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小学生の読解力アップに最適な方法11選

小学生の読解力アップに最適な方法11選

記事の監修

株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子

大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。

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「最近の小学生は本を読まなくなり、読解力が著しく低下している」こんな話を聞くと、自分の子どもは大丈夫だろうかと不安になりますよね。

経済協力開発機構 (OECD)の調査によれば、実際日本人の読解力は、わずか6年間で11ランクも順位を下げているそうです。(詳細は後述)

読解力が不足すると、コミュニケーションがうまく取れず、トラブルが起こりやすくなります。また読解力不足は、受験や仕事の成果にも大きく関わってきます。そう考えると、できるだけ早いうちに、最低限の読解力は身につけておきたいものです。

そこで今回は、小学生の読解力を効果的に鍛える方法を11個紹介していきます。合わせて、「小学生の読解力が低下している理由」や「小学生の読解力アップに必要な保護者の対応」などについても、解説していく予定です。

お子さまの読解力不足に不安をおもちのかたは、ぜひ最後まで読んでみてください。

小学生に最適!読解力を鍛える11個の方法

小学生に最適!読解力を鍛える6つの方法

読解力を鍛えるには、読書量を増やして、適切な内容を読み取る訓練の機会を増やすのが1番です。大人になってからでは少々大変かもしれませんが、読書量の多い小学生の段階でなんらかの手を打てれば、必ず読解力はアップします。

ということで、今回は読解力を鍛える方法を、11個ほど紹介していきます。

1.まずは読書量を増やすのが先決

読解力とは、すなわち「文章を読んで、内容を適切に理解する力」です。なので、SNSのような短文ばかり読んでいても、おそらくいつまでたっても読解力は身につきません。

読解力を鍛えるには、とにかく読書量を増やすのが一番です。たくさんの本を読み、いろいろな表現方法に触れる機会を増やせば、段々と文章に込められた相手の意図を読み取る力がついてきます。

ぜひ、ノンフィクションや実用書を中心に、さまざまなジャンルの本を読んでください。もちろんマンガも悪くはないですが、マンガは基本的に短文なので、読解力を鍛える効果はあまりありません。

もし読書に慣れておらず、読書が負担になるような場合でも、マンガではなく、ライトノベルのような読みやすい本を選びましょう。なにか趣味があれば、イラストや図解がたくさん書かれている「趣味の入門書」からスタートするのもオススメです。

◆読書量を増やすには速読がおすすめ!速読のしくみについては、コチラの記事でお読みいただけます

2.似たジャンルの本をまとめて読む

先ほど、読解力を鍛えるために、「できるだけいろいろなジャンルの本を読んでください」といいました。しかし、読書に慣れていないうちからあちこち手を出すと、インプットした内容をうまく整理できない可能性があります。

そういう場合は、似たジャンルの本を一気に読むのがオススメです。同ジャンルの本をまとめ読みすると、なんといっても、そのジャンルの基礎知識を漏れなく理解できます。

また、重要な内容はだいたいどの本にも書かれているので、読書を重ねるごとに復習効果が生まれます。10冊読めば、10回重要なポイントに触れるわけで、内容の理解度もより深くなるでしょう。

ちなみに、1冊しか読まずにそのジャンルを理解したつもりになるのは、少々危険です。なかには極端な意見が書かれた本もあり、その本しか読んでいなければ、その意見が本当に正しいかどうかの判断ができません。

そういう意味でいうと、どんなに少なくとも、3〜5冊は同ジャンルの本を読んでみるべきだと思います。

3.子ども新聞で小学生の知的好奇心を刺激する

小学生の読書は、どうしてもマンガやライトノベルのような、手っ取り早くわかりやすいジャンルに偏りがちですよね。

もちろん、好きなジャンルがあるだけでも素晴らしいです。しかし学年が上がれば、「社会の動きについても少しずつ関心をもたせたい」というのが、親の本音だと思います。

そういう場合は、ぜひ子ども新聞を試してみてください。子ども新聞とは、文字通り、小学生向けにわかりやすくカスタマイズされた新聞です。普通の新聞はムリでも、小学生でも理解できる表現を用いた子ども新聞なら、むずかしくて挫折することはまずありません。

