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トレーニングで認知症の予防は可能か?オススメの予防トレーニング10選

トレーニングで認知症の予防は可能か?オススメの予防トレーニング8選

記事の監修

株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子

大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。

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高齢化が驚異的なスピードで進行する日本に住んでいると、やはり気になるのは、認知症です。認知症が進めば、自分ひとりで日常生活を営むのはむずかしくなってきます。

今回の記事では、認知症リスクを下げる働きのある予防トレーニング例を「身体編」と「頭脳編」に分けて、ご紹介します。認知症のリスクをなるべく抑えるためにも、気になるトレーニングがあればぜひ取り組んでみてください。

認知症予防にトレーニングが必要な理由とは

認知症予防にトレーニングが必要な理由とは

認知症の原因は、病気や生活習慣の乱れ、刺激のない生活など、さまざまな要因が絡み合っているのが一般的です。認知予防トレーニングを紹介する前に、まずは認知症を予防するに当たって押さえておくべき基本的な知識を解説します。

そもそも認知症の予防は可能か?

認知症の発症を完全にストップするという意味でいえば、正直なところ、予防はむずかしいでしょう。しかし、身体と脳を適切に鍛えていけば、認知症の発症時期や進行度合いを遅らせることは十分に可能です。

具体的な改善ポイントについては、次項「WHOのガイドラインを参考にする」でお伝えしますが、基本的に「生活習慣をあらためて、身体と頭の両方をバランスよく鍛える」と考えておけば間違いありません。

今回は、生活習慣の改善について詳しく解説はしないので、別記事をご参照いただければと思います。

◆生活習慣の改善については、コチラの記事でお読みいただけます

WHOのガイドラインを参考にする

じつは認知症予防に対して、WHO(世界保健機関)が、「認知機能低下および認知症

のリスク低減」というガイドライン※を発行しています。このガイドラインでは、12の予防アプローチが提唱されており、認知症予防を考える人にとって非常に参考になるはずです。

具体的な予防アプローチは、以下の12点となります。

  1. 身体活動
  2. 禁煙
  3. 栄養バランスの取れた食事
  4. アルコールの制限
  5. 認知トレーニング
  6. 社会活動
  7. 体重管理
  8. 高血圧の管理
  9. 糖尿病の管理
  10. 脂質異常症の管理
  11. うつ病対策
  12. 難聴の管理

該当する項目がある人は、ぜひ積極的に該当項目の改善に取り組みましょう。ただし、アルコール依存や高血圧、うつ病といった医療の知識が必要な分野については、必ず専門的知識のある人と相談しながら慎重に進めてください。

当記事では、身体活動と認知トレーニングについて、具体的なオススメの方法を紹介していきます。

※参考:WHOガイドライン「認知機能低下および認知症のリスク低減」

身体と頭の両方をバランスよく鍛える

認知症予防には、頭(脳)だけでなく、身体のトレーニングも重要です。よく「運動は認知症と関係ないのでは?」と思っている人がいます。しかし、運動をすれば心肺機能が鍛えられ、全身の血流がよくなりますよね。

そうなると、当然脳の血流もよくなり、脳へ大量の酸素と栄養が届けられます。頭脳系のトレーニングで脳機能の働きを鍛えるのも重要ですが、まずは脳そのものを元気にしてあげることが大切なのです。

のちほど、身体トレーニングとしてウォーキングや水泳などを紹介しますが、運動の種類よりも強度がポイントになります。心拍機能と血流改善が主な目的なので、軽く息が弾むくらいの軽めの強度がよいでしょう。

クロスワードパズルや間違い探しといった頭脳系トレーニングは、少し頑張らないと答えがわからないというレベルがもっとも効果を発揮します。

トレーニングの適切な強度に関しては、別記事でも解説しているので、よかったらそちらも読んでみてください。

◆脳トレの適切な難易度については、コチラの記事でもお読みいただけます

効果的な認知症予防トレーニング【身体編】

効果的な認知症予防トレーニング【身体編】

定期的な身体トレーニングは、高血圧や糖尿病といった認知症を引き起こす恐れのある病気を遠ざけてくれます。今回は、5つのトレーニングを紹介しますが、もしほかに興味のある運動があればそちらに取り組んでいただいてもまったく問題ありません。

