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記事の監修
株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子
大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。
英語の習得にどのくらい勉強の時間が必要なのか、これから本格的に英語の勉強を検討している人にすれば、とても気になる話題だと思います。
英語習得に必要な勉強時間を調べてみると、「2,200時間」「3,000時間」とさまざまな説が飛び交っており、なかなか本当のところがみえてきません。
そこで各データを比較してみたところ、おぼろげながら目標とすべき勉強時間がわかってきました。結論をいうと私たちが目指すべきは、ズバリ「1日3時間を1年間・合計1,000時間」です。
今回の記事では、1日3時間・合計1,000時間を目指す理由や、忙しい人でも1日3時間の勉強時間を確保するコツなどについてわかりやすく解説していきます。
目次
英語が不自由なく使えるようになるには、どのくらい勉強時間が必要なのか?
冒頭でもお話ししたように、英語で困らないようになるには、1日3時間・合計1,000時間の勉強がひとつの目安になるかと思います。
しかし、世の中には「2,200時間説」「3,000時間説」と、さまざまな主張が入り混じっているのが現実です。
じつは、このすべての説にはちゃんと根拠があり、どれも間違った話ではありません。英語学習の目的や論じる視点により、フォーカスするポイントが異なっているだけです。
そういったポイントも踏まえながら、まずは適切な英語の勉強時間について、深堀りをしていきたいと思います。
「2,200時間説」「3,000時間説」が謳われる根拠とは
ネットでもっともよくみかける、2,200時間説※。これは、アメリカのFSIという公的機関が発表した、言語習得にかかる時間をまとめた表がもとになっています。
FSIによると、英語を母国語とする人が他言語を学ぶ場合、日本語は最難関ランクに分類されているそうです。使われている文字も文法も共通点がほとんどありませんから、たしかに日本語の習得はむずかしいでしょうね。
具体的にいうと、英語のネイティブが日本語を習得するまで、約2,200時間かかるといわれています。アメリカ人が日本語を学ぶのに2,200時間かかるなら、日本人が英語を習得するときも同じ時間は必要だろうというのが、2,200時間説の根拠です。
しかしこのデータは、あくまでもアメリカ政府で働くエリートが、きちんとした教育を受けているという前提で成り立っています。そう考えると、一般的な日本人が英語を習得するなら、3,000時間程度はみておくべきでしょう。これが、3,000時間説の根拠です。
「どっちにしても長いよ……」そういう声が聞こえてきそうですね。でも、安心してください。学校の授業などを考慮すれば、自主的におこなう勉強時間は、3,000時間も必要ありません。詳細は、次の項目で詳しく解説します。
※Foreign Language Training – United States Department of State
まずは1日3時間・合計1,000時間を目指そう
結論からいうと、「1日3時間を1年間・合計1,000時間」が、とりあえず私たちの目指すべき目標です。
前述の3,000時間を基準にすると、じつは「1日3時間・合計1,000時間」ではまったく勉強時間が足りていません。中学高校の授業時間と受験勉強の合計約1,300時間を引いても、まだ1,700時間勉強が必要です。
では、どうして1,000時間でOKなのか。ヒントは、日本人が大好きなTOEICの、データにありました。以下は、オックスフォード大学が、TOEICに必要な勉強時間をまとめたデータです。
※A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success
