記事の監修
株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子
大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。
「英語ができると年収がアップする」
最近、こういった話をよく耳にします。しかし日本に住んでいる限り、日常生活で英語を使う機会など、通常はほとんどありませんよね。仕事で英語を使う環境にいなければ、英語で年収がアップするなど、すぐには実感できないというのが多くの人の本音だと思います。
結論からいうと、これからの日本において、英語力の有無が年収に与える影響はますます大きくなっていくでしょう。
そこで当記事では、年収アップに直結する英語の勉強法など、英語と年収に関する情報をいろいろと紹介していきます。英語を仕事に活かしたいとお考えのかたは、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
年収を上げるために必ず知っておきたい「英語力活用4つのポイント」
冒頭で述べたように、これからは英語力が年収に大きく関係してきます。しかし現実的にみると、ネイティブのように英語を使いこなせる日本人は、それほど多くありません。
そういうレベルの私たちが英語で年収をアップさせるには、ポイントを絞って、上手に英語と付き合っていく必要があります。ということで、まずは英語力活用のポイントを4点ほど見ていきましょう。
英語力で年収がアップする理由
英語力で年収アップを目指していくなら、英語で年収がアップする理由をしっかりと理解しておくべきです。
英語で年収アップできる確信がないと、おそらく途中で英語の習得を諦めてしまうでしょう。なんといっても、英語の習得には、多大な時間と労力がかかりますからね。
英語力で年収がアップする理由は、別にむずかしい話ではありません。単純に英語ができると、年収の高い仕事に就ける可能性がアップするというだけの話です。
残念ながら、少子高齢化・急激な人口減少など、日本市場はこれからますます縮小していくでしょう。対してインドのように、今後拡大していく市場が、世界にはまだまだたくさんあります。
そういったグローバルビジネスの公用語は、英語です。つまり英語が話せる人しか、こういうビジネスの場に参加できないことになります。
日本の企業も海外市場の重要性を理解していますから、専門スキルがありさらに英語もできる人材は、高く評価してもらえるというわけです。(外資系企業への転職も可能)
バイリンガル向け転職サイト「Daijob.com」※によると、スカウト案件の90%以上が、ビジネス英会話のできる人材だそうです。また、英語ができる人の年収は、国税庁発表の平均よりも1.3倍ほど多いことが明らかになっています。
※参考:英語力と高年収の関係をDaijob.comが独自調査~コロナ禍においても英語力の高い40・50代女性は女性平均年収の約1.6倍
◆英語×専門分野で年収をアップさせる考え方についてはコチラの記事もどうぞ
日本企業ではTOEIC高得点が必須
前述のとおり、これからのグローバルビジネスには、英語力が欠かせません。日本の場合は、その英語力の証明として、TOEICのハイスコアを要求する企業が非常に多いです。
「スピーキングやライティングのない試験を基準にしても意味がない」という批判も多い試験ですが、実際に企業間でTOEICが高く評価されている以上、TOEICは必ず受験しておくべきです。
企業が求めるTOEICスコアをいろいろと調べてみましたが、国際関係の業務や経営幹部になると、少なくとも800点以上は必要な企業が多いようですね。ちなみに、パナソニックの海外家電マーケティング業務への転職者は、TOEIC850点以上が要件でした。
しかし一方で、TOEIC600点前後を昇進の基準にしている企業もたくさんあります。正直、600点レベルでは、とてもビジネスに使える英語力とはいえません。
つまり、頑張ってTOEIC800〜900点レベルの英語力を身につければ、日本企業では大きなアドバンテージになるということです。まずは800点を目標に、できるだけ早く英語力をアピールできるように準備しましょう。
◆速読を活用したTOEICの勉強法についてはコチラの記事もどうぞ
会話よりもまずは読み書きを鍛える
ビジネスでの英語力を考えるなら、会話よりもまずは読み書きのレベルアップをオススメします。というのも、ビジネスの世界では文字によるやり取りが非常に多いのです。
すぐに思いつくだけでも、メール・チャット・プレゼン・資料作成など、私たちは読み書きが必要な作業を驚くほど大量にこなしています。
こういった作業は、これまで時間的制限が比較的緩かったため、多少英語力が劣っていてもなんとか対応できました。しかし最近では、リアルタイムでやり取りをするビジネスチャットが一般的になったため、高いレベルのライティング能力が求められています。
ところが、英語学習者の多くは、いまだに英単語と文法のインプットばかり。これでは読むことはできても、いつまでもライティングができないままです。(もちろん個人差はあります)
これからのビジネス英語へ対応するには、思ったことをすぐに英文で書けるよう、もっとライティングの勉強に力を入れるべきだと思います。
専門分野に関しては、ほぼ100%理解できるようにしておく
帰国子女でもない限り、ネイティブのように英語を使いこなすのは、基本的にムリだと思ってください。その代わり、「自分の専門分野に関する英語は問題なく理解できる」というレベルを目指すのが、現実的な対応だと思います。
ビジネス英語と聞けば、多くの人が「外国人のビジネスパーソンに囲まれて、にこやかに雑談する場面」をイメージするのではないでしょうか。たしかに、円滑なビジネスには、こういった雑談が不可欠です。
