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海馬は記憶の司令塔「海馬と記憶の関係性について」

海馬は記憶の司令塔「海馬と記憶の関係性について」

記事の監修

株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子

大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。

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海馬は記憶の司令塔と呼ばれる、非常に重要な器官です。しかし、それだけ重要な機能を担う海馬なのに、その実情について知っている人はどれだけいるでしょうか?

この記事では、記憶力改善に興味のある人に対して、海馬の役割や海馬を鍛える方法を解説していきます。

記憶の司令塔「海馬」の役割

記憶の司令塔「海馬」の役割

記憶は海馬を通じて、最終的に大脳皮質へ送られます。記憶力に対して海馬がどのような役割を果たしているのか、詳しく見ていきましょう。

海馬が短期記憶と長期記憶を選別する

短期記憶と長期記憶の選別が、海馬の大きな役割です。私たちが日々経験する情報はまず短期記憶として海馬に送られ、重要度に応じて選別されます。重要な情報は長期記憶として大脳皮質へ移行し、そうでない情報は長くても数分で忘れてしまいます。

もちろん、すぐに忘れてしまうからといって、短期記憶がどうでもよいわけではありません。私たちが対面でスムーズに会話できるのも、相手の話した内容を短期記憶に保存できるから。

もし、短期記憶がうまく機能しなければ、聞いた瞬間に会話の内容を忘れてしまい、まったく会話にならないでしょう。つまり、それだけ海馬の役割は重要だということです。

記憶の種類と海馬の関係性

記憶は大きく、頭で覚える「陳述的記憶」と、身体で覚える「非陳述的記憶」に分類されます。陳述的記憶は、さらに「エピソード記憶」と「意味記憶」に分かれ、海馬と深い関係があります。

エピソード記憶とは、過去の経験から得た情報のこと。対して意味記憶は、勉強して学んだ、いわゆる「知識」です。どちらも海馬がコントロールしていますが、意味記憶は非常に忘れやすい記憶といわれています。だからなにか暗記をする際は、何度も復習をして、脳にその情報の重要度を刷り込んでいく必要があるのです。

一方、手続き記憶に代表される非陳述的記憶は、海馬と直接関わっていません。手続き記憶とは、自転車の乗り方やピッチングのように、身体で覚える記憶のこと。

手続き記憶は、身体のコントロールを主体とする「大脳基底核」と「小脳」に記憶されます。だから、意味記憶と違い、いったん覚えたらほとんど忘れずに済むわけです。

◆記憶の種類については、コチラの記事でもお読みいただけます

五感とともに記憶はつくられる

私たちの記憶は、五感を通じて形成されます。見る・聞く・触る・嗅ぐ・味わうといった行為で感じた情報は、まずそれぞれの感覚野で処理されます。そのあと、五感それぞれの情報が海馬に送られ、海馬がバラバラな情報を整理しながらひとつの情報に組み立てていくわけです。

たとえば、熱いと手が感じても、そのままではただ「手が熱かった」という情報だけしかありません。

そこに視覚で得た「沸騰したやかん」や、嗅覚による「手の皮膚が焼ける匂い」といった情報が統合されて、はじめて「沸騰したやかんに触れてしまい手が火傷した」というストーリーが生まれます。このように、五感のまとめ役をしている重要な器官が、海馬なのです。

海馬はストレスに弱い

海馬はストレスに対して、とくに敏感です。長期間のストレスはストレスホルモン「コルチゾール」の分泌を慢性化させ、海馬に大きなダメージを与えます。

雑誌に掲載されている記事※で、国立精神・神経医療研究センター神経研究所の功刀浩部長(記事掲載当時)は以下のように述べています。

ストレスにさらされると、体内ではそれに対抗しようとコルチゾールというホルモンが増える。この状態が長期間続くと、過剰なコルチゾールが脳を傷害し、海馬などの萎縮を招く。

※引用元:うつを作る「じわじわストレス」 脳内物質に異変 – 日本経済新聞

記憶力の低下を防ぐには、海馬の働きを正常に保ってあげなければなりません。そのための方法としては、バランスのよい食事・適度な運動・リラクゼーションなどが非常に有効です。(詳細は後述)