また子ども新聞では写真やイラストが多用されているし、漢字にルビが振ってあるので、小学生低学年でも抵抗なく読めるはずです。そうやって少しずつ社会的な内容の記事に触れていけば、自然と読解力は磨かれていくでしょう。

実際、OECD(経済協力開発機構)が発表した「生徒の学習到達度調査(PISA)」でも、「フィクション・ノンフィクション・新聞をよく読む生徒の読解力の得点が高い」という調査結果が掲載されています。

なお子ども新聞は、日刊版でも月額2,000円以下で購入できますので、それほど大きな負担にはならないはずです。現在3社から発売されていますので、興味のあるかたは調べてみてください。

4.音読と黙読を使い分ける

十分な読書量を確保できたら、今度は少し読み方にも気を配ってみましょう。効率的に読解力を鍛えるなら、音読と黙読をうまく使い分けたいところです。

読書の基本は、黙読です。音読をすると自分の声が邪魔になり、内容に集中できないという声もよく聞きます。

また黙読と比べて音読の読書スピードはかなり遅いので、音読では黙読の半分程度のスピードでしか読めないかもしれません。そうなると、絶対的な読書量が足りず、なかなか読解力の向上にはつながらないでしょう。

ただし、音読には、記憶力を高めてくれる働きがあります。視覚と聴覚の両方でインプットするため、より深く脳に記憶されるからです。このように、音読と黙読には、それぞれ異なる役割があります。状況に応じて、うまく使い分けてください。

◆音読と黙読の関係については、コチラの記事でお読みいただけます

5.右脳を活用して読書スピードを上げる

前述のとおり、読解力を鍛えるには、とにかく読書量を増やす必要があります。しかし普通に読んでいたのでは、なかなか読書量は増えません。

そこでオススメしたいのが、速読です。速読ができれば、通常では考えられないような速さで本が読めます。

昔からある「目を速く動かすタイプの速読」の場合、通常の5倍程度の速さで読書が可能です。ちなみに私が指導する右脳速読法には、分速1〜2万文字、通常の20〜50倍の速さで読める受講生がたくさんいます。

分速2万文字といえば、一般的なビジネス書を3分程度で読めてしまう速さです。これだけ高速で読書できれば、読書量も劇的に増やせますよね。

このように同じ速読でも、そのメソッドにより、読書スピードは大きく変わってきます。せっかく速読を取り入れるなら、ぜひ右脳速読でよりたくさんの本を読んでください。

ここでは速読の詳細は説明しませんが、別記事にて右脳速読をわかりやすく解説しています。興味のあるかたは、ぜひ、そちらの記事も読んでみてください。

◆右脳速読法「瞬読」と従来の速読法の違いについては、コチラの記事でお読みいただけます

6.わからない言葉や表現はきちんと調べる

文章中にわからない言葉や表現があったら、放置せずにきちんと調べましょう。わからない言葉があれば、正確な意図を汲み取ることなど、できるはずがありませんので。

また、意味はわかっても、馴染みがなく普段あまり使わない表現ってありますよね。そういう表現が文中に出現したら、自分の読解力を鍛えるチャンスです。辞書を使って調べるのは少々面倒かもしれませんが、気になる表現はこまめに確認するのをオススメします。

ちなみに、そういった新しい表現の言い換えを調べてみるのも、読解力アップにとても効果的です。ネットに「類義語」と入力すれば、無料の類義語辞典がたくさん見つかります。ぜひ、積極的に活用してください。

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7.読んだ内容を要約してみる

読解力を鍛える方法としては、「読んだ内容を要約してみる」のが、個人的にもっとも効果が高いと感じています。要約のために、重要なポイントを探しながら読む意識が働くので、理解度が飛躍的に高まるからです。

ちなみに、人に見せるためのノートではないので、きれいに整理して書く必要はありません。自分だけがわかる、メモ書きで十分です。

もし余裕があれば、書評という形で、書評サイトに投稿してみるのはどうでしょうか。書評サイトなら他人も読めますから、もしかすると第三者のフィードバックがもらえるかもしれません。

