記事の監修
株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子
大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。
終身雇用が崩壊した現在の日本で年収を上げるには、自分の市場価値を高めていくしか方法はありません。しかし、具体的にどうやって市場価値を上げていけばいいのか、悩んでいるかたも多いはずです。
そこで当記事では、年収を上げるために必要なスキルを「社内での昇進」と「転職」にわけて、紹介していきます。
社内での評価を高めていくのもよし、よりよい条件での転職を選ぶのもまたひとつの考え方です。今回の記事はどちらの人にも役立つ構成になっていますので、年収アップを狙っている人は、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
年収を上げるならあなたはどちらを選ぶ「社内で昇進」「転職」
ひと言で年収を上げるといっても、「社内で昇進」「転職」どちらを狙うかで、身につけるべきスキルは変わってきます。なので、取得するスキルを選ぶ前に、まずは将来の方向性を明確にしましょう。
今の会社に勤めながら年収を上げるなら、なんとかして昇進するしか方法はありません。年功序列が崩壊したといっても、まだまだ日本は年齢と役職がリンクしている世界です。
厚生労働省のデータ※をみると、現在課長として働いている人が、部長クラスに昇進できれば、年収で約210万円もアップします。ただ、高齢化が進み役職に空きがない現状を考えると、部長クラスに昇進できるのは、ひと握りの人だけでしょう。(会社によって差はありますが)
また、50歳を超える頃から役職定年が実施される企業も多く、社内での年収アップにはどうしても限界があります。
そうなると、残るは転職です。条件のいい会社にうまく転職できれば、年収の大幅アップが期待できます。ただし、通常転職をすると、今よりも条件は下がるケースがほとんどです。好条件での転職は、よほど突出したスキルや実績がない限り、成立しないと思ったほうがいいでしょう。
このように、どちらの道にも、メリットとデメリットがあります。自分の適性を考えて、将来の方向性をじっくりと検討してみてください。次の章では、年収を上げるために必要なスキルを、「昇進」と「転職」にわけて紹介していきます。
◆年収をアップするには速読がおすすめ!右脳速読トレーニングについて知りたい方は、こちらの記事もどうぞ
社内での評価を上げるための必須スキルTOP3
前述のとおり、社内で年収をアップさせるには、昇進を狙うのが基本です。昇進のためには、会社の上司からよい評価を受ける必要があります。ここでは、社内での評価を上げるために有効なスキルを3点紹介していきます。
- ポータブルスキル
- 人脈構築
- マネジメントスキル
なお、年収が高い仕事に就けるオススメの資格については、以下の記事にまとめてあります。こちらも、ぜひ参考にしてください。
ポータブルスキル
※参考:ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)
ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても持ち運びができる、いわば仕事をするうえで必要なスキルの総称になります。社内で評価されるには、まず揺るぎない「ポータブルスキル」を身につけるのが先決です。
年収アップを狙うレベルの人材なら、専門知識や専門技術といった専門スキルをもっているのは、もはや当たり前。それよりも、専門スキル以外の「仕事のしかた」や「人との関わりかた」のほうが、企業では重視されるものです。
もし自分のポータブルスキルに不安があるならば、厚生労働省のサイト※から閲覧できるテキストや動画で、勉強してみてはいかがでしょうか。
また、どこにでも持ち運びができるというのは、転職にも有効という意味でもあります。社内・転職問わず、ぜひ最優先で学ぶようにしてください。
人脈構築
人脈の構築は、あなたの市場価値を決める大事な要素のひとつです。一般的に人脈といえば、仕事関係、いわゆる社外での人脈を指すことが多いように思います。
実際のところ、将来転職や起業をする際に直接力になってくれるのは、圧倒的に社外で培った人間関係です。転職の際も、業界における人脈の広さが大きく評価されます。
とはいえ、企業内で働く限りは、社内人脈も決しておろそかにはできません。日頃から同僚を気遣い、円滑に仕事が進むように丁寧なサポートを心がけてください。そうすれば、あなた自身も周囲から力を貸してもらえ、仕事で結果を出しやすくなります。
また社内での評判を上げておけば、たとえ職場を離れたとしても、多くの人があなたの味方になってくれるでしょう。少なくとも、敵になって、足を引っ張るようなことはないはずです。
いずれにしても、人脈を構築するには、まず相手の役に立つ意識が必要です。リターンはあとから返ってくるものと考え、まずはいろいろな場所に顔を出し、信頼される「GIVER(与える人)」を目指していきましょう。
マネジメントスキル