海馬と感情の関係

海馬と感情には、非常に密接な関係があります。ただし、この関係性にはプラスとマイナスの両面があり、少々注意が必要です。

まずプラス面から説明していきましょう。私たちの脳は、ただ情報を覚えようとすると、割と簡単に忘れてしまうものです。ところが、強い感情をともなう記憶は、深く記憶に刻まれ、なかなか忘れません。

会議中のつまらない話題はすぐに忘れても、友達と沖縄にいったときの楽しい思い出はずっと覚えていますよね。だから、覚えておきたいことがあれば、できるだけ感情を絡めて覚えるようにすれば、記憶の定着度をアップできます。

今度は、マイナス面の話に移りましょう。前述の通り、海馬は非常にストレスに弱い器官です。そして、不安を司る扁桃体はこの海馬と隣接しており、感情面(喜怒哀楽)を海馬へ伝える役割を果たしています。

ところが、両者の関係性が深いゆえに、扁桃体はストレスを受けた海馬の影響をダイレクトに受けてしまうのです。こういった状態が長期間続くと、不安障害やうつ病を引き起こす原因になりかねません。そういった意味でも、やはりストレス対策は入念におこないたいですね。

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睡眠中に海馬は記憶を整理する

海馬は、睡眠中にその日に起きた出来事を整理します。といっても、一晩中整理をしているわけではなく、整理は浅い眠り「レム睡眠」の間だけしかおこなわれません。

よく、8時間以上睡眠時間を確保しましょうという話を聞きますよね。これは、脳と身体の休息という意味以外に、記憶を整理する時間を確保するという意味が含まれているのです。

レム睡眠は90分間隔で、一晩に約4〜5回発生します。おもしろいことに、レム睡眠の時間は毎回一定ではありません。寝入りばなは短く、明け方になるほど長くなっていくのが特徴です。そして、睡眠後半の長いレム睡眠時に、記憶の整理はもっとも活発におこなわれます。

つまり、睡眠時間が短い人は、後半の活発なレム睡眠を失っているわけです。そのため、記憶の整理が十分におこなわれず、いつも頭のなかがごちゃごちゃしている状態で生活することになってしまいます。

◆睡眠の効能については、コチラの記事でもお読みいただけます

海馬を鍛えて記憶力を改善する15の方法

海馬を鍛えて記憶力を改善する方法

海馬の役割が分かったところで、今度は海馬を鍛えて記憶力を改善する方法について、解説していきます。

脳トレで海馬を刺激する

海馬を鍛えるなら、やはり脳トレは外せません。多くの脳トレにはゲーム性があるので、飽きることも少なく、楽しく脳のトレーニングが継続できます。

どのような脳トレでも、必ず記憶力の改善に役立ってくれますが、やはり記憶力と直接関係している脳トレのほうが効率はよいでしょう。

記憶力改善にオススメの脳トレ
  • クロスワードパズル
  • 間違い探し
  • 伝言ゲーム
  • 記憶力ゲーム(神経衰弱など)
  • 日記

長期的な記憶のレベルアップが目的なら、クロスワードパズルはオススメです。文字数とヒントから、過去の記憶をさかのぼってピッタリの単語を探す行為が、海馬や大脳皮質を刺激してくれます。

短期記憶なら、間違い探しや伝言ゲームなどもいいですね。とくに伝言ゲームで、短期記憶の限界容量といわれる7文字よりも多い文章を題材にすると、海馬が思い切り鍛えられます。

◆記憶力アップにオススメの脳トレについては、コチラの記事でもお読みいただけます

食生活で海馬をサポートする

脳も身体の一部ですから、当然食べ物の影響は大きいです。脳の働きをよくするには、まず食生活を改善しましょう。ポイントは、「三大栄養素のバランス」と「ブレインフードの摂取」です。