人からの意見でまた違った解釈に気づくこともあるので、こういったサイトをうまく活用していきたいですね。

◆要約ノートや書評サイトの活用法については、コチラの記事でお読みいただけます

8.基本的な文章構成を押さえておく

まったく自由に書かれたエッセイは別として、多くの本は文章構成の基本パターンに沿って書かれています。ある程度ルールが決まっているほうが、断然読みやすいからです。

したがって代表的な文章構成を知っておくと、次にくる内容がある程度予測できるので、内容を理解しやすくなります。

文章構成といえば、まず「起承転結」を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、起承転結は、小説以外で使われることはほとんどありません。読解力がとくに必要とされる実用書では、以下の文章構成のほうがポピュラーです。

  1. 序論・本論・結論
  2. リード・事実・事実
  3. 結論・理由・事例・まとめ

1は、論文で使われるパターンですね。2は、できごとを正確に伝える必要のあるニュースや新聞でよく使われています。

今、一般的な実用書で主流になりつつあるのが、3のパターンです。現代人は長文を敬遠する傾向にあり、結論を最初に提示して、そのあとで理由や事例を解説するパターンの本が本当に増えました。

もちろん、上記パターンから外れた構成もありますが、これらを頭に入れておくだけで、読み解くスピードはかなり速くなるはずです。

◆代表的な文章構成については、コチラの記事でお読みいただけます

9.接続詞に注目する

長文になるとなかなか理解が追いつかないという人は、接続詞に注目して読んでみてください。前述のとおり、現代の文章は、「結論 → 理由 → 事例 → まとめ(再び結論)」のようなパターンが非常に多いです。

この流れをみつけるのは、それほどむずかしくありません。代表的な接続詞を知っていれば、「あっ、ここで流れが変わったな」とすぐにわかります。

注目すべき接続詞例

理由:「だから」「なぜならば」「そのため」「このことから」

事例:「たとえば」「具体的には」「ほかには」「なかでも」

結論:「このように」「以上のことから」「したがって」

ただし、過剰な表現を嫌う現代文(とくにWeb記事)では、極力接続詞を省く傾向が見受けられます。論旨の転換部で必ずしも接続詞が使われるとは限らないので、その点は少々注意が必要です。

10.ものごとを順序立てて考える「ロジカルシンキング」を意識する

読解力を高めるには、ロジカルシンキングは不可欠でしょう。ロジカルシンキングとは、論理の破綻や矛盾なく結論まで導く考え方をいいます。

「大手出版社で発売されている本ならば、論理の破綻などあるはずがない」多くの人は、そのように考えがちです。

でも、本や記事といった長文には、「結論」「根拠」「事例」「意見」「雑談」など、さまざまな要素が混在しています。一つひとつの段落に問題がなくても、著者の意見が強く反映され、最終的にどこか筋の通らない話になっているケースもじつは少なくありません。

そういった論理の破綻に惑わされず正しく文章を理解するためには、「論理に破綻がないか」「情報に漏れや間違いがないか」といった点に注意しながら、じっくりと読み進めていくのが一番です。

また正しい読解には、エビデンスや論理性を疑いながら読む「クリティカルシンキング(批判的思考)」も非常に有効です。クリティカルシンキングについては、別記事で詳しく紹介しているので、ぜひそちらの記事も読んでみてください。

11.疑問点を考えながら読む

前述のロジカルシンキングをシンプルに考えると、結局は「いかに正しい結論を導き出せているか」が焦点になります。

正しい結論になっているかどうかは、常に「Why so?(それはなぜ?)」「so What?(結局どういうこと?)」と問いかけながら読めば、自然とみえてくるはずです。

もしこういった疑問の視点をもたずに読めば、おそらく因果関係に矛盾があっても、気づかずに読み進めてしまうでしょう。文章を書く人は文章作成のプロなので、多少論理の綻びがあっても、うまくまとめる技量があるからです。

また、個人が文章を作成している限り、必ず著者の思想が強く反映されます。その思想が客観性のあるものなら問題ありませんが、ときには少々独断的なケースも見受けられます。そういう場合も、「Why so?」「so What?」といった疑問の投げかけは、非常に有効です。

「この論理の流れは、本当に正しいのか」ぜひ、そういった視点をもって文章を読んでみてください。それだけでも、読解力は飛躍的にアップするはずです。

小学生の読解力は本当に低下しているのか? 

小学生の読解力は本当に低下しているのか? 