日本人のTOEIC平均スコアは531点(2020年度)なので、近似値の550点から950点までに必要な勉強時間をみると、1,050時間必要なのがわかります。
つまり、中学高校とまじめに英語を勉強していれば、自主的な勉強は1,000時間で十分なわけです。(TOEICを基準にする是非はともかく、とりあえずTOEIC950点を取れるなら、英語の基礎力としては十分だと考えます)
もちろん、1,700時間以上勉強するに越したことはありません。しかし、ムリに長時間勉強しようとして、途中で挫折したらまったく意味がなくなってしまいます。
焦らずに、まずは1年間英語に集中すると決めて、「1日3時間・合計1,000時間」を目標に頑張ってみませんか。
日本にはびこる「すぐにできる系勉強法の誘惑」
1,000時間とにかく英語を勉強すればいいのかといえば、決してそうではありません。当然、勉強内容は自分に合ったもの、かつ効率的であることが大前提です。
残念ながら日本では、「聴くだけで英語ができるようになる」「2か月でTOEIC900点突破」のような、すぐにできる系の勉強法が蔓延しています。
しかし、楽に誰でも結果の出る勉強法など、この世にはありません。このことだけは、ハッキリと断言しておきます。
基本的な英単語と文法を覚え、ナチュラルな英語をどんどん聴いて読みまくってください。今は低料金でオンライン英会話を利用できますから、覚えた英語をすぐに話してみましょう。そうすれば、必ず英語力は伸びます。
なお、具体的な勉強法については、のちほど紹介します。
忙しい人でも英語勉強の時間を確保できるコツとは
1日どのくらい勉強するかで、1,000時間達成までの期間は変わります。私が推奨するのは、1年間英語に集中するスタイルです。よほど英語に情熱がない限り、2年も3年も英語の勉強を続けるのは大変ですからね。
とはいえ、1年で1,000時間をクリアーするには、1日約3時間の勉強時間を確保しなければなりません。忙しい現代人にとって、これはなかなか厳しい条件でしょう。そこでこの章では、英語の勉強を効率よくおこなう方法を、3点ほど紹介していきます。
- スキマ時間を徹底活用する
- 強制的に勉強する環境をつくる
- 耳からの学習を増やす
ひとつずつ解説します。
スキマ時間を徹底活用する
忙しい現代人が1日3時間英語の勉強をするなら、スキマ時間の活用が不可欠です。とくに仕事をしている社会人の場合、通勤時間を活用しないと、1日3時間の勉強はかなり厳しいでしょう。
もしあなたが、電車通勤なら非常にラッキーです。通勤時間の全国平均は片道約33分なので、往復で軽く1時間は勉強できます。
机に座って勉強するのが苦手なら、食事の時間やアポイントの待ち時間も、積極的に勉強しましょう。1回の勉強量は少なくても、こまめに勉強すれば、すぐに1時間は稼げます。
なお、スキマ時間をうまく活用するには、電子書籍がオススメです。紙のテキストは持ち運びに苦労しますが、スマホやタブレットならどこにでも持っていけます。しかも、テキストや問題集を何千冊も入れられるので、思いついたら好きな分野の勉強が可能です。
◆スキマ時間の活用については、コチラの記事でもお読みいただけます
強制的に勉強する環境をつくる
もし勉強に苦手意識があるならば、まずは強制的に勉強する環境づくりが最優先かもしれません。なぜならば、勉強の経験が少ない人は、ゲームやSNSなどの誘惑に負けてしまう可能性が高いからです。
仕事・勉強・家事と、現代人はとにかく忙しい日々を送っています。なかでも社会人の場合、仕事が終わってから毎日3時間も勉強をするとなれば、誰だって嫌になるときくらいあるでしょう。
でも、勉強をサボれば、あとから後悔するのは自分です。自分の意志で勉強の継続が困難ならば、強制的に勉強する環境をつくってしまいましょう。
具体的には、いくつか方法が考えられます。
- 図書館やカフェなど、人目のある場所で勉強する
- 家族の目があるリビングで勉強する(自宅の場合)
- 仲間と一緒に勉強する
- その日の勉強内容をSNSなどでシェアする
場所を変えるのは、本当にオススメです。適度な人目があると、「勉強をしなきゃ」という気分になりますからね。