日本では、糖質制限がとても流行しています。しかし、脳の健康からいうと、過剰な糖質制限は絶対に避けたいところ。脳の主な栄養素は、血液中に含まれるブドウ糖(糖質)です。糖質が不足すると、脳の栄養が不足して、パフォーマンスが落ちてしまいます。(とはいえ、日本人は少々糖質を摂りすぎですけど……)

また、脳によい食材「ブレインフード」も、非常にオススメです。じつは、脳は約65%が脂肪でできています。セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の分泌量を正常に保つためにも、ぜひオメガ3脂肪酸を積極的に摂取しましょう。

オメガ3脂肪酸は、サバやサーモン、マグロといった魚類に多く含まれています。肉類が好きな人も、ぜひ週に2回は魚に切り替えてください。

適切な水分補給を心がける

先ほど食生活についてお話ししましたが、水分補給も非常に重要です。脳の約80%は水で構成されていて、水分量が減少するとさまざまな弊害が発生します。

たとえば、脳内における水分の大切な働きのひとつに、老廃物の排出があります。脳の水分量が少なくなれば、老廃物の排出が十分におこなわれません。また水分が不足して血液がドロドロになると、食事から摂取した栄養素を効率よく脳細胞まで届けるのがむずかしくなります。

リフレッシュした活発な脳の状態を維持するには、とにかく適量の水分補給を意識してください。

では、1日にどれくらい水分を摂ればいいのでしょうか。食生活や活動量によって異なりますが、一般的に約2.5Lが基準とされています。食事に含まれる水分や体内で生成される水分もあるので、飲料水としてはおよそ1.2〜1.5Lと考えておけば間違いないでしょう。

もちろん、汗をたくさんかく真夏になれば、さらに必要な水分量は増えます。喉の渇きは、脱水症状のサインです。熱中症予防という意味でも、こまめに水分を補給してください。

◆水分補給の重要性については、コチラの記事でもお読みいただけます

運動が記憶力に与える好影響とは

記憶力を含む脳機能という観点で見ると、運動による血流の増加は非常によい影響があると考えられます。

もちろん、あくまでも脳機能の向上が目的なので、息切れするような激しい運動は必要ありません。運動強度については諸説あるのですが、以下の強度がひとつの目安になるかと思います。

  1. 週に中強度の運動を150分、もしくは強めの運動を75分
  2. 週2日以上の筋力トレーニング

また、脳に送られる血流を改善したいなら、下半身を中心とした運動がオススメです。下半身の運動でふくらはぎのポンプ機能が向上すると、下半身に溜まりがちな血液が素早く上半身に戻っていきます。その結果、脳に届く血液量も大幅に増え、脳は栄誉をたっぷりと補給できるわけです。

なお、運動強度に関する情報は、別記事で詳しく紹介しています。ぜひそちらの記事にも目を通しておいてください。

◆食事や運動が脳に与える影響については、コチラの記事でもお読みいただけます

リラクゼーションで海馬をリラックス

前述の通り、海馬はストレスによるダメージを非常に受けやすい器官です。慢性的なストレスは海馬を痛めつけ、最悪の場合は、心身症やうつ病を引き起こしてしまいます。

原因の特定と対策は必要ですが、毎回すぐに解決できる問題ばかりとは限りません。ストレスを受けながらも、ストレスを軽減できるように、なにかリラクゼーションに取り組んでみてはどうでしょうか。

オススメは、マインドフルネス瞑想です。マインドフルネス瞑想では、目を閉じ静かに座りながら、今この瞬間に集中していきます。過去と未来ばかり見ていると、どうしても後悔や不安といったネガティブな感情を呼び起こしてしまいがちです。

いつもなにかしら不安を感じているという人は、ぜひマインドフルネス瞑想にチャレンジしてみてください。

もちろん、そこまで大げさなものは……というなら、簡単なストレッチや深呼吸をするだけでも、心が落ち着きます。ヨガもいいし、ハワイの「ホ・オポノポノ」やインドの「アーユルヴェーダ」などもリラックス効果が期待できそうですね。

