高めていきましょう。
決断のスピードが速く、チャンスを逃さない
発想力に優れた人は、一様に決断のスピードが速く、決してチャンスを逃しません。なぜならば自分の発想力に自信があるので、自分のアイデアを実現するための方法を探して、いつもアンテナを張っているからです。
一方で発想力に自信がなく、「こんなアイデアなんて笑われるのでは……」などと考えている人は、いつも自分の頭のなかでウジウジと考えるだけ。これでは、チャンスが巡ってくることなど永遠にありません。
それよりも、もっと自分の発想力に自信をもち、さまざまなアイデアをどんどん周りとシェアすべきです。他人のために惜しげもなく力になる姿勢があれば、同僚や上司、取引先からも信頼され、なにかあれば自然とチャンスが回ってくるでしょう。
失敗を恐れない強いメンタルが手に入る
発想力と失敗を恐れない強いメンタルには、非常に大きな相互関係があります。両者は一見まったく関係ないようですが、発想力があるとなにかトラブルがあっても迅速に対応できるため、とくに失敗を恐れなくなるんですね。
人間がメンタル的にダメージを受けるのは、だいたいなにかしらのトラブルが発生したときです。ビジネスでいえば、「納期に間に合わない」「材料が入荷されない」「取引先からクレームが入った」などでしょうか。
私も含め、実際トラブルの場に立ったら萎縮してしまい、思うように力を発揮できないのが普通の感覚だと思います。
もちろん発想力のある人も、失敗にプレッシャーを感じるのは同じです。ただ問題や失敗があっても、「そこからいかによい状況にもっていくか」という発想への切り替えが素早いので、大きな問題にならずに済むケースが多いだけの話なのです。
このように、失敗を恐れないメンタルさえあれば、トラブルが逆に信用を得るチャンスに代わります。
どうしてあなたには、発想力が欠けているのか
発想力のメリットは重々理解しているが、どうしても発想力が身につかない。そういう悩みを抱えている人も、決して少なくないはずです。
最後の章で発想力を鍛える方法は紹介しますが、まずはその前に、あなたに発想力が欠けている理由をきちんと理解しておきましょう。
- 固定概念が強すぎて、いつも同じ発想しかできない
- 好奇心が弱いので、判断材料となる情報量が足りていない
- プライドが高く、自分の知識や経験を過信しすぎている
理由がわかれば、あとはその理由を潰していくだけです。3つの理由が自分に当てはまるかどうか、ひとつずつ確認してみてください。
固定概念が強すぎて、いつも同じ発想しかできない
発想力に乏しい人は、固定概念が強すぎて、いつも同じ発想しかできない傾向が強いです。しかし普通の人が思いつかない斬新な発想は、人と同じ価値観でばかりものごとを見ていては、決して生まれてきません。
固定概念というのは、概して事実とは異なることが多いもの。あなたがこれまでに見たり聞いたりした狭い経験のなかから、自分が勝手につくり上げたマイルールでしかないのです。
たとえば、多くの人が「煎餅は硬いもの」という固定概念をもっています。しかし、「しっとりとした煎餅があってもいいじゃないか」という新しい発想により、柔らかくてしっとりとした「ぬれ煎餅」が生まれました。
元々は千葉県銚子で生まれたぬれ煎餅ですが、今やコンビニでも売られるくらいの定番商品となっています。
このように、固定概念は柔軟な発想力の大敵です。できるだけムダな固定概念をもたないように、日頃から感性を磨いておきたいですね。
好奇心が弱いので、判断材料となる情報量が足りていない
好奇心が弱い人も、発想力に乏しい傾向があります。なぜかというと、好奇心が弱い人は情報をキャッチしようという意欲が乏しいので、発想力の判断材料となる情報が絶対的に不足しているからです。
発想力の基本は、既存の情報の組み合わせです。
絶対的にモノが少なかった時代なら、ゼロから新しい発想をするのも比較的簡単でした。車がない時代に車を考え出せば、それだけで皆が買ってくれます。しかし、モノやサービスが溢れる現代では、まったく新しいアイデアはほぼ存在しません。
つまり、今ある商品やサービスを組み合わせて、これまでとは少し違うアイデアを生み出すのが、現代に求められる発想力なのです。
そのためには、組み合わせの材料となる情報を知らないと、よい発想は生まれてきませんよね。だから、よい発想には、好奇心が欠かせないのです。
プライドが高く、自分の知識や経験を過信しすぎている
プライドの高さも、発想力の大敵といえます。なんといっても、プライドの高い人は、自分の知識や経験を過信しすぎです。
自分は他人よりも優れているから、いつも自分の考えが正しいと思っています。だから、周囲の意見やトレンドにも、基本的に無関心です。
そうなれば前述のとおり、斬新な発想に必要な判断材料が入ってきませんから、ますます自分の狭い考え方に執着するようになります。
自分の知識や経験はたしかに重要ですが、もっと世の中のトレンドや変化に敏感にならないと、よい発想は生まれません。ヘタなプライドは捨てて、広い目をもって世の中を見てみる。ぜひこういった、柔軟な姿勢を身につけていきたいですね。
これだけやれば大丈夫!発想力を鍛える4つの方法とは
発想力のメリットも、発想力がない理由もわかった。ここまでくれば、あとは実際に発想力を鍛えていくだけです。最後にこの章では、発想力の鍛え方を4つほど紹介していきます。
- 積極的に他人と意見を交換してみる
- いつもと違う環境に飛び込む
- 「仮説 → 検証」を繰り返す
- ものごとを組み合わせてみる