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軽めのウォーキング

軽めのウォーキングは、認知症予防におけるもっとも手軽で効果的な方法のひとつです。日々の軽いウォーキングは心血管系の働きを向上させてくれるし、なにより適度な筋肉がつき、少しくらい激しい作業をしても疲れにくくなります。

ER of Texas(テキサス救急外来病院)のサイト※では、30分軽めのウォーキングをおこなった際のメリットを8つ紹介しています。

  1. 認知機能の向上
  2. 認知機能低下リスクの軽減
  3. 創造性の向上
  4. メンタルの向上
  5. 集中力の強化
  6. ストレス解消
  7. 良質な睡眠
  8. 脳細胞の結合性の強化

このリストを見れば、ウォーキングが単なる運動ではなく、認知機能やメンタルも同時に鍛えてくれる非常に効率のよいトレーニングであることが一目瞭然です。

ヨガや水泳より取り組むまでのハードルが低いので、はじめてトレーニングをする人にはまずウォーキングをオススメします。

※参考:8 Ways Walking Can Boost Your Brain Health.

ヨガ

普段私は、メンタルケアの方法として、よくマインドフルネス瞑想を勧めています。自分の心とじっくり向き合える点と合わせて、座ってできるので取り組むハードルが低いと感じるからです。

一方ヨガは、体の固さを理由に、敬遠する人も少なくありません。たしかに雑誌や動画で見る柔らかい身体の動きを見たら、怖気づいてしまうのも当然でしょう。でも安心してください。身体の動きは、あくまでもヨガの一面でしかありません。

それよりも、身体の動きと呼吸や瞑想を通して、安らかな精神状態を作り出すのがヨガ本来の目的になります。だから、教科書通りのポーズができなくても、まったく問題ありません。

慣れれば、心の安定と同時に柔軟性や体力も鍛えられるヨガは、非常に効率的です。幸い、日本におけるヨガの知名度は高く、地方でも講座がたくさん開催されています。近場でヨガのレッスンが受けられるかどうか、いちど調べてみてはいかがでしょうか。

◆ヨガのメリットについては、コチラの記事でもお読みいただけます

水泳

水泳は、認知症予防においても大きな効果が期待できる運動のひとつです。泳ぎ方によって鍛えられる部位は少しずつ異なりますが、基本的に全身運動なので、どの泳ぎ方を選んでも心肺機能が格段に向上します。

全身の血流も改善するため、肩こりや腰痛なども軽減するし、ストレス軽減・睡眠の質の向上・ダイエット効果も期待できます。

また、水泳はバランス感覚を養い、認知症を招く「転倒→寝たきり→認知機能低下」という負のスパイラルの予防にも効果的です。

さらに、水中での活動は、関節への負担が少ないのも嬉しいポイントです。体重が重くてウォーキングでは膝に負担がかかってしまう人でも、水泳なら無理なく運動ができます。

ガーデニング

ガーデニングと聞くと、女性の愛好者が多いお手軽な趣味というイメージがあるかもしれません。でも欧米では、認知症患者に対するひとつの治療法として、ガーデニングを取り入れている専門家が数多く存在します。

たとえば、オーストラリアやイギリスの医師によって運営されている認知症のコンサルティングサイト「Forward with Dementia※」では、以下のようなガーデニングの効果を紹介しています。

ガーデニングの主な効果
  • 焦燥感の軽減
  • 注意力、記憶力、認知力の向上
  • 新しいスキルの獲得や失われたスキルの回復
  • 自然やアウトドアに対する刺激や興味の増加
  • 責任感や達成感の向上
  • 自尊心や幸福感の向上

