記事の監修
株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子
大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。
会社の成功にはさまざまな要素が絡まり合っていて、これだけをすれば必ず大丈夫というものはありません。ただ、数ある成功要素のなかでも、「経営者の考え方」はとくに重要です。
どんなによい商品があってもどんなに優秀な社員がいても、経営者の考え方が成功からズレていれば、会社はすぐダメになってしまうでしょう。
こういう話を聞くと、自分に経営者としての能力があるかどうか、非常に気になると思います。
でも安心してください。もし現在能力が不足していても、今回紹介する「優秀な経営者の特徴」を身につければ、少なくとも大きな失敗をすることはありません。
今回紹介する経営者の特徴は、以下の9つになります。
- 決断が速い
- 決断したらすぐに行動
- 常にどうやったらできるかを考える
- ダメだと判断したら素早く撤退
- 数字に強い
- 新しい知識や技術を貪欲に取り入れる
- 得意なことに資源を集中投資
- 他人の力を活用する
- 見た目や健康を大事にしている
どの特徴も、頑張れば誰にでもできるものばかりです。とくに共感できるものからスタートし、最終的には9つすべてマスターできるように頑張ってみてください。
目次
決断が速い
優秀な経営者は、おしなべて決断が速いです。多少の個人差はあるとしても、「課題ができた瞬間にはもう結論を出している」優秀な経営者の多くは、概してこのくらいのスピード感で決断を下します。
もちろん、決断が速いからといって、思慮が浅いわけではありませんよ。参入コストや市場規模、将来性などを総合的に検討したうえで、素早く決断していきます。
極端な話、経営者の仕事は経営的判断を下すことのみ。そのほかのこまかい仕事は、誰かにやってもらえばいいのです。その代わり優秀な経営者は、会社の舵取りにそれこそ命がけで取り組みます。方向性がブレたら、会社を潰すことにもなりかねませんから。
決断したらすぐに行動
前述のとおり、いったん決断したら、あとは素早く行動するのみです。いくら決断が速くても、実際に動き出すのが遅ければ、なんの意味もありません。
では、どうして優秀な経営者が決断と行動の速さにこだわるのかというと、それは「先行者利益の凄さ」にあります。
事業の成功には、競合他社との差別化が不可欠です。ところが、商品とサービスが飽和状態の現代市場では、言葉でいうほど差別化は簡単ではありません。
だからこそ誰よりも速く行動を起こし、その分野のNo.1企業として、確固たる地位を確立する必要があるのです。
1974年に日本ではじめてオープンしたコンビニ「セブン-イレブン」は、あれから50年近くが経過した今でも、圧倒的なシェアを誇っています。それだけ、先行者は強いということなのでしょう。
とはいえ、圧倒的人気だったmixiが、後発組Facebookに敗れたような事例もたくさんあります。技術革新のサイクルが異常に短い現在では、新しいコンセプトや技術をもった後出組が、既存市場を一掃するケースも目立ってきました。
だから優秀な経営者は、ただ行動が速いだけでもダメです。新しい技術に対しても、常にアンテナを張っておく感性がなければいけません。この辺については、またのちほど詳しく解説します。
常にどうやったらできるかを考える
優秀な経営者が素早く決断し行動をするのは、できるだけ速く結果を出すためです。そのためには、実務をおこなう従業員のマインドが、経営者と同じ方向を向いている必要があります。
前述のとおり、飽和市場において、結果を出すのはとても大変です。だから経営者は、社員に問いかけます。「むずかしいのは知っている。だったら、どうやったら実現できるかを考えろ」と。
もちろん、社員にだけそういう姿勢を強要していたのでは、誰も経営者についていきません。経営者自らが、誰よりも率先して「必ずできる」という意志をもって行動してこそ、はじめて従業員が同じマインドで動いてくれるのです。
優秀な経営者は、言い訳ではなく、常に実現の可能性を探っている。このことは、決して忘れないようにしてください。
ダメだと判断したら素早く撤退
優秀な経営者は、常に実現の可能性を追求しています。でもそれと同時に、どうしてもダメだと判断したら、ためらうことなく撤退する判断力も備えているのが特徴です。
成功の可能性が低いのに、いつまでも資金と労力を投資していたら、最悪会社は倒産してしまいます。それよりもダメな事業に早く見切りをつけ、より可能性の高い事業に注力したほうが効率がいいと考えるわけです。
そもそも、仕掛けた事業がすべてうまくいく経営者なんて、ほとんどいません。新規事業を何個も試してみて、やっとひとつだけ生き残るくらいが普通なんです。
だから、見込みのない事業の撤退をうまくやらないと、大きな損失を出すことだってあり得ます。優秀な経営者は、撤退に関してもエキスパートなのです。
数字に強い
事業の成否を判断するのは、数字です。売上高・利益率・商品原価・仕入原価など、みるべき数字はたくさんあります。優秀な経営者の特徴としては、まず数字に強いことがあげられますね。結果を出している経営者で数字に弱い人を、私はみたことがありません。