前述のとおり、社内で年収を上げるなら、昇進が不可欠です。そのためには、部下やプロジェクトチームを有効に機能させる「マネジメントスキル」を身につけなくてはなりません。
自分一人で実績を出す力とチームを勝たせる能力は、まったく異質のものです。そこに気づかない限り、社内での年収アップは厳しいと考えてください。
よほど高額なコミッション制度でもあれば別ですが、ひとりで得られる利益には限界があります。だから、他人をうまくマネジメントして会社に大きな利益をもたらす人には、それだけ大きな年収が支払われるのです。
社内での評価を高めるには、マネジメントスキルを鍛えて、できるだけ高いポジションを狙っていくのがもっとも確実な方法といえます。
人生100年時代は転職がマスト。オススメ転職向けスキルTOP3
ここまで、社内で必須のスキルについて解説してきました。しかし、70歳以降の労働が当たり前になる人生100年時代においては、いずれ転職(起業)を視野に入れる時期が必ずきます。
そのときにいきなり準備しても、到底間に合いません。転職を意識しているかたは、ぜひ今のうちから3つのスキルを学んでおきましょう。
- 専門スキル
- ITスキル
- 語学力
上記は、転職・起業どちらにも必須のスキルばかりです。3つすべてをマスターするつもりで、取り組んでみてください。
専門スキル
転職を考えているとすれば、まず問われるのが専門スキルです。景気がよい時代であれば、経験の浅い人でも転職の可能性はもう少し高かったでしょう。ところが、現在は企業自体に、経験不足な人を教育するだけの余裕がありません。
一方で即戦力となる専門スキルがあれば、年齢や性別関係なく、条件のよい転職が期待できます。人材不足に悩む中小企業やベンチャー企業を候補に入れれば、転職の可能性は大きくアップするでしょう。
また業種ではなく、経理・人事・営業といった、職種からスキルを掘り下げるのもよい考えだと思います。業界自体の知識がなくても、経理や営業に精通していれば、必要としてくれる企業は比較的簡単にみつかるはずです。
いずれにせよ、専門スキルは転職の絶対条件になります。自分の専門分野をできるだけ早く決めて、しっかりと準備をしておいてください。
ITスキル
現時点で自分のスキルに不安がある人は、ぜひITスキルの習得を検討してみてください。ひと言でITスキルといっても、以下のようにさまざまなスキルが考えられます。
- プログラミング
- Webマーケティング
- PCの知識
- インターネットの知識
- ネットワーク/データベース
IT業界で働くのでもない限り、ネットワークの構築や運用といったエンジニア系のスキルは、さすがに必要ないでしょう。しかし、PCの操作やWebマーケティング、簡単なコーディング程度は身につけておいて決して損はありません。
なかでも、Webマーケティングの知識は、これからのビジネスに不可欠です。コロナ騒動をきっかけに、対面販売からオウンドメディアでの販売へ、完全に流れが変わりました。
なので、ネットビジネスで必要なマーケティング・集客・広告・コンプライアンスなどに精通していれば、さまざまな業界から引く手あまただと思いますよ。
語学力
転職に有利なスキルとして、個人的に「語学力」を強くオススメします。中国語やヒンディー語なども狙い目ですが、やはりビジネスの場では英語での商談が主流です。
英語力があると、外資系企業への転職も視野に入ってきます。ご存知のように、一般的に外資系企業は、徹底した成果主義です。結果さえ出せれば、日本の企業では考えられないような待遇も期待できます。(その代わり、結果が出なければすぐに解雇という厳しい世界です)
また、グローバル化を目指す日本の企業も、英語のできる人材を求めています。というか、もはや英語ができない人材は、よい企業への転職はできないと考えておくべきです。それくらい、今の日本企業は、海外とのやり取りが必須になっています。
なお、これまで英語力といえば、スピーキングよりも読み書きの能力が重視されてきました。しかしこれからは、オンライン面談でのスピーキング能力が、よりいっそう問われるようになるでしょう。
少なくとも自分の専門分野については、英語で自由にやり取りできるレベルに、なっておきたいですね。
◆社会人の英語学習法についてはコチラの記事もどうぞ
ライバルに差をつけるには!差別化に最適な5つのスキル
ここまで社内・転職、それぞれ必要なスキルを紹介してきました。ただ、ライバルと差別化を図るには、現在(もしくは近い将来)注目されている「旬のスキル」にも、貪欲にアンテナを張っておかなければなりません。
そこで最後に、差別化に最適な5つのオススメスキルを紹介していきます。
- Webデザイン
- 動画関連
- プログラミング
- AI活用
- 健康・体力
それでは、ひとつずつ解説します。
Webデザイン
Webデザイナーは、依頼された個人や企業のWebサイトを作成するのが主な仕事になります。
コロナウイルスをきっかけに通販やECサイトでの売買が増えると、これまであまりWeb展開に積極的でなかった企業も、こぞってネット販売に乗り出しました。そのため、Webデザイナーの需要は、これからもますます増加すると考えられます。