なお、勉強の継続には、スマートフォンとの付き合い方が本当に重要になってきます。スマートフォンへの対処法は別記事にまとめてあるので、ぜひそちらもお読みください。
◆スマートフォンの対処法については、コチラの記事でお読みいただけます
音声学習を増やす
スキマ時間を活用するには、前述の電子書籍とは別に、音声学習を増やすのがオススメです。音声を使った勉強なら、車での移動中も勉強できますし、家事や筋トレなどの時間も有効活用できます。
とくに英語は、音声学習と相性が抜群です。トランスクリプト付きのPodcastなどを使えば、わからない箇所があっても、その都度確認しながら勉強できます。
聴き取れない箇所を放置すれば、わからない箇所はいつまで経ってもわからないままです。上級者以外は、必ず内容の確認ができる題材を選ぶようにしましょう。内容の確認という意味では、英単語帳のCDをかけながら発音をマネするのも、非常によい方法だと思います。
なお、あまりにも難易度の高い題材を選ぶと、わからない箇所ばかりでおそらく聴くのが嫌になってしまうでしょう。ムリをせずに、「こんなに簡単でいいの?」と思うくらいやさしい題材からスタートしてください。
最短で駆け抜けろ!効率のよい英語学習の基本的な流れ
1,000時間も勉強するなら、できるだけよい結果を出したいですよね。そこでこの章では、「効率のよい勉強法」のポイントを簡単に紹介しておきます。
◆社会人にオススメの学習法については、コチラの記事でもお読みいただけます
1.ゴールを明確にして無駄な学習を減らす
英語の勉強をはじめる前に、ぜひ目標を設定してください。理由は大きくふたつあります。
- 目標が決まっていないと途中で挫折しやすくなるから
- 目標によって最適な勉強内容が変わってくるから
1日3時間の勉強を継続するには、モチベーションが大事です。また、目標に合った勉強法を選択するためにも、とにかくゴール設定は必ずおこなうようにしましょう。
2.中学生レベルの英単語と文法を習得する
目標が決まったら、今度は中学レベルの英単語と文法の勉強を開始します。中学校で習う英単語と文法が、すべての基礎です。中学レベルと馬鹿にすることなく、真剣に取り組んでください。
英単語は英単語帳を使って、高校受験に必要な「2,500〜3,000語」を、とにかく覚えてしまいましょう。文法に関しては、「文法書をサラッと読む → ドリル形式の問題集で確認する」という流れが、1番確実だと思います。
3.聞き返されない程度の発音を身につける
英単語にせよ英文法の例文にせよ、英語学習に音読は欠かせません。音読の発音がいい加減だと、変なクセがついてしまい、いざ会話をしたときにまったく通じない可能性があります。
また別な音に変化する「リンキング」、実際には発音しない「リダクション」など、発音のルールがわからないと、相手の話している内容がさっぱり聴き取れないはずです。英語の学習をはじめる前に、ぜひ発音をひと通り勉強しておいてください。
個人的に発音は習うほうが確実に身につくと思っているので、独学ではなくスクールで習うのもオススメです。
4.まずは教材の音声を徹底的に聴き込む
多くの英語学習者は、英語をペラペラ話したいと考えているものです。極端な人になると、習うより慣れろと言わんばかりに、いきなり英会話をはじめる人もいます。しかし、スピーキングの前に、まずは英語を聴ける能力がないと、会話は成立しません。
単語・文法・発音と並行して、リスニングの勉強もしっかりおこなってください。もちろん、いきなり英語のニュースやYouTubeを見るのはあまりにも無謀です。題材が楽しくても、理解できる箇所が少なすぎて、おそらくすぐに挫折してしまいます。
そう考えると、やはり単語帳や文法書に付属の音声のリスニングからスタートするのが、現実的でしょう。いろいろな教材に手を出さず、まずは手元にある教材を1冊しっかりと仕上げてください。
同じ教材を何度も聴けば、最初は聞き取れなかった部分も、少しずつ理解できるようになります。慣れてきたら、聞き流すだけでなく、音読やシャドーイング(音声を追いかけて真似をする学習法)を取り入れるのもオススメです。発音や英語のリズムを自然と覚えるし、スピーキングの練習にもなります。