また、事業を立ち上げる際には、通常金融機関などから借り入れをおこないます。ということは、毎月必ず返済が発生するということです。
もし返済が滞れば、会社は信用を失います。連続して返済が遅れれば、今後新規の借り入れができなくなる可能性もあるでしょう。
手形取引をしている場合は、入金日と支払日のズレが生じるのは当たり前です。したがって、資金繰りをうまくやらないと、返済ができず最悪黒字倒産もあり得ます。
こういう事態を避けるためには、損益計算書だけをみていてもダメです。優秀な経営者は、必要な時期に現金が残るよう、「キャッシュフロー経営」を常に心がけています。
新しい知識や技術を貪欲に取り入れる
「決断したらすぐに行動」で、新しい技術に対しても常にアンテナを張っておく感性が必要だといいました。これは、非常に重要なポイントだと思います。
経営者というのは、大抵なんらかの専門性をもっているものです。「ナビゲーションシステムの開発については誰にも負けない」「前職で10年連続営業成績No.1だった」など、自分の得意分野に関連した事業からスタートするケースがほとんどでしょう。
そういった事業がうまくいっている間はいいのですが、今は技術革新の速度が速く、いつ既存事業が時代遅れになるかわかりません。
またITの進化とグローバル化の影響で、消費者の嗜好の分散化が顕著になりました。つまり、昔では考えられなかった市場が、これからどんどん生まれてくるということです。
こういった新しいトレンドに対応できないと、これからの経営はうまくいきません。だから優秀な経営者は、そういったトレンドの動きに対して、常にアンテナを張っています。
得意なことに資源を集中投資
さきほど、新しい知識や技術を貪欲に取り入れるのが大事といいましたが、経営の基本は、やはり「集中投資」です。優秀な経営者は、往々にして自分の得意なことにリソースを集中投資します。
得意分野への集中投資が有効な理由は、大きく4つ。
・必要な知識や技術がすでにある
・事業に必要な人脈がある
・ある程度信用が構築された状態でスタートできる
・トラブル対応が容易
上記の理由を頭に入れたうえで、自分の得意な分野で勝負できれば、勝率は大きくアップするでしょう。ところが経営者になり知り合いが増えると、出資や別事業の勧誘など、さまざまなお誘いが増えてきます。
しかし優秀な経営者は、こういう誘惑に飛びつくことは基本的にありません。前述のとおり、新しいトレンドにアンテナは張っておくべきですが、まずは一点集中。これが、成功する経営の基本だと知っています。
他人の力を活用する
他人の力を活用する重要性を知っているのも、優秀な経営者の特徴です。どんなに能力のある経営者でも、自分ひとりでやれることには限界があります。
また前述のとおり、成功の基本は集中投資です。人材が少ないスタートアップ時は仕方がないとしても、自分の苦手な分野はほかのスタッフや外注にまかせるのが得策でしょう。
ただし、他人の力を活用といっても、相手のスタンスによって結果は大きく変わってきます。つまり、優秀な経営者には、他人を巻き込む情熱やビジョンが不可欠だということです。
「そんな仕事ならぜひやってみたい」
「ぜひ社長の力になりたい」
こんな風に、あなたに巻き込まれた人が自主的に動いてくれるのが、理想です。だから、成功する経営者は、いつも夢やビジョンを語っていますよね。
夢やビジョンを語るのは、恥ずかしいという人もいるでしょう。「そんなのできっこない」と、バカにされることだってあるはずです。でも、本当に優秀な経営者は、そんなことお構いなしです。こういう一途な姿勢は、私たちもぜひマネしたいですね。
見た目や健康を大事にしている
優秀な経営者は、仕事に対する考え方だけでなく、見た目や健康も大事にしています。見た目や健康が、仕事に大きな影響を与えるのを知っているからです。
経営者は、一様に激務な人が多いですよね。時代と逆行するかもしれませんが、スタートアップ時には、それこそ1日15時間は働いたなんて人も少なくないのでは。
事業が軌道に乗らない限り、いつ会社が倒れてもおかしくないのですから、必死に働くのは当然だと思います。そのためには、少々のハードワークではへこたれない、強靭な肉体と精神が不可欠です。
だから最近の経営者は、飲み会よりも、ジムでのワークアウトを優先します。欧米ではとくに健康への投資が顕著ですよね。どんなに仕事ができても、太って不健康な人は、昇進できないとよく耳にします。
また、優秀な経営者は見た目も大事にしますね。ジムに通い、健康的な食事を心がけているのも、鍛えた肉体が相手に清潔感やエネルギーを与えると知っているからでしょう。
洋服に関しては、高級な服は逆にかっこ悪いという風潮が強くなってきました。これは、おそらくスティーブ・ジョブズの影響ですね。(とはいえ、経営者らしい服装をしておいたほうが無難だとは思いますが……)
いずれにせよ、健康で見た目もよければ、それだけで相手に信頼感を与えます。だから、優秀な経営者は、見た目と健康への投資に手を抜きません。
まとめ
今回は、優秀な経営者がもつ特徴を9つ紹介しました。共感できるものもあれば、もしかすると納得できないものもあったかもしれません。
それでも全然OKです。経営者のスタイルは、人それぞれ。あなたがまったく同じように動く必要はありません。ただ、9つの特徴を身につければ、限りなく成功に近づくのもまた事実です。
まずは自分がマネしたいと思ったものから、ぜひチャレンジしてみてください。