そのほかにも、ガーデニングは高齢者にとってよい運動になるとも書かれています。たしかに、ガーデニングでは、歩く・手を伸ばす・曲げる・引っ張る・掘る・切るといったさまざまな動きが必要です。

さらに太陽光を浴びる時間が増えるため、セロトニンの分泌が促進されて、体内時計が正しいサイクルにリセットされるというメリットもあります。

なにより、自分の手で育てた植物が元気に育つ姿を見るのは、とても嬉しいものです。もし、ご自宅にガーデニングのできるスペースがあれば、ぜひ取り組んでみてください。

※参考: Gardening and people living with dementia

コグニサイズ

コグニサイズ※は、「コグニション(認知機能)」と「エクササイズ(運動)」を組み合わせた、新しいタイプのトレーニングです。

考案したのは国立長寿医療研究センターという国の機関であり、認知機能低下の予防を目的につくられているトレーニングなので、信頼性は非常に高いといえるでしょう。

具体的には、踏み台昇降やステップなどをしながら、しりとりや計算問題などを解いていきます。運動の種類や認知トレーニングの内容は、好みのものを選んでいただいて構いません。

ただし、以下3つのポイントはできるだけ守るように意識してください。

  1. 毎日おこなう
  2. 10分以上続けられる適切な強度でおこなう
  3. 複数のトレーニングを組み合わせる

もしかすると、最初から10分続けるのはむずかしいかもしれません。でも、10分間を目安にしておけば、慣れとともに必ずできるようになります。もちろん、運動をともなうトレーニングなので、無理は絶対に禁物です。

コグニサイズ継続のポイントに関しては、以下の資料にわかりやすくまとめられているので、ぜひ参考にしてください。

※参考:今日からはじめよう! 認知症予防はカラダづくりから

効果的な認知症予防トレーニング【頭脳編】

効果的な認知症予防トレーニング【頭脳編】

今度は身体ではなく、主に頭脳を鍛えるタイプのトレーニングを5つ紹介します。同じ頭脳を鍛えるトレーニングでも、負荷のかかる認知機能は少しずつ異なります。今回紹介するトレーニング以外にも脳トレは数多くあるので、興味のある方は以下のサイトでご確認ください。

◆認知機能別オススメ脳トレについては、コチラの記事でお読みいただけます

クロスワードパズル

脳トレと聞けば、クロスワードパズルをイメージする人も多いのではないでしょうか。クロスワードパズルとは、該当するヒントから答えを導き出して、タテ・ヨコのマス目を埋めていくクイズです。

ヒントから答えを導き出すには、過去の記憶を遡って記憶の扉を開けまくる必要があります。いくら考えても、知らない言葉は出てきませんからね。「うーん、あれなんだっけ……」と頭を使う過程で、長期記憶力が思い切り鍛えられます。

もし答えがわからなくても、まったく問題ありません。「うわー、全然わからなかった。くやしいなあ……」という気持ちがある分、新しく覚えた言葉は鮮明に記憶へ残ります。

この流れが、記憶力のみならず、集中力や言語能力といった認知機能をしっかりと鍛えてくれるのです。

◆クロスワードパズルについては、コチラの記事でもお読みいただけます

間違い探し

間違い探しゲームは、視覚的知覚・記憶力・注意力などが鍛えられる、認知症の予防に最適なトレーニングのひとつです。ご存知のように、間違い探しゲームは、ふたつのよく似た画像の中から、微妙な違いを見つけ出さなければなりません。

通常3〜10個ほどの間違いがちりばめられていて、そのうちの2〜3個はじっくりと見てもすぐには気づかない高難易度の間違いが織り込まれています。

こういった難易度の高い間違い探しゲームを何回もやっていると、徐々に直感力が高まってきます。画像を見比べて、なんとなく違和感をおぼえる。このひらめきが、あなたのリスク回避能力を磨き、実生活においても大いに役立ってくれるはずです。

また、目を皿のようにして違いを見つけようとすれば、自然と集中力が高まってきます。違いを見つけるには、片方の画像を基準として覚えておかなければならないので、記憶力も向上するでしょう。