読解力を鍛える方法がわかったところで、今度は小学生の読解力が実際どういった状況にあるのか、きちんと把握しておきましょう。

学生の読解力レベルを調べるなら、経済協力開発機構 (OECD)が3年に1度おこなう「学習到達度調査(PISA)」を確認するのが一番です。

この調査は15歳の男女が対象のため、直接小学生の動向を示したものではありません。しかし、15歳までに大きく変動があるとは考えにくいため、小学生にも当てはまると考えて差し支えないかと思います。

下表は、読解力調査、過去3回分の国別順位表です。

 

PISA調査 読解力国際比較(全79か国・地域)

順位

2012年

得点

2015年

得点

2018年

得点

1

上海

570

シンガポール

535

北京・上海・江蘇・浙江

555

2

香港

545

香港

527

シンガポール

549

3

シンガポール

542

カナダ

527

マカオ

525

4

日本

538

フィンランド

526

香港

524

5

韓国

536

アイルランド

521

エストニア

523

6

フィンランド

524

エストニア

519

カナダ

520

7

アイルランド

523

韓国

517

フィンランド

520

8

台湾

523

日本

516

アイルランド

518

9

カナダ

523

ノルウェー

513

韓国

514

10

ポーランド

518

ニュージーランド

509

ポーランド

512

OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイントをもとに作成

2012年こそ4位にランクインしていましたが、2015年は8位にまで順位を下げ、2018年度は残念ながらベストテンから陥落(15位)してしまいました。

少しこまかく内容をみると、じつは「理解力」そのものは点数を下げてはいません。大きく点数を下げたのは、「情報を探し出す能力」と「評価し熟考する能力」です。

つまり日本の学生は、必要な情報を文章から見つけるのが苦手で、さらに情報の質や信ぴょう性を評価する力が劣っていることになります。

学生の読解力が低下している理由

学生の読解力が低下している理由

前述のとおり、学生(15歳)の読解力が低下傾向にあるのは、はっきりしています。ただし、小学生に限定して読解力が劇的に低下したというデータは、私の知る限り、見つかっていません。

であれば、小学生の間になんらかの対策を施せるなら、読解力を落とさずに済む可能性は十分にあるのではないでしょうか。そのためには、学生の読解力が著しく低下した理由を、きちんと理解しておく必要があります。

学生の読解力が低下している理由
  • 新聞や本など、進む読書離れ
  • SNS上での短文によるコミュニケーションの影響
  • 娯楽の多様化による読書への集中力不足

理由さえわかれば、あとはその理由に対する対策を立てるだけです。それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

新聞や本など、進む読書離れ

読解力不足の原因としてまず考えられるのが、「若者を中心とした読書離れ」です。個人的にも、「年齢関係なく、昔ほど本を読まない人が増えたな」という印象があります。

新聞や本のように大量の文章を読むと、たくさんの情報から重要なポイントを抜き出す力がつきます。SNSのような短文でのやりとりでは、こうした「文章の大意を汲み取る力」が、まったく身につきません。

先ほどのPISAの分析結果によれば、「フィクション・ノンフィクション・新聞」などをまんべんなく読む学生は、やはり読解力に優れているそうです。

以下は、学生が読む本の種類をまとめたグラフです。マンガや小説に偏っており、ノンフィクションや新聞はほとんど読まれていない状況がよくわかります。

新聞や本など、進む読書離れ

※参考:OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)【読む本の種類・頻度】

こうしたデータをみる限り、さまざまなジャンルや異なる媒体の文章をたくさん読めば、読解力の低下を防げる可能性は高そうですね。

SNS上での短文によるコミュニケーションの影響

新聞や本といった読書離れの大きな原因と考えられているのが、SNSです。読書の習慣が固まっていない小学生にすれば、むずかしい本を読むよりも、友達とSNSでやりとりをするほうが面白いに決まっています。

もちろん今の時代、SNSが悪いなどというつもりは毛頭ありません。私もSNSは活用していますし、LINEがなければもはや仕事にならない状態です。

ただ、LINEやTwitterのようなSNSでは、とにかく長文が嫌われます。そのため、必要最低限の文章でしかやり取りをしません。ビジネスユースならともかく、友人間なら、「今日はどうする?」「いく!」万事がこんな感じだと思います。