いろいろ調べてみて、ご自身に合うものが見つかったら、とりあえず体験してみればよいと思います。

◆オススメのリラクゼーション技法については、コチラの記事でもお読みいただけます

日常生活に変化を与える

毎日同じようなことばかりしていると、少しずつ脳の働きは低下していきます。考えなくても、無難にこなせてしまうので、脳の動きが少なくなってしまうからです。

もし、最近同じようなことばかりしているという自覚があるなら、意識的に新しい取り組みを増やしてください。新しい取り組みは、心に変化を生み出し、脳(とくに海馬)に適度な刺激を与えてくれます。

もちろん、いきなり大きな変化を起こす必要はありません。転職や移住、結婚など、大きすぎる変化は、過剰なストレスを招いてしまいます。

なにか新しい趣味をはじめてみる・仕事関連の新しいスキルを学ぶ・異なるルートで通勤する・いつもと違う料理を食べてみるなど、ごく小さな変化からスタートするのがオススメです。

アートで創造力を刺激する

一見関係のなさそうな創造性と記憶ですが、両者には密接な関係があります。創造性を発揮するには、過去の記憶が必要です。ゼロからはなにも生まれません。過去の記憶が複雑に組み合わさって、新しいものが生まれるのです。

記憶の司令塔「海馬」の働きを活性化したいなら、創造力が必要なアートに取り組み、記憶をどんどん刺激しましょう。

たとえば、海の絵を描こうと思ったら、いろいろな海の写真を参考にするはずです。でも、それと同時に、過去の記憶を遡って、海の色や波の具合などを思い出そうとするでしょう。

そうやって、眼の前にある写真と自分の記憶にある海がうまくミックスすることで、その人独自の海が描かれていくのです。

そうして生まれた新しいアートは、また新しい経験として、記憶に組み込まれていきます。取り組むのは、絵画でも彫刻でもなんでも構いません。記憶力を鍛えるという意味では、アートの種類よりも創造の機会の多さが大切です。

あまりむずかしいことは考えず、とにかくいろいろな作品をつくる機会を増やすことに意識を向けてください。

◆アートが脳に与える影響については、コチラの記事でもお読みいただけます

新しい言語を学ぶことで脳を鍛える

新しい言語を学ぶことは、脳にとってとてもよいトレーニングになります。英語や中国語を学ぼうとすれば、まずは最低限の単語を勉強しますよね。日本語ならすぐにわかる単語でも、第二言語の場合、そうはいきません。

いつもと違う言葉やルールを覚えようとして、脳はフル回転します。この「新しいことを覚えよう」とする意識が、脳を思い切り鍛えてくれるのです。

学習で得た知識は、最終的に長期記憶として記憶されます。もちろん、馴染のない情報は、すぐに忘れてしまうでしょう。でも、繰り返し学習するうちに、脳が「この情報は大切だから覚えておいた方がいいみたいだ」と判断して、少しずつ記憶に定着する量が増えていきます。

そういった判断を下す役割を担っているのが、海馬なのです。だから、新しい情報をどんどんインプットしてください。もちろん、記憶の定着を促すための復習も忘れずにおこないましょう。

◆適切な復習の方法については、コチラの記事でお読みいただけます

社会的活動を増やす

社会的な活動を増やすことは、海馬を活性化し記憶力を高める素晴らしい方法のひとつです。人と会って会話を交わすのは、単純に楽しいですよね。しかし、人との交わりは、ただ楽しいだけでなく、私たちの記憶にも大きな恩恵をもたらしてくれます。

誰かと会話をすると、なにかしら新しい情報が頭のなかに入ってきます。会話の流れによっては、古い記憶から必要な情報を引っ張り出す必要もあるでしょう。

そうやって情報の出入りが増えれば、短期記憶をコントロールする海馬の活動量が増えます。もちろん、新しい情報を長期記憶として残しておくべきかという判断も、海馬の仕事です。

先ほど「日常生活に変化を与える」でもお伝えしたように、同じことの繰り返しは脳機能を低下させます。積極的に社会活動へ参加して、たくさん刺激を受けてください。

知っている人が少ない、緊張するような場であっても大丈夫です。その適度な緊張感が、また脳機能に刺激を与えてくれますので。

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最低でも月に2〜3冊の本を読む

海馬を鍛えるなら、私は月に2〜3冊の読書をオススメします。読書は、新しい情報を学び、異なる視点に触れる絶好の機会です。もし読書をまったくしなければ、多くの人がおそらく自分の考えや価値観に凝り固まってしまうでしょう。