このように、間違い探しには、認知機能改善のメリットが盛り沢山です。間違い探しのアプリは数多くリリースされているので、題材探しにも事欠きません。なにより、やっていて楽しいので、まずはどれかお好みのアプリをダウンロードしてみてはいかがでしょうか。

◆間違い探しについては、コチラの記事でもお読みいただけます

将棋

将棋は、戦略的思考と記憶力が要求される日本の伝統的なボードゲームであり、認知症予防に有効な方法として注目されています。

当たり前ですが、将棋には対戦相手が必要です。プレイヤーは常に相手の動きを考えながら、何手も先まで予測して打つ手を考えなければなりません。相手の打ち方は何通りもあるので、どの方法がきても対応できるように、対応策を縦横無尽に張り巡らせます。

こういった思考の広がりが、脳の前頭葉を刺激し、問題解決能力や計画能力を向上させてくれるんですね。

さらに、将棋がうまくなりたかったら、うまい人の手筋(過去の研究からまとめられた有効な指し方)をある程度覚えておく必要があります。手筋を知っているほど勝率がアップするので、一生懸命手筋のストックを増やすうちに、自然と記憶力も向上するでしょう。

最近では、必ずしも実際に対局する必要はなく、アプリを使えば自宅でひとりで気軽に楽しめるのも嬉しいポイントです。

◆将棋については、コチラの記事でもお読みいただけます

料理

料理は、認知症予防にとても効果的です。もし私がなにか認知症予防のトレーニングを選ぶとしたら、料理を選ぶでしょう。

なんといっても、料理はマルチタスクの連続です。レシピの選定から食材の準備、調理法の実行に至るまで、「計画立案」「問題解決」「手順の記憶」といった多岐にわたる認知スキルが求められます。

また、料理は五感をフル活用します。普段の生活で、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚を同時に使う機会があるでしょうか。私の知る限り、五感を同時にフル稼働させる作業は、料理しかありません。

それに、なんといっても、美味しいものを食べるのは楽しいですよね。さらに大好きな家族や友人と一緒に食事を囲む機会があれば、セロトニンやオキシトシンといった幸せホルモンが分泌され、脳が活性化します。

◆料理については、コチラの記事でもお読みいただけます

新しい言語の学習

認知症予防のトレーニングとして、新しい言語の学習は非常にオススメできます。第二言語を学ぼうと思えば、まずは最低限度の単語や文法を覚えなければなりません。

普段使わない言葉を覚えるわけですから、ある程度知識が身につくまでは、正直なかなか大変だと思います。でも、その負荷があるからこそ、刺激を受けた脳の柔軟性が養われていくのです。

また、言語を学ぶ過程で新しい文化に触れる機会が増えるのも、言語を学ぶ大きな魅力となっています。日本在住の外国人はたくさんいますが、普通に生活していたらなかなか触れ合うチャンスは少ないものです。

言葉がまったく理解できなければ、語学スクールや交流イベントといった交流の場に出向こうとは思えないでしょう。しかしながら、語学を学んでいれば、こういったイベントに参加しようという意識が働きます。

もちろん、今はインターネットを通して世界中が繋がっているので、外国の映画を観たり、オンライン講座を受けたりと、自宅にいながら異文化の体験が可能です。

あまりむずかしく考えず、新しい言語の学習を日常の一部に取り入れて、楽しみながら認知症予防に取り組んでみてください。

◆社会人が英語を学ぶメリットについては、コチラの記事でお読みいただけます

認知症予防トレーニングを継続していくためのポイント

認知症予防トレーニングを継続していくためのポイント

今回「身体編」と「頭脳編」を合わせて、10個のトレーニングを紹介しました。どれも非常に効果的なトレーニングばかりですが、問題はそのトレーニングを継続できるかどうかです。最低でも半年から1年間トレーニングを継続するために、継続のポイントを4つ解説します。

