右脳速読法「瞬読」では、速読トレーニングのなかで、アウトプットもおこなうように指導しています。
こういう話を聞くと、なかには「なぜ読書にアウトプットが必要なのか」と思った人もいるかもしれませんね。しかし理由は単純で、右脳速読法の場合、アウトプットによりさまざまなメリットを得られるからです。
もちろん速読ではない通常の読書でも、アウトプットにはメリットがたくさんありますよ。今回は読書とアウトプットの関係について、わかりやすく解説していく予定です。効率よく本を読みたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
どうして読書のアウトプットが必要なのか
まずは「どうして読書にアウトプットがオススメなのか」、その理由をしっかりと押さえてしまいましょう。アウトプットが必要な理由は、以下の3つにまとめられます。
- 理解度が深くなるから
- 知識が定着しやすくなるから
- 重要なポイントを的確に読み取る力がつくから
それではひとつずつ解説していきます。
理解度が深くなるから
読後にアウトプットをすると、確実に理解度が深まります。なぜかといえば、アウトプット=復習だからです。
これまでほかの記事でも、毎回のように復習の重要性をお話ししてきました。ようするにアウトプットとは、インプットした情報を繰り返して、脳に「重要な情報だからしっかり覚えましょう」という指令を出している行為なわけです。
より効果の高いアウトプットの方法についてはのちほど詳しく紹介しますが、まずは「アウトプットで理解度が深まる」と、しっかり頭に入れておいてください。
知識が定着しやすくなるから
アウトプットのメリットは、読んだ内容の理解度が深まるだけではありません。「読書で手に入れた知識が定着しやすくなる」という、非常に大きなメリットもあるのです。
なぜ知識が定着しやすくなるのかというと、これは脳の記憶のメカニズム※と大きく関係しています。
まず読書で得た情報は、脳の奥にある「海馬」という非常に小さな部位で、一時的に保管されます。あくまでも一時的ないわゆる「短期記憶」と呼ばれる記憶ですので、なにもしなければ詳細はすぐに忘れてしまうでしょう。
ところが短期記憶を何度も繰り返すと、短期記憶を重要な情報(長期記憶)と認識して、今度は「大脳皮質」へ送られます。こうなれば、数年という単位での長期的な記憶が可能になります。
つまりアウトプットをすればするだけ、より強固に長期記憶に定着しやすくなるわけです。そういうしくみを知ると、逆にアウトプットをやらない理由はありませんよね。
※参考:エーザイ|もの忘れの教室|解明!記憶のメカニズム|記憶に深くかかわる「海馬」
◎記憶のメカニズムについては、こちらの記事もどうぞ
重要なポイントを的確に読み取る力がつくから
アウトプットが習慣になると、重要なポイントを的確に読み取る力がつくといわれています。それはもしかすると、重要なポイントだけをアウトプットして効率よく覚えようとする本能のようなものかもしれません。
まず前提として、「本に書かれている内容は、すべてが均等に重要ではない」と知っておいてください。
よく、本の中身で本当に重要なのは5〜10%ほどしかないといわれます。たしかにわかりやすくするために書いてある例や、雑談のようなパートは、本筋とはあまり関係ないですよね。
本の内容から重要なポイントを自然とピックアップできるようになるまで、ぜひ根気よくアウトプットを習慣づけていきましょう。ただし結果的に重要なポイントを導き出すのと、最初から飛ばし読みをするのはまったく意味合いが違いますので、注意してください。
◎飛ばし読みについては、こちらの記事もどうぞ
効果的な読書後のアウトプット方法
アウトプットのメリットがわかったところで、今度は効果的なアウトプット方法について解説していきます。ここで解説するポイントは以下の4点です。
- 同じジャンルの本を10冊読む
- 重要なポイントをまとめる
- 読んだ内容を人に伝えてみる
- とにかく実践!