なにしろ、ほかの価値観に触れる機会が極端に少ないわけですから、どうしても自分の考えが常に正しいと思ってしまいがちです。こうした「固定観念」は、海馬の働きを弱らせ、思考や判断といった認知機能を少しずつ弱らせていきます。

また、通常読書をする際には、内容を過去の経験や知識と照らし合わせながら読み進めていくものです。「あっ、たしかにそういうことが昔あったな……」「自分はどうしていたっけ……」と記憶を掘り起こしていく課程で、記憶力が磨かれていきます。

さらに、読書によって、おもしろい・つまらない・すごい・怖いといった感情が揺り動かされると、より強く記憶に残ります。わずか1,000〜2,000円程度の出費で、海馬が鍛えられるのですから、読書は本当にコスパのよい素晴らしい習慣といえるでしょう。

◆読書のメリットについては、コチラの記事でもお読みいただけます

定期的に自然と触れ合う

森林浴や公園での散歩は、単なるリラクゼーション以上の効果があります。自然のなかで過ごす時間は、ストレスを軽減し、心を落ち着かせてくれます。

2016年にダービー大学がおこなったメタ分析※では、自然との触れ合いによって副交感神経が活性化するという結果が算出されました。副交感神経は、興奮モードにある血圧を下げ、心拍数を減らしてくれる、いうなれば「お休みモード」を促す自律神経です。

つまり、自然が脳と身体をお休みモードで癒やしてくれるおかげで、脳の働きがよくなるわけです。もちろん、ストレスに弱い海馬も、自然の癒やし効果の恩恵を大いに受けます。

とはいえ、都心部で忙しく暮らす人にとって、自然のある場所にでかけるのはなかなか大変でしょう。でも、安心してください。毎日目にするPCやスマートフォンの壁紙を、海や山の画像にするだけでも、自律神経を整えてくれる働きがあるそうです。

机や窓際に植物を置くのもいいですね。できれば、週に1回30分は自然のなかで過ごす。それが無理なら、自然の画像を定期的に見る。それだけで、海馬の働きは、グンっとアップしてくれるはずです。

※参考: Joy and Calm: How an Evolutionary Functional Model of Affect Regulation Informs Positive Emotions in Nature

◆自然の癒やし効果については、コチラの記事でもお読みいただけます

音楽による脳の活性化

音楽を聴くほとんどの人は、ただ楽しむために聴いているのではないでしょうか。しかし、音楽は、ただ楽しみだけをもたらしてくれるものではありません。もし、海馬を鍛えて記憶力を向上させたいなら、音楽を活用してみるのもよいアイデアです。

数多くの研究データにより、集中力を高める・心を落ち着かせる・創造性を豊かにするといった音楽の効果が明らかになっています。

たとえば、カナダのマギル大学が2011年におこなった研究※では、好きな音楽を聴いた被験者のドーパミン分泌量が最大で9%高くなったそうです。ドーパミンは「幸せホルモン」と呼ばれており、適量分泌されるとやる気・幸福感・記憶力などを高めてくれます。

また、音楽を聴くだけでなく、なにか楽器を演奏してみるのもよいですね。演奏する際には、音符やリズム、曲の構成などを覚えなければならないので、記憶力が鍛えられます。

※参考: Music ‘releases mood-enhancing chemical in the brain’ – BBC News

◆楽器演奏の脳トレ効果については、コチラの記事でもお読みいただけます

笑いやユーモアで脳をリフレッシュする

笑いやユーモアは、脳にとって素晴らしいリフレッシュ方法です。笑うとき、脳内で「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンやエンドルフィンが分泌されます。こういった幸せホルモンには、私たちの気分を明るくし、ストレスを軽減する効果があります。