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無理のない範囲でおこなう

認知症予防のトレーニングは、「無理のない範囲で続ければよし」という意識が大切です。最初からハードルを高く設定すると、途中で辛くなってしまい、挫折の可能性が高くなります。

たとえば、ウォーキングをはじめるなら、いきなり毎日1時間を目標に設定するのは、正直無謀です。これまで歩く習慣がない人は、まず10分程度の軽い散歩からスタートしてください。ウォーキングに慣れてくれば、20分、30分と歩く時間は自然と伸びていきますので。

これは、身体系だけでなく、頭脳系のトレーニングでも変わりません。楽しみながらトレーニングしているうちに、気づいたらなんとなく頭の回転がよくなった気がするという感じがベストです。

なお、飽きによる挫折を防ぐためにも、身体を動かすトレーニングと頭を使うパズルやゲームをバランスよく取り入れてください。今日はウォーキング、明日はクロスワード、といった具合に、身体系と頭脳系を交互におこなうのも効果的です。

仲間と一緒に取り組む

仲間と一緒に取り組むと、トレーニング継続の確率は大幅にアップします。ひとりの場合、仕事で疲れたり、友達から遊びに誘われたりすると、どうしてもトレーニングが後回しになってしまいがちです。

その点、誰かと一緒なら、「あの人もいるし私も頑張らないと……」と挫折の抑止力が働きます。ひとりで黙々とこなすより、友人や知人とおしゃべりしながら楽しく取り組む方が、モチベーションを維持できて当然でしょう。

多くの多忙な社会人は、なかなか誰かと一緒に活動する機会がありません。だから、こういったトレーニングは、普段会えない人とコミュニケーションをもてる絶好のチャンスなのです。

友人や家族といっしょに、散歩をするのもいいでしょう。将棋やバトルゲームで一戦交えるのも、楽しそうですね。

また、地域の将棋クラブなどに参加して、新しい仲間と交流を深めるのも、脳によい刺激を与えてくれます。高齢者であれば、孤独感の解消にも繋がりますので、ぜひこういったトレーニングの場を上手に活用してください。

進捗を記録する

なにか認知症予防のトレーニングをはじめたら、できるだけ記録に残しておくことをオススメします。なぜならば、進捗状況を確認できるようにしておくと、途中で自分の成長を確認できるからです。

自分がうまくできているのか・どのくらい実力がついたのかわからないと、どうしてもやる気を失ってしまうもの。しかし、記録をつけておけば、自分の伸び具合が一発で確認できます。

たとえば、ウォーキングなら、毎回歩く時間と距離を記録しておきましょう。「そんなの面倒くさくてできないよ」という方も大丈夫です。今は、そういった記録を自動で記録してくれるアプリが、数多くリリースされています。

もしこういったアプリのないトレーニングをする場合は、メモ帳にサッと走り書きしておけばよいでしょう。日付さえ入っていれば、乱雑な手書きメモでも、モチベーション維持の役割を十分に果たしてくれます。

「寿司打(すしだ)」というタイピングトレーニングのように、ランキングが表示されるゲームもいいですね。自分の現在地が明確なので、頑張って上にいこうという気持ちが生まれ、トレーニングの効率が劇的にアップします。

専門家のアドバイスを受ける

「物忘れが増えた」「計算をよく間違える」といった具体的な症状が気になるときは、まず医療関係者に状態を診断してもらうべきです。診断の結果、認知症予防が必要となれば、より専門的なプログラムを提示してもらえます。

医学的に問題がないからといって、専門家のアドバイスが必要ないわけではありません。なにか新しいトレーニングに取り組む際には、できるだけ指導者のレクチャーを受ける方が効率よくスキルを学べます。

たとえば、楽器演奏や語学を学ぼうと思ったら、スクールに通うのも悪くない方法です。もちろん、自分で考えながら取り組む姿勢も大切でしょう。

しかし、専門家を上手に活用すれば、自己流のトレーニングでは気づかないポイントや改善点をしっかりと指導してもらえます。指導により早く自分のレベルが上がれば、トレーニングが楽しくなり、その結果長くトレーニングを続けられるわけです。