ひとつずつ解説します。
同じジャンルの本を10冊読む
違う分野の本をランダムに読むよりも、できれば同じジャンルの本をまとめて読むほうが圧倒的に効率はよいです。インプットした知識に類似性が多ければ、当然その分アウトプットが楽になりますから。
この考え方は、受験勉強にも当てはまります。もちろん科目数が多いので、1教科だけに集中するのは大変でしょう。
それでも英語の単語帳と文法をやりながら、数学も世界史も古文もつまみ食い的に取り組むよりは、まず英語の基礎づくりに集中したほうが効率は大幅にアップします。そうやって、いったん全教科の基礎さえ押さえてしまえば、あとはいろいろな教科を比較的自由にスケジューリングできるはずです。
とくに知識のない新しい分野の本を読む際は、できるだけインプットとアウトプットを一気にやってしまいましょう。きっと知識が頭になだれ込む感覚を、味わえると思いますよ。
重要なポイントをまとめる
効率的にアウトプットをおこないたいのであれば、ぜひ本の内容を書き出してみてください。もちろん一言一句同じように書き出す必要はありません。自分が重要だと思ったポイントが書ければ十分です。
書き出すとなれば、当然頭のなかで、読んだ内容をいったん整理しなければなりませんよね。そのプロセスが、インプットした内容の理解度を非常に高めてくれます。前述のとおり、重要と認識した情報は、長期記憶に送られるからです。
ちなみに瞬読では、インプットの書き出しにも、もう一工夫必要になります。そのあたりの詳細は、また最後の章で詳しくご紹介しますね。
◎重要事項の書き出しについては、こちらの記事もどうぞ
読んだ内容を人に伝えてみる
アウトプットのなかでも、とくにオススメしたいのが、「読んだ内容を人に伝えること」です。人に伝えるためには、まず自分で重要なポイントをしっかりとまとめる必要がありますよね。だから人に伝えようとすると、理解度はものすごくアップします。
もちろんあなたはプロの講師ではないので、伝え方はあまり重要ではありません。プレゼンテーションのように、パワーポイントで資料をつくらなくても大丈夫。
もしかすると、最初はなかなかうまくまとめられないかもしれません。それでも相手から感想を聞き、少しずつ伝える内容を修正していくうちに、きっと重要なポイントはがっちりと記憶に定着しているはずです。機会があれば、ぜひ覚えた内容を人に話してみてください。
とにかく実践!
もし究極のアウトプットを問われれば、私は間違いなく「実践」と答えるでしょう。
読んだ内容はあくまでも知識でしかありません。もちろん知識は重要ですが、あくまでもこれからの人生に活かすベースになるべきもののはずです。この知識に実践がともなうと、「経験」や「知恵」に生まれ変わります。
こうなれば、もう頭から忘れることは一生ないでしょう。知識は人から得たものですが、なんといっても、経験はあなたのオリジナルですから。
とはいえ、読んだ内容をすべて実践するのは、現実的にむずかしいかもしれません。でもできる限り、実践してみようとする意識があるだけでも、読書がより意味のあるものになっていくと思いませんか。
右脳速読法がオススメするアウトプットの効果的な方法とは
さきほどは読書全般の観点から、アウトプットを解説しました。しかし私は右脳速読法「瞬読」の主催者です。通常の読書とは異なる、右脳を活用した読書法ならではの、アウトプットのやりかたを知っています。
最後にこの章では、右脳速読法の観点からみた4つのポイントをご紹介していきます。
- インプットとアウトプットのバランスを考える
- アウトプットは手書きがオススメ
- 休憩を上手に活用「ポモドーロテクニック」
- 1週間に1時間よりも、每日10分続ける
それではひとつずつみていきましょう。
インプットとアウトプットのバランスを考える
通常読書といえば、言語機能の役割がある左脳を中心に読書をします。ところが右脳速読法「瞬読」では、文字通り右脳を活用して読書をします。
もう少し具体的にいうと、「イメージ処理」や「全体像把握」が得意な右脳を使い、文章を映像化して瞬間的に脳へ記憶していくのが右脳速読法です。また最後に左脳でアウトプットもおこなうので、左右をバランスよく使うのが大きな特徴といえます。
つまり通常の読書と瞬読では、以下のように、インプットとアウトプットのやりかたがまったく異なるわけです。