最終的にはすべてチャレンジしてもらいたいのですが、まずはできるものからひとつずつ取り組んでみてください。
積極的に他人と意見を交換してみる
前述の固定概念を外すためにも、積極的に他人と意見を交換してみるのは、非常によい考えだと思います。
自分の考えというのは、あなたが思っている以上に、狭くて柔軟性に乏しいものです。自分の知識と経験しか、発想のバックボーンがないのですから、考えてみれば当然でしょう。
そういう固定概念は、「普段あまり関わりのない属性の人」によって、強く打ち崩されるケースが多いです。だから、他人と話をするといっても、友達や家族・同僚といった、いつも同じメンツだけではあまり効果がありません。
思い切って、普段接点のない人と会話をしてみましょう。異業種交流会に参加するのもいいですし、趣味のサークルやボランティアなどもオススメです。
多様な価値観に触れると、納得できることもあれば、思わず反発したくなるようなこともあるでしょう。でもそれでいいのです。よいことも悪いことも含めて、他人の価値観は、きっとあなたの固定概念を取っ払ってくれる手助けになるはずです。
いつもと違う環境に飛び込む
前述のとおり、あなたの凝り固まった固定概念を取り払うには、違う価値観の人とコミュニケーションを取るのが一番です。
しかし、普段の生活のままでは、周囲には結局いつも同じメンバーしかいません。であれば、思い切っていつもと違う環境に飛び込んでみてください。
違う環境といえば、ざっと思いつくだけでも、以下のようなものが考えられますね。
- 異業種交流会
- 社会人勉強会
- 各種イベント
- 語学教室
- 趣味のサークル
- ボランティア
- 地域活動
- SNSでの繋がり
- 友人や知人の繋がり
1回だけの集まりもあれば、定期的に参加するサークルのようなものもあります。どれかが特別に有利なわけではないので、気になるものがあれば気軽に参加してみればいいでしょう。
さらにこういった集まりに参加して顔を合わせるうちに、いざという時にお互い助け合うよい人間関係が築けるかもしれません。むずかしいことは抜きにして、まずは人との出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
「仮説 → 検証」を繰り返す
優れた発想力は、「仮説 ・検証の繰り返し」という、最高の鍛え方によって大きくブラッシュアップされます。どんなに知識や経験のある人も、あるいはそうでない人も、よい発想は「仮説」がすべての出発点です。
まず「もしかすると◯◯は、△△なのではないか……」と仮定を立て、その仮定が正しいかどうかを検証する。このプロセスの繰り返すうちに、段々とほかにはない斬新な発想が形づくられてくるのです。
しかし精度の高い「仮説・検証サイクル」を回すには、その仮説が正しいかどうかを判断する判断材料が必要になります。そのためにも、自分のなかにたくさんの引き出しを増やし、幅広い分野の情報をストックしておかなければなりません。
そういうわけですから、前述のとおり、他人と触れ合う機会を増やし、読書量も増やしてください。そうすれば、徐々に仮説・検証のサイクルをうまく回せるようになるでしょう。
ものごとを組み合わせてみる
前述のとおり、現代に必要とされる発想は、すべて「ものごとの組み合わせ」でできています。
よくも悪くも私たちが生活する21世紀は、ほとんどのモノやサービスが、すでに供給されている時代です。そのなかで、まったくの新しいアイデアを考えようとするのは、ムダでしかありません。
まずは、「ものごとを組み合わせて新しい発想を生み出す」という大原則を、しっかりと頭に入れておいてください。
組み合わせのパターンを考える場合、慣れていないうちは「マインドマップ」や「マンダラート」のような、フレームワークの活用がオススメです。
たとえば、有名な「オズボーンのチェックリスト」の場合、以下9つの観点から発想を見つめ直していきます。
・Other uses?(転用):ほかに使いみちはないか?
・Adapt?(応用):なにか似たものはないか?
・Modify?(変更):意味や色など変更できる点はないか?
・Magnify?(拡大):もっと強く高く大きくできないか?
・Minify?(縮小):もっと弱く小さく低くできないか?
・Substitute?(代用):ほかのもので代用できないか?
・Rearrange?(置換):サイズやレイアウトなどの新しいアレンジは可能か?
・Reverse?(逆転):方向や性質を逆転させてみたら?
・Combine?(結合):ほかのものと組み合わせはできないか?
※参考:UNIVERSITY OF CAMBRIDGE Osborn’s checklist
もちろん、ムリにフレームワークを使う必要はありません。大事なのは、あくまでも既存のアイデアを自由に組み合わせてみる「柔軟な発想力」です。ぜひ、思いつくまま、自由にアイデアを組み合わせてみてください。
まとめ
冒頭でもお話ししたように、これからは柔軟な発想力をもった人だけが、チャンスを掴む時代になっていきます。
そのためにも、まずは発想力を身につけた場合のメリットを、しっかりと理解してください。それによって、発想力を鍛えようというモチベーションが、大きく変わってきますので。
発想力を鍛えようという意識さえあれば、あとは今回紹介した発想力の鍛え方をひとつずつ試していくだけです。できるだけ早く発想力を鍛えて、発想力のメリットをしっかりと享受できるように頑張っていきましょう。