そういう状況のなか、本も読まないわけですから、長文から必要な内容を読み取る力が衰えていくのも当然でしょう。

ちなみに、短文でのやり取りばかりだと言葉足らずになりやすく、どうしても誤解によるトラブルに巻き込まれがちです。総務省のデータ(平成27年版 情報通信白書)をみると、実際20代以下の26%が、SNS上でなんらかのトラブルに遭っています。

また2020年に、SNSが原因の犯罪被害者となった18歳未満の子どもは、1,819人もいたそうです。(検察庁生活安全局少年課データ)

こういった状況の原因がすべて短文でのコミュニケーションにあるとはいいませんが、なんらかの因果関係があるのは間違いないでしょう。

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娯楽の多様化による読書への集中力不足

前述のSNSとも関係する話ですが、読書離れには、娯楽の多様化が大きく関わっています。まだインターネットがそれほど普及しておらず、スマホもなかった時代は、テレビや本が娯楽の王様でした。

しかし現在では、スマホがあればなんでもできます。SNSやゲーム・動画視聴はもとより、ネットを探せば面白そうな情報がいくらでも見つかる時代です。

こういう状況下では、読書よりも楽しいことが多すぎて、本をじっくり読む人はもはや少数派でしょう。(もちろん個人差はありますが……)

ちなみに、全国学校図書館協議会が毎年おこなう「学校読書調査」をみると、小学生は月に12冊も本を読んでいます。ところが中学生になると5冊に減り、高校生にもなれば、なんと2冊以下に激減しているそうです。

こういった流れも、年齢によって自由度があがり、読書からスマホに興味が移行した結果だと思われます。

小学生の読解力は保護者の対応で決まる!知っておくべき5つのポイント

小学生の読解力は保護者の対応で決まる!知っておくべき5つのポイント

前述のとおり、SNSやゲームなど、小学生の読書を阻む要因はたくさんあります。そういう状況のなか、小学生が読解力をアップするには、どうしても保護者のサポートが必要です。

そこでこの章では、保護者が知っておくべきポイントを5つ解説していきます。

保護者が知っておくべき5つのポイント
  1. 子どもの読解力を鍛える必要性について、きちんと理解しておく
  2. まずは保護者の読解力を鍛えるべき
  3. 大人との会話で論理性を覚えさせる
  4. 質問を織り交ぜた読み聞かせで、読解力は飛躍的にアップ
  5. 「共感力」と「理解力」をわけて考える

保護者の意識で、子どもの読解力は大きく変わってきます。どれも重要なポイントですので、ひとつずつじっくりと確認していきましょう。

1.子どもの読解力を鍛える必要性について、きちんと理解しておく

子どもの読解力アップには、まず大人が「読解力の重要性」をきちんと理解している必要があります。

というのも、小学生くらいの子どもには、自分の読解力を鍛えようという意識がありません。むずかしい本を読むよりも、マンガやゲームのほうが単純に楽しいですからね。

そういう意識の小学生に読解力を身につけさせるには、保護者のサポートが不可欠なのです。

ところが、保護者自身も読解力の重要性をあまり理解しておらず、ただ子どもに読書を押しつけようとするケースがよく見受けられます。これでは、本来読書が好きな小学生であっても、文章が嫌いになってしまうでしょう。

年齢に関係なく、人は自分が納得したときに、はじめて積極的に動き出すものです。だからこそ保護者は、無理強いするのではなく、読解力を鍛えるメリットについて根気よく伝えていかなければなりません。

そのためには、まず保護者が読解力の重要性を知っておく必要がある。非常にシンプルな話ですよね。

2.まずは保護者の読解力を鍛えるべき

先ほどの話とも大きく関係しますが、子どもの読解力の前に、まずは保護者の読解力を鍛えるのが先決ではないでしょうか。

保護者と子どもという関係上、どうしても、保護者が子どもへ教える立場になりがちです。しかし保護者の読解力がイマイチな状態で子どもにだけ読解力を押しつけても、まったく説得力がありませんよね。

子どもは大人の感情に敏感なので、自分の親が本気で読解力の必要性を感じているかどうか、簡単に見抜いてしまいます。

もちろん、保護者は小学生とは立場が違いますから、同じように勉強する必要はありません。ただ、「一緒に図書館に行ってみる」「積極的に話しかける」など、一緒に努力してくれている姿をみせれば、子どもは積極的に取り組もうとするものです。