◆リスニング学習については、コチラの記事でもお読みいただけます
5.目的に応じた応用学習へ進む
中学レベルの英単語と英文法、そして発音が身につけば、あとは目的に応じた応用学習のスタートです。
本当にざっくり分類すると、応用学習は「試験向け」と「会話向け」にわかれます。TOEICのハイスコアを狙うなら、海外ドラマよりもTOEICの問題集を中心に勉強すべきでしょう。逆に、会話をしたいのに、問題集ばかりやっていても仕方がありません。
もし、どういう勉強をすればいいのかがわからない場合は、英語の指導者に相談してみるのがいいと思います。
英語の勉強時間を短縮するコツ
英語の習得には、最低でも1,000時間以上の勉強期間が必要です。 TOEIC高得点やネイティブレベルの会話を目指すのであれば、さらに千時間単位の学習が必要になってくるでしょう。
そうなると、数年間も英語学習が生活の中心になってしまい、生活のクオリティを著しく崩してしまいかねません。そこでこの章では、英語の勉強時間短縮を実現できる、効率性の高い学習アイデアを6つ紹介します。
視覚と聴覚の両方からアプローチ「デュアルコーディング」
デュアルコーディングとは、言語・視覚・聴覚などを組み合わせて、記憶の定着を高める学習法です。たとえば、単語帳を読み、音声を聴きながら発音することで、意味だけでなく発音やリズムも自然に身につきます。
むずかしい内容を学ぶ際に、図解やイラストがあると理解しやすくなるのも同じ原理です。ただでさえ難解な情報なのに、文字だけでびっしりと説明されたら、読む気を失ってしまいますよね。ところが、イラストで噛み砕いて説明してあれば、内容が頭にスーッと入ってくるはずです。
また、動画講義の視聴も、オススメのデュアルコーディングです。講師の説明を聞きながら学べば、参考書を読むだけではわかりにくいポイントも、スムーズに理解できます。
このように、デュアルコーディングを意識して学習に取り入れれば、英語の習得スピードは大幅に向上します。
◆デュアルコーディングについては、コチラの記事でもお読みいただけます
アクティブリコールで能動的に学習
アクティブリコールとは、一方的に講義を受けるスタイルではなく、自ら能動的に学んでいく学習法です。
たとえば、単語帳を見ずに、今日覚えた単語を思い出してみるといった方法も、アクティブリコールです。「うーん、あれなんだったっけ……」と、一生懸命思い出すプロセスを挟むだけで、記憶の定着度は一気にアップします。
単語の勉強ひとつとっても、以下のようなアクティブリコールが考えられます。
- 覚えた英単語を使って例文をつくる
- 反対語や類義語を思い出す
- ノートに書き出す
- 覚えた内容を説明する
- 小テストで進捗を確認する
もちろん、単語以外にもあらゆる分野において、アクティブリコールは可能です。たとえば、英語のニュース記事を読んだあと、その内容を要約してみてください。さらに、音読したり、誰かに説明したりすれば、読む・書く・話す・聞くという4技能を、効率的に鍛えられます。
なんといっても、能動的な学習で得た情報は、単なる知識ではなく、自分の言葉として使えるようになります。少しずつでいいから、ぜひ「受け身から主体的に学ぶ学習」へシフトしていきましょう。
◆アクティブリコールついては、コチラの記事でもお読みいただけます
反復学習と間隔学習で長期記憶への定着率をアップ
英語を確実に覚えるには、繰り返し復習する「反復学習」が不可欠です。しかし、せっかく復習をしても、適切なタイミングでおこなわないと効果は半減します。
一般的に「復習は早いほうがよい」とされていますが、近年では「完全に忘れる一歩手前で復習するのがベスト」という説が有力です。
間隔学習をベースとした学習法を提唱するPiotr Woźniak博士※は、「復習の間隔を長くするほど記憶は定着しやすい」と述べています。
ただし、完全に忘れてしまうとゼロからやり直しになるため、短い間隔からはじめて、徐々に伸ばしていくのが理想的です。最適な復習間隔には個人差があるため、翌日→1週間後→1か月後と間隔を広げながら試し、自分に合ったペースを見つけてください。