- 通常の読書:左脳でインプット→左脳でアウトプット
- 瞬読:右脳でインプット→左脳でアウトプット
現代の生活では、とにかく数字や理論が重視される傾向にあり、左脳ばかりが偏重されています。これでは脳のもつポテンシャルを、常に半分しか使っていない状態です。
こういった偏ったバランスを修正するためにも、右脳と左脳をバランスよく使う「右脳速読法」はオススメですよ。
「右脳速読法」瞬読についてもっと知りたい!という方は下記のリンクからどうぞ。
》》自宅で受講できるZoom体験会
◎右脳速読法のインプット・アウトプットに関する記事はこちらもどうぞ
アウトプットは手書きがオススメ
前章で、重要なポイントをまとめる方法についてご紹介しました。しかしただ重要ポイントをまとめるよりも、より効率的な方法があるので、あらためてご紹介します。
じつは右脳速読法の受講者には、読んだ内容をまとめる際に、「手書きでのアウトプット」を必ずやっていただきます。「今どき手書きじゃなくて、PCやスマホでもいいんじゃない」と思われたかもしれませんが、これにはきちんとした理由があるのです。
理由はシンプル。手書きのほうがより深く記憶に定着するからです。
もちろん、私が勝手に提唱しているわけではなく、手書きが記憶に有効なデータはたくさんあります。今回は2016年にペリ博士がニューヨーク・タイムスに掲載したコラム※をご紹介しておきますので、興味のあるかたは確認してみてください。
「キーボードで書いている大学生は、手書きに比べて内容を覚えている可能性が低く、うまく対応できていない」(Dinehart博士)
もちろん前述のとおり、きれいな字で一言一句漏らさずに書く必要はまったくありません。自分だけがわかるメモ書きで十分です。肝心なのは要点をまとめて、手書きでアウトプットすることですので。ぜひ挑戦してみてくださいね。
休憩を上手に活用「ポモドーロテクニック」
今回ご紹介する「ポモドーロテクニック」※は、普段瞬読で指導しているわけではありません。ただ集中するのが苦手な人にとってはとても役立つメソッドですので、当てはまる人はアウトプットに取り入れてみるとよいでしょう。
ポモドーロテクニックとは、イタリアで開発された時間術です。25分間の作業と5分間の休憩をワンポモドーロとして、以降ポモドーロを繰り返していきます。
1回の作業量が25分と短いので、集中力が途切れることなく作業に没頭しやすいです。ただしコーヒーを入れたりトイレにいったりするのは、休憩中のみ。作業中はメールやSNSも無視して、ひたすら作業に集中してください。
最初は時間を気にするのが面倒くさく感じるかもしれませんが、慣れると本当に効率がアップしますよ。
※参考:The Pomodoro Technique® – proudly developed by Francesco Cirillo | Cirillo Consulting GmbH
◎集中力についての記事は、こちらもどうぞ
1週間に1時間よりも、每日10分続ける
読書の頻度は、人により大きく異なります。忙しい社会人であれば、もしかするとほとんど読む機会がない人も多いかもしれませんね。(もっと本を読みましょう!!)
そこで忙しい人向けに、ひとつアウトプットのコツをお伝えしましょう。
「よし、今度の日曜日は1日中本を読むぞ。アウトプットも1時間はできるかな……」というのも悪くありませんが、それよりも每日30分でもいいから本に触れて、10分間アウトプットしてみてください。
瞬読をマスターすれば、30分ほどで本を1冊読み切れるはず。アウトプットも、時間をかける必要はまったくありません。10分でサッと重要なポイントだけを書き出せば、まずは十分です。
インプットとアウトプットを継続して繰り返せば、インプットした情報が効率的に記憶されていきます。短くてもいいので、可能な限り每日継続してみましょう。
まとめ
実際のところ、読書のあとにアウトプットをする人はほとんどいません。ただそれは、アウトプットの有効性を知らないからです。
当記事を読んだあなたは、すでにアウトプットの重要性をご理解いただけたはず。ぜひ今回ご紹介した効果的なアウトプットのやりかたを参考にして、アウトプットに取り組んでいただければと思います。
詳しいアウトプットの方法について興味のあるかたは、「瞬読Zoom体験会」に参加してご確認ください。