記憶をつかさどる海馬は、非常にストレスに弱い器官です。人間関係・金銭・健康問題などによって、頭を悩ませている状態が続くと、海馬の機能は著しく低下します。そういうときは、思い切り笑って、嫌な気持を吹き飛ばしてしまいましょう。

もちろん、悩みを根本的に解決する必要はあります。しかし、ストレスの原因であるトラブルを根本的に解決するには、どうしても時間が必要です。その間なにもせずにいたら、海馬の機能はどんどん弱ってしまいます。

気のおけない友達との会話や、おもしろい動画を見るなど、笑いやユーモアで脳をリフレッシュする方法はいくらでもあります。ぜひ、笑いを活用して、自分の心を守ってあげてくださいね。

デジタルデトックスで脳を休ませる

デジタルデトックスという言葉を聞いたことがありますか。デトックスには「〜を取り除く」といった意味があり、スマホやパソコンから距離を置き、心と体の健康を取り戻す方法です。

現代人の多くは、SNSやゲーム、動画などに長時間費やすのがもはや当たり前になっています。こういったデジタルによる娯楽は、正直非常に楽しいです。しかし楽しい反面、脳に大きな負担をかけているといわれ、各方面で警鐘が鳴らされています。

仕事中や勉強中、ついスマホを手にしてしまうという人は、スマホに触れない時間を設けるように心がけてください。使う時間を適切にコントロールできれば、以下に挙げるデジタル過多によるデメリットが大幅に軽減できるはずです。

デジタル過多が引き起こす主なデメリット
  • 睡眠の質の低下
  • 集中力の低下
  • 肩こりや頭痛といった体の不調
  • メンタルの不調
  • リアルタイムでのコミュニケーション不足

デジタルデトックスに取り組む際には、まず「自分がどのくらいデジタルデバイスを使っているか」を明確にしましょう。仕事で使う場合は別として、できるだけ1日2時間以内の使用を強くオススメします。

適切な休憩の取り方を身につける

適切な休憩は、海馬を休ませ、記憶力を維持するのにとても重要な要素です。どんなに集中力の高い人でも、何時間もぶっ続けで勉強や仕事を続けていれば、集中力が下がり効率も悪くなってしまいます。

オススメの休憩法は、「ポモドーロテクニック」です。ポモドーロテクニックとは、25分間の作業と5分間の休憩をワンセットとした時間管理法になります。作業25分間+休憩5分のセットを4回繰り返したら、長め(15分程度)の休憩を挟むのが一般的です。

この時間管理法のよいところは、やはり「作業時間の短さによる集中力維持のやりやすさ」でしょう。あと2時間もあると思えば嫌になってしまいますが、作業に疲れたときでも、たった25分間だと思えば頑張れるものです。

ただし、いくら効率のよい時間術だとしても、休憩中のスマホはNGです。せっかくの休憩中に、SNSをチェックしたら、脳はまったく休まりません。

休憩中には、ストレッチをしたり、軽く歩いたりするのをオススメします。適切な休憩の取り方を身につけて、効率よく脳を使っていきましょう。

◆ポモドーロテクニックについては、コチラの記事でもお読みいただけます

記憶力アップをサポートするインプット法

記憶力アップをサポートするインプット法5つのアイデア

記憶力アップを狙うなら、やみくもに覚えようとするよりも、さまざまな手法を上手に取り入れていくのが効率的です。最後に、記憶力アップに大きな効果が期待できる8つのアイデアを紹介します。

ゲーム化された脳トレアプリなら継続しやすい

記憶力の向上には、記憶力アップを目的とした脳トレがオススメです。なかでも、ゲーム化された脳トレアプリは、楽しみながら記憶力をレベルアップさせてくれます。

どんなによくできた脳トレでも、飽きてしまえばそこで終わりです。SNSや動画など、ほかにも楽しいことはたくさんありますから、いかに脳トレに興味を持ち続けられるかがポイントになってきます。

そこで、ゲーム要素の強い脳トレアプリが役立ってくれるわけです。多くの脳トレアプリには、ポイント獲得・レベルアップ・対戦モードなど、モチベーションを維持するための仕掛けが用意されています。