ただし、どういう話題が飛び出すかわからない雑談は、私たちノンネイティブにとって、かなりの難易度といえます。しかも、ビジネスの本筋とは関係ないわけですから、まずは仕事に関連する内容に絞って勉強するのが最優先でしょう。
「雑談は厳しいけど、仕事に関する話ならほぼ完璧にわかる」英語が母国語でないビジネスパーソンは、ぜひこのレベルを目指してください。
年収アップに直結する「使える英語」の勉強法
英語の重要性は理解できても、これまで英語に触れてこなかった人からすれば、どうやって勉強すればいいのか悩んでしまうはずです。でも、安心してください。きちんと順番を守って勉強をすれば、必ずビジネスに必要な英語力は身につきます。
- 中学レベルの英単語/英文法
- 最低限の発音
- 英語を使った専門分野の勉強
- 適切なアウトプット
今回は、上記の流れに沿って、ビジネス英語の効率的な勉強のしかたを解説していきます。
中学レベルの単語と文法がすべてのベース
ここまで何度も、専門分野に特化した勉強を勧めてきました。しかし、専門分野の勉強をはじめる前に、まずは基礎的な英単語と英文法を理解しているのが大前提です。
英単語は、ひとまず高校入試に必要な約3,000語を覚えます。文法も中学レベルの基礎文法と、あと仮定法はしっかりと覚えておいたほうがいいですね。(2021年から、ごく簡単な仮定法は中学で習うようになりました)
くどいようですが、最初に英語の基礎をしっかり身につけてください。基礎を疎かにすると、途中で必ず伸び悩みます。
中学レベルの基礎学習のポイントは、とにかくスピードです。1日10個しか単語を勉強しなければ、全体に目を通すだけでも、1年近くかかってしまいます。これでは、最初に読んだ単語など、覚えていられるわけがありません。
基礎学習ほど、短期間に集中して覚えるのがセオリーです。英単語3,000語なら、1〜2か月で終わらせる気持ちで取り組んでいただければと思います。
◆中学レベルの基礎学習についてはコチラの記事もどうぞ
できるだけ早いうちに発音の基礎を学んでおく
英語で年収をアップさせたいなら、とにかく発音を習おうといったら、驚く人も多いかもしれません。しかし発音の習得は、ビジネス英語において、あなたの評価を決定づける本当に重要なポイントになります。
できれば、単語の勉強をスタートすると同時に、きちんと発音を習いたいところですね。発音はどうしても後回しにされがちですが、あまりにも発音がつたないと、相手が疲れてしまいます。
こういう話をすると、「ビジネスの現場では、ネイティブとは異なる独特の英語が飛び交っているのだから、あまり気にする必要はない」という反論を、ときどき耳にします。
たしかにその通りで、多少発音が悪くても遠慮する必要はまったくありません。ただ、それにも限度があります。もし同条件でストレスなくコミュニケーションが取れるライバル企業の担当者がいれば、自然とそちらに商談は流れてしまうでしょう。
別にネイティブのように話せる必要はありませんが、少なくとも相手が負担に感じない程度の発音は、必ず身につけておくべきです。
専門分野の記事を読む・聴く
前述のとおり、ビジネスで英語を使うなら、専門分野のやり取りが最優先です。専門分野に絞って勉強すれば、覚える単語や用法も限定されるため、勉強の負担も少なくて済みます。忙しいビジネスパーソンにとって、勉強に時間を取られないというのは、非常に大事なポイントです。
専門分野に絞った勉強では、余計な単語や文法を後回しにする代わりに、専門分野の記事をとにかく読みまくって(聴きまくって)ください。幸いなことに、英語をそのまま使った用語もたくさんあります。専門知識があれば、それほど苦労せずに、英語の意味が理解できるはずです。
また、スピーキングを鍛える方法としては、覚えた英語をすぐに口に出してみるのがオススメです。同僚がいれば、時間のあるときに、雑談してみてください。仲のいい人なら、間違っている箇所を指摘してもらうように、お願いしてみるとよいでしょう。
さらに余裕のある人は、オンライン英会話を利用するのもいいですね。プレゼンの内容を先生に修正してもらえば、実務にも役立ち、まさに一石二鳥です。
◆専門分野に特化した勉強についてはコチラの記事もどうぞ
覚えた表現はすぐに使ってみる
専門分野に絞った勉強とも共通する話ですが、使える英語を身につけたいなら、覚えた表現はとにかくすぐに使ってみることです。「おー、こういう風にいえばいいんだ」という感動が残っているうちに、どんどん使っていくと、より深く記憶に残ります。
そうなればもうこの表現は忘れないし、これからいつでも自然にこの表現を使えるようになるでしょう。
覚えた表現をすぐに使うというのは、ようするにインプットとアウトプットをセットで考えるという意味です。「覚えたら使う」というサイクルを回していけば、せっかく覚えたのに忘れてしまったという悲しい状況が、大幅に改善されると思います。
そういう意味では、先ほど紹介したオンライン英会話もいいですよね。もちろん、いつもオンライン英会話を使えるわけではないでしょう。そういう場合は、ひとり言でもOKです。とにかく「覚えたらすぐに使ってみる」、この意識を忘れないでください。
まとめ
これまで何回もお話ししているように、英語をマスターすれば年収は間違いなくアップします。ただし、英語で年収アップを目指すには、守るべきポイントがあるのもまた事実です。
「読み書きを優先」「TOEIC高得点は必須」など、こういったポイントを外すと、せっかく英語力があっても満足のいく年収は得られません。
また多くの人は、英語が大事なのは理解していても、どうやって勉強すればいいかがわからずに悩んでいます。世の中に勉強法はたくさんありますが、今回紹介した「専門分野に特化した勉強法」をひとつの基準として、自分のやりやすい勉強のしかたを探していってください。