ぜひ、子どもにだけ押しつけずに、一緒になって取り組む意識をもっていただければと思います。

3.大人との会話で、論理性と新しい言葉を覚えさせる

ここまで「読解力といえば読書」という前提で話をしていますが、読解力アップには大人との会話も非常に有効です。

同級生との会話と違い、大人との会話には、より高度な「論理性」と「語彙力」が必要になります。会話中、もし意味のわからない言葉があれば、子どもは「それってどういう意味?」と質問してくるでしょう。

そういうとき、いかに子どもの興味を引きつけわかりやすく説明できるかが、親の力量だと思います。辞書に書かれているような堅い説明では、子どもは興味をもちません。

またむずかしい内容の言葉なら、おそらく1回説明しただけでは理解できないでしょう。語彙力は読解力を高める基本です。面倒くさがらずに、わかりやすい言葉で何回も根気よく説明してあげてください。

また小学生では思いつかない論理的な考え方を学べるのが、大人との会話です。子ども同士とは違った背伸びをした会話のなかで、子どもはどんどん新しい言葉と知識を身につけていきます。

ときには、政治や社会問題などについても、積極的に問いかけてみるのもいいと思いますよ。

4.質問を織り交ぜた読み聞かせで、読解力は飛躍的にアップ

読解力を鍛えるなら、読み聞かせは本当にオススメです。とくにまだ文字から情報を取ることに慣れていない低学年のうちは、大人の読み聞かせは本当に効果的だと思います。

その際、ただ読んで終わりでは、あまり意味がありません。読み聞かせの際には、必ず質問をしましょう。

子どもは質問されると、一生懸命に答えようとするものです。質問に答えるために、より深く考えながら文章を聞く(読む)ので、重要なポイントを読み取る読解力が自然と身についてきます。

ただし、読み聞かせができるのは、小学生低学年のうちだけです。これが5〜6年生にもなれば、友達と会話する時間のほうが長くなりますし、本にしても自分の好きな本を勝手に読むでしょう。(もちろん、個人差はありますが……)

そう考えると、子どもと一緒にゆっくりと話ができる期間は、案外短いものです。読解力云々だけでなく、時間の取れる限り、積極的に子どもとの会話を楽しんでいただけたらと思います。

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5.「共感力」と「理解力」をわけて考える

ひと言で読解力といっても、読むジャンルによって、必要とされる(得られる)ものは異なります。(読書の場合)

なので、どういった種類の読解力を重視するかで、優先的に読む本の種類は変わってくると覚えておいてください。

具体的にいうと、読書で得られる読解力は、大きく「共感力」と「理解力」にわけられます。共感力を身につけたい場合は「小説やエッセイ」、理解力ならば「実用書や自己啓発書」がオススメです。

共感というのは、文字通り「人の考え方や行動に同意する心」です。小説などを読むと、必然的に登場人物の心の動きや複雑な人間模様と向き合うことになります。

「わかる〜♪ 私もそう思うわ」のように共感できる場合もあるだろうし、ときには反発を覚えることもあるでしょう。それは、どちらでも構いません。あくまでも、「自分だったらどうだろうか」という観点で読む姿勢が、大事なのです。

一方で実用書や自己啓発書の場合は、事実や事例、筆者の主張などを論理的に読み解く力がつきます。ただし、自己啓発書では、事実というよりも筆者の主張が前面に出すぎているケースも少なくありません。

さらに、そういった主張が必ずしも正しいとは限らないのが、むずかしいところです。(世の中にはトンデモ本のような、偏った主張の本も多いものです)

小学生に変な思想を刷り込まないためにも、「自分はその本の主張に対してどう思うか」という視点で、読書後に子どもと意見をすり合わせる時間をもちたいですね。

まとめ

本文でもお話ししたように、私の知る限り、小学生の読解力が低下している明確なエビデンスはありません。しかし、中学生・高校生と成長するにつれて読解力が低下するのは、データでも明らかです。

であれば、小学生のうちから、なんらかの対策を練る必要があります。その対策に、今回紹介した11個の方法は最適です。もちろん、すべてをおこなう必要はないので、自分にできるものから取り組んでいただければと思います。

なお今回は詳しく説明しませんでしたが、読書量を増やすには、右脳速読が最適です。読解力アップを目指す人は、「子ども瞬読教室 Zoom体験会」で詳細をご確認ください。

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