将棋やチェスに記憶力増強の働きがあるのはよく知られていますが、ひとりでコンピューターと対戦していても、やがて飽きてしまうでしょう。でも、オンラインで世界中の人と対戦できれば、少なくともひとりでやるよりはずっと興味が継続するはずです。

と、いろいろと理屈を説明しましたが、脳トレアプリは単純にやっていて楽しいです。結果を出すためにも、自分の好みの脳トレを探して、できれば年単位で取り組んでいきましょう。

◆オススメの脳トレアプリについては、コチラの記事でお読みいただけます

スペースド・リピティションなら復習効果がアップ

スペースド・リピティション(間隔反復法)は、記憶の定着を助ける効率的な学習法のひとつです。反復法という通り、復習の一種なのですが、スペースド・リピティションは復習の間隔にポイントがあります。

テキストを復習する際に、多くの人は復習の間隔を意識していません。でも、効果的に復習をしたいなら、復習の間隔を徐々に長くしてください。1回目の復習を翌日にしたら、2回目は1週間後、3回目は1か月後といった感じです。

復習を重ねるごとに、覚えている量が少しずつ増えていきます。ペンキ塗りのように、何回も重ね塗りすることで、ムラなくキレイに塗装するイメージです。

でも、ペンキが乾かないうちに重ね塗りしたら、表面がぐちゃぐちゃになってしまいますよね。記憶も一緒です。ある程度下地が乾いてから重ね塗りをする方が、より効率よく記憶できます。

インターリービングで飽きを防止

インターリービング法は、異なる種類の課題やトピックを混在させて学習する方法です。英単語の暗記を1時間やったら、次はリスニングを30分ほどはさみ、今度は文法の問題集を解くといった感じでしょうか。

受験生のようにインプットする科目が多い場合、数学・英語・世界史を1時間ごとにチェンジするのも、気分が変わっていいかもしれません。

インターリービング最大のメリットは、「飽きの防止」です。どれだけ英語が好きだとしても、3〜4時間ぶっ続けで勉強したら、必ず効率は下がります。その点、内容をガラリと変えれば、脳は常に新鮮な刺激を受け、よりアクティブな学習状態を維持することが可能です。

さらに、インターリービングに、スペースド・リピティションや後述するデュアルコーディングなどをうまく組み合わせれば、記憶の効率はもっとよくなるでしょう。集中力を高める「ポモドーロテクニック」という時間管理法も、インターリービングとの相性は抜群です。

アクティブリコールで脳に刺激を与える

脳に刺激を与えるという意味では、アクティブリコールは必須といえます。アクティブリコールとは、学習した情報を積極的に思い出すことで、記憶の定着を促す学習法です。

とはいえ、「テキストを閉じて、今読んだ内容を説明してみる」「インプットした内容を基にノートへ要約を書き出す」など、やることは特別むずかしくありません。

なにか新しいことを学ぶ際に、私たちはどうしてもインプットに時間をかけてしまいがちです。日本の英語学習などは、まさに典型的なインプット偏重教育ですよね。

単語を覚えたり長文を読んだりといった勉強しかしていないため、何年間も勉強しているのに、ほとんどの人が流暢に英語を話せません。

その点、アクティブリコールをうまく取り入れられれば、実践で使える知識としてしっかりと記憶に定着できます。インプットした分、しっかりアウトプットをする。これからの勉強では、ぜひアクティブリコールを意識していただければと思います。

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デュアルコーディングで重要な情報と認識させる

視覚的な情報と言葉を組み合わせる学習法「デュアルコーディング」は、記憶の定着に非常に効果的です。

同じテキストを読むにしても、文字がびっしり書かれたむずかしい専門書より、イラストやグラフがふんだんに使われた入門書の方が断然理解しやすいでしょう。

記憶の定着には、大きくふたつの要素が関係しています。

  1. 反復
  2. 強い刺激

脳は、繰り返しインプットされる情報を重要と判断して、長期的に記憶します。また、強い刺激を伴う情報も、記憶に留まりやすいです。

視覚的な情報で文字情報を補助するデュアルコーディングでは、脳の受ける刺激量が多いので、記憶の定着が促進されます。

視覚的な情報のサポートは、とくに言語機能が完成していない幼児期〜小学生の時期には、非常に効果的です。消防車を言葉で説明するよりも、ハシゴやホースのついた赤い車を見せた方が、圧倒的に理解してもらえますよね。