同好の仲間が見つかるというメリットもあるし、自分に合う学びの場がないか、ぜひいちど調べてみてください。

認知症予防に役立つ毎日の習慣

認知症予防に役立つ毎日の習慣

いくらトレーニングをしても、生活習慣が乱れていたら、思ったような効果は期待できません。そこで最後に、認知症予防に役立つ毎日の習慣を6つ紹介していきます。

バランスの取れた食事を心がける

認知症の予防には、バランスの取れた食事が欠かせません。今回はさまざまな媒体で、最高の食事法としてランクインしている「地中海食」をご紹介します。

地中海食とは、文字通りイタリアやスペインなど、地中海に面した国でよく食される料理スタイルの総称です。主な特徴としては、以下のような点が挙げられます。

地中海食の主な特徴
  • 野菜・果物・全粒粉の穀物・オリーブオイル・ナッツ類を毎日食べる
  • 魚介類は最低週に2回は食べる
  • 肉類は鶏肉をメインとし、赤身肉は月数回に抑える
  • 食事と一緒に適度な赤ワインはOK

なかでも注目すべきは、やはりオリーブオイルでしょう。アメリカのテンプル大学では、「エクストラバージンオリーブオイルの接種により、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβ斑と神経細胞のもつれが減少した」というデータ※を発表しています。

ヘルシーの代名詞とでもいうべき日本食は、じつは案外塩分や糖質が多く、摂取量に気をつけないと体調を崩す要因になりかねません。とはいえ、いきなりすべての食事を地中海食に切り替えるのは現実的ではないでしょう。

まずは、「サラダ油をオリーブオイルに変えてみる」「肉よりも魚を多くする」といったように、日本食にうまく地中海食のエッセンスを取り入れてみるのをオススメします。

※参考: Extra-Virgin Olive Oil Preserves Memory and Protects Brain Against Alzheimer’s Disease, New Research at Temple Shows

◆脳によいブレインフードについては、コチラの記事でお読みいただけます

十分な睡眠を確保する

睡眠不足が続くと、脳の働きが悪くなり、記憶力や集中力が低下してしまいます。さらに、長期間の睡眠不足は、認知症のリスクを高めることもわかっています。

ゲームや動画など、つい夜ふかししてしまいがちですが、少なくても7時間以上、できれば8時間程度の睡眠を確保したいところです。

ところが、日本人は世界でも睡眠時間が短いことで知られています。たとえば、OECDの調査※(2021年)では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、加盟33カ国のなかで最も短かったという結果が発表されました。

良質な睡眠を習慣化するには、まず、規則正しい生活リズムをつくるのがポイントです。毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きれば、体内時計が整い、7〜8時間で自然と目が覚めるようになってきます。

また、寝る直前のスマートフォンは、できるだけ避けてください。スマートフォンの強いブルーライトにより、「今は昼だから起きていなくちゃ」と脳が誤った判断を下してしまいます。

睡眠2時間前くらいになったら、照明を少し落として、スマートフォンの代わりに好きな本をゆっくりと読みましょう。それだけでも、あなたの睡眠の質はグンとアップします。

※参考: コラム1 (図5)睡眠時間の国際比較 | 男女共同参画局

◆食事・運動・睡眠の脳への効果については、コチラの記事でお読みいただけます

ストレスをうまく管理する

ストレスの適切な管理は、認知症予防を考えるうえで非常に重要なポイントです。長期的にストレスを受けると、ストレスホルモン「コルチゾール」が大量に分泌されます。

記憶の中枢「海馬」は非常にストレスに弱い器官なので、コルチゾールによってダメージを受けると、認知症になるリスクが著しく増大します。

ストレス対策としてまず試してもらいたいのが、アメリカ海軍でも採用されている呼吸法「ボックスブリージング」です。やることは非常にシンプルで、4秒間ずつ吸って止めて吐くのを繰り返すだけ。実戦の場で使われているだけあって、その効果は驚くほど即効性があります。