ただし現在では、個人でも手軽に作成できる、良質なWebサイト作成サービスも普及しつつあります。そのため、集客や売上につながるサイトの設計ができないと、受注競争に勝つのはなかなかむずかしいでしょう。
また、残念ながら競合が多い分野なので、Webデザイン単体スキルだと年収はそれほど伸びません。Webデザインで年収を上げるなら、プログラミングや動画編集といった関連スキルも積極的に学ぶ向上心が必要です。
動画関連
動画編集や動画作成など、動画関連のスキルも、身につけておいて損はありません。一昔前は、情報発信といえばブログでした。しかし最近ではスマホで情報をみる人が増え、長文の情報はとにかく嫌われがちです。
YouTubeの台頭もあり、今や動画によるプロモーション抜きにビジネスは成り立たないといっても、決して大げさではありません。
もちろん、TwitterやInstagramといったSNSでも、動画ニーズは高いです。さらに通常の動画作成だけでなく、これからはVR・MR(仮想世界)のクリエイター需要もどんどん増えてくるでしょう。
また、最近ではTikTokやYouTubeショートのような、60秒程度のショートムービー需要も激増しています。商品やサービスの魅力を短時間にうまくまとめられる「ディレクタースキル」があれば、確実に年収アップが見込めるはずです。
クリエーター業務に興味のあるかたなら、動画関連は狙い目ですよ。
プログラミング
前述のとおり、これからますますWeb上でのビジネスが盛んになっていきます。そうなれば、当然Webサービスを実際につくっていくプログラマーの需要も激増していくでしょう。
しかも、市場規模に対して優秀なプログラマーは少なく、圧倒的な人材不足が慢性的に続いている状況です。そういった状況をみる限り、市場で求められるスキルをしっかりと身につけておけば、今後も仕事に困ることはまずないと考えられます。
ただしWebサービスなのかアプリなのか、ひと言でプログラマーといっても、ジャンルによって必要な言語やスキルは大きく異なります。自分の適性と方向性を明確にしておかないと、大きく遠回りをしてしまうかもしれません。
また、いつまでもプログラミング作業にだけ従事していると、年収のアップは正直かなり大変です。プログラミングの実装だけなら、企業はどうしても、報酬額を抑えるために若い人材を優先しますので。そうなると、加齢とともに安定した収入を確保するのが、むずかしくなってきます。
それよりは、プロジェクト全体を統括するディレクターや、工程を一式で請け負うフリーランスなどを視野に入れて、早い段階から準備をしておくべきです。
AI活用
最近、社会生活を根底から変えてしまう技術として、「AI(人工知能)」が話題になっていますよね。現時点ではまだまだ不透明な部分も多いのですが、AIエンジニアのようにAIで商品やサービスをつくりだす側になれれば、今後年収が大幅にアップするかもしれません。
おそらく現存する仕事の多くは、AIの発達とともにどんどんAIに奪われていくはずです。マッキンゼージャパンの報告書※をみると、2030年までに既存事業の27%が自動化され、約1,600万人分の雇用がAIに代替されると予測されています。
もちろん、AIによる単純作業の効率化によって、これまでとは違った分野の仕事が新たに生まれてくるでしょう。AIエンジニアも、そのひとつです。
AIに仕事を奪われる前に、AI活用のスキルを身につける。まだ競合の少ない今なら、年収を上げるスキルとして、非常に有望だと思います。
※参考:The future of work in Japan
健康・体力
最後にお伝えしたいのが、「健康と体力維持」の重要性です。よく50歳をすぎると脳の働きが衰えるといいますが、現在ではまったくの誤解であることがわかっています。東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏によると、脳は何歳からでも成長できるそうです。
それよりも、暴飲暴食や運動不足による、肉体の衰えのほうが問題でしょう。
前述のとおり、60歳や70歳になっても、思考力や判断力に大きな衰えはありません。その代わり肉体の衰えによって、多くのデキるビジネスパーソンが、ビジネスにもっとも重要な「行動力」を失っていきます。
これからは、人生100年時代がスタンダードです。今後は、70代・80代でもバリバリ働くのが当たり前になってくるでしょう。そうなると、ヘタな知識やスキルよりも、「いかに健康で体力があるか」が重要になってきます。
70歳をすぎてもバリバリ働けるように、バランスのよい食事と定期的な運動を、ぜひ習慣化していきましょう。
まとめ
今回の記事では、便宜上、社内での昇進と転職に必要なスキルをわけて紹介しました。しかし実際のところをいえば、社内・転職で紹介した6つのスキルは、どんな状況においてもすべて必要なスキルばかりです。
年収を上げるスキルを探しているならば、まずこの6つを全部身につけるくらいの気持ちで、スキルの習得に取り組んでみてください。さらに余裕があれば、差別化に有効なスキルにも、少しずつ手を広げていきましょう。そうなれば、必ず年収はアップするはずです。