大人も、新しい情報を学習する際には、ぜひデュアルコーディングを活用してください。まず図解の多い入門書で概要をしっかり理解してから専門書に取り組めば、スムーズに学習が進むはずです。

◆デュアルコーディングについては、コチラの記事でもお読みいただけます

音読は最強の記憶術

音読は、記憶力の強化に、非常に効果的な方法です。声に出して読むことで、情報が視覚と聴覚の両方から脳に入力されるので、記憶の定着がより深くなります。

前述の通り、記憶の定着には、「反復」と「強い刺激」が効果的です。音読は、ただ黙読するよりも、脳へより強い刺激を与えてくれます。

また音読には、読書スピードの向上や語彙力の強化という効果も期待できます。速く読めればその分重要な箇所を何回も確認できるので、長期記憶への移行が楽になるんですね。

さらに、語彙力が増えるとスラスラと音読ができるので、記憶の定着によい影響が生まれます。もちろん、小説や雑誌を音読する必要はありません。でも、実用書や参考書など、知識を得るために読む本の場合は、ぜひ音読を試してみてください。

きっと、記憶の定着度の違いに、驚くはずです。

◆音読のメリットについては、コチラの記事でもお読みいただけます

記憶法を取り入れる

記憶力を改善したいなら、記憶法を取り入れてみるのもよい方法です。場所法のような記憶法を使えば、ただ闇雲に覚えるより、はるかに効率よく記憶できます。

たとえば場所法なら、覚える内容をよく知っている場所と紐づけて、思い出しやすくしていきます。「牛乳→お風呂」「洗剤→廊下」といった感じです。牛乳で溢れそうな浴槽や、洗剤でツルツルしている廊下といった具合に、短いストーリーをつくっていきます。

「えっ、牛乳の風呂はないでしょう……」と思った方、たしかにその通りです。実際には、そのようなことはまず起こりません。でも、記憶法として考えると、内容はどうでもいいのです。逆に、バカバカしいストーリーの方が長期記憶に残りやすいので、好都合といえます。

なお、今回は場所法の説明をしましたが、ほかにも記憶法は数多くあります。

主な記憶法
  • 連想結合法
  • 基礎結合法
  • ペグ法
  • ストーリー法
  • 語呂合わせ

上記の記憶法については、別記事で概要を紹介しているので、ぜひそちらの記事もご確認ください。

◆記憶法については、コチラの記事でもお読みいただけます

マインドマップで思考の流れを明確にする

思考を整理し、記憶の向上をサポートするという意味で、マインドマップは最強のツールといっても過言ではありません。マインドマップは、メインとなるテーマから、関連するサブテーマやキーワードを枝分かれさせていく思考法です。

頭のなかに点在する思考や知識を、キーワードを足がかりにして、すべて書き出していきます。頭のなかにあるときは、思考はただバラバラに存在するだけです。

ところが、マインドマップに起こすと、思考の流れが一目瞭然。重要度や類似性、必要なアクションが本当にクリアになります。しかも、色や簡単なイラストなども組み込めば、より鮮明に記憶へ残りやすくなります。

複雑な情報やアイデアを視覚的に整理し、思考の流れを明確にできるのがマインドマップのメリットです。ぜひ、日々の生活や仕事にマインドマップを取り入れていきましょう。

◆マインドマップについては、コチラの記事でもお読みいただけます

まとめ

海馬は、記憶にとって非常に重要な役割を担っています。記憶力を改善するなら、記憶の司令塔「海馬」を鍛えるのが一番確実です。

今回は、脳トレや食生活の改善といった15個の改善法を紹介しました。まずはどれかひとつだけでいいので、試してみてください。半年、1年と続けるうちに、必ずなんらかの結果が見えてくるはずです。