時間のある人は、瞑想に取り組むのもよい方法です。静かに自分と向き合う時間があると、普段思いつかないような考えが生まれることも少なくありません。

オススメのマインドフルネス瞑想については、別記事で詳しく紹介しています。ぜひ、そちらの記事にも目を通してみてください。

◆マインドフルネス瞑想の効能については、コチラの記事でお読みいただけます

趣味や興味を持ち続ける

新しいことに興味を持ち続ける意識は、認知症予防においてとても大切です。私たちの生活は、思っている以上に同じようなことを繰り返しています。

仕事や勉強、家事などにおいて、作業のルーチン化は効率性を高めてくれるでしょう。とくにビジネスの世界では、効率化が徹底的に要求されます。

しかし、楽にこなせるというのは、「頭を使わない」と同義語です。考えなくてもできてしまうことしかやらなければ、脳はどんどん退化してしまいます。だから、常に新しい刺激を脳に与えてあげなければいけないのです。

とはいえ、いきなりビジネスで新しい取り組みをしようと思うと、失敗した場合のダメージも大きくなってしまいます。まずは、趣味の世界で新しいことをはじめてみるのが、現実的でしょう。

英語・楽器・絵画・スポーツ、ジャンルはなんでも構いません。新しい取り組みによって、脳に刺激を与えるのが目的ですので。少しでも興味があるなら、思い切っていろいろとチャレンジしてみてください。

余計なものを部屋に置かない

注意力や集中力といった重要な認知機能の低下を予防したいなら、身の回りの整理整頓を心がけてください。もしかすると、「乱雑な部屋とそういった認知機能に、なにか関係があるの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

じつは、私たちが考えている以上に、身の回りの環境が思考に与える影響は大きいのです。たとえば、机の周りに読んでいない本が積み上げられているとしましょう。そういった本が視界に入るたび、私たちは「あー、早く本読まなきゃ……」と考えてしまいます。

1回1回はほんの数秒でも、1日に何十回・何百回と思い浮かべたら、その思考は脳にとって大きな負担です。もし、本が置かれていなければ、余計な思考に集中力を邪魔されることもありません。

今、徹底的に余計なものを排除するミニマリストが流行っているのも、多すぎるものによる思考の妨げの弊害を理解している人が増えてきたからです。(もちろん、ほかにも理由はありますが)

脳本来のパフォーマンスをきっちりと発揮できるように、思考を邪魔する余計な障害はできるだけ取り除いておきたいところです。まずは、整理整頓と、必要ないものの断捨離からはじめてみてはいかがでしょうか。

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自然のなかで過ごす時間を増やす

ストレスは、認知症の大きな要因のひとつです。先ほどストレス管理の方法として、呼吸法と瞑想を紹介しましたが、ぜひもうひとつ習慣化していただきたいオススメの方法があります。それは、自然のなかで過ごす時間を増やすという方法です。

自然には、私たちのメンタルを癒してくれる働きがあります。木がたくさん生えている大きな公園にいくと、なんだか心が落ち着きませんか。これは、樹木が放出するフィトンチッド(揮発性物質)が、関係しています。

フィトンチッドには、静止安定効果や抗酸化効果があるので、ただ森のなかで座っているだけでも、脳の働きが安定します。毎日は無理だとしても、できれば週に1〜2回、1回30分程度は自然のなかに出かけていきたいですね。

パソコンやスマートフォンの待ち受けを山や海の画像にするだけでも、癒し効果があるといわれています。忙しい人は、まず待ち受け画面をそういった画像に変更するところからはじめてみてください。

◆自然の癒し効果については、コチラの記事でもお読みいただけます

まとめ

今回の記事では、認知症リスクを下げる働きのある予防トレーニングを「身体編」と「頭脳編」に分けて、ご紹介しました。

もちろん、10個のトレーニングすべてに取り組む必要はありません。どのトレーニングを選んでも構いませんが、できれば身体編と頭脳編からひとつずつ取り組むと、予防効果は高まります。