※参考: SuperMemo method
◆スペースド・リピティション(間隔学習)については、コチラの記事でもお読みいただけます
インプットとアウトプットはワンセット
英語を効率よく習得したいなら、「インプット(読む・聞く)」と「アウトプット(話す・書く)」をワンセットで考えるべきです。多くの人が「まずはインプットを完璧にしてから話そう」と考えがちですが、それではなかなか実践で使える英語は身につきません。
新しく覚えた単語や文法があれば、すぐに使ってみましょう。たとえば、「should have done(〜すべきだった)」というフレーズを覚えたら、実際に「I should have done this yesterday.(昨日のうちにやっておくべきだった)」と口から出してみるのです。
そうすれば、やるべきだったのにやらなかったという後悔のニュアンスまで、しっかりと記憶に定着します。
ほかにも、アウトプットとして以下のようなものが考えられます。
- SNSで情報発信する
- 日記を書く
- オンライン英会話で話す
- 海外の友人と話す
- 独り言をつぶやく
- 誰かに覚えた内容を説明する
もし可能なら、複数の方法でアウトプットすると、より強固に定着します。インプットしたらできるだけ早くアウトプットする、この黄金ルールをぜひ意識しながら勉強してみてください。
インターリービングで集中力低下を防止
「インターリービング」とは、ひとつの内容を続けて勉強するのではなく、違う種類の学習を挟み込んで、飽きや集中力の低下を防ぐ学習法です。
同じことばかり勉強していたら、誰だってすぐに飽きてしまいます。だから、適時、違う科目や単元の勉強に切り替えて、飽きを防止していくわけです。
たとえば、1時間単語を覚えたら、次の1時間はリスニングをして、また1時間後に英文法をやるという感じに、学習内容を次々とローテーションしていきます。学生なら、英語→社会→数学のように、科目をまるっと変えてしまうのもいいかもしれません。
いずれにせよ、タイミングよくトピックをうまく切り替えていけば、集中力を維持したまま長時間学習が可能です。
ただし人によっては、頻繁な変更により、かえって集中力が途切れてしまうこともあります。そういう場合は、1回の時間を長くする、変更回数を減らすなど、自分に合ったタイミングで臨機応変に対応してください。
◆トピックを切り替えて飽きを防止する方法については、コチラの記事でもお読みいただけます
学習ツールやアプリを上手に活用
自分に合った学習ツールやアプリを上手に活用できれば、学習効率は大幅に向上します。幸い、単語、リスニング、スピーキング、ライティングなど、目的別に優れたアプリが数多くリリースされています。
たとえば、単語を覚えるなら「Anki」や「Quizlet」といった有名アプリがオススメです。こういったアプリには、間違いの多い単語だけを優先的に出題する機能があるので、暗記にかかる時間をかなり減らせます。
また、「TED」や「BBC Learning English」のようなアプリを使えば、気軽にネイティブの英語が聞けます。スピーキング力を伸ばしたい場合は、「ELSA Speak」や「Speak」を使って会話と発音練習をするのも効果的です。ライティングなら、「ChatGPT」のようなAIに添削してもらうのがよいでしょう。
こうしたツールを英語の勉強に取り入れる場合、ひとつのツールに依存しすぎるのはあまりオススメできません。どうしても、学習内容が偏ってしまうからです。できるだけ複数のツールを併用して、バランスのよい英語学習を目指しましょう。
◆英語学習にオススメのアプリについては、コチラの記事でもお読みいただけます
勉強が続かない人に伝えたい4つのコツ
ここまで、勉強時間を確保する方法や基本的な勉強の流れをお伝えしてきました。すでに結果を出しつつある人もいれば、もしかするとどうしても勉強が続かなくて、悩んでいる人も多いかもしれません。
そこで最後に、継続して勉強ができない人のために、継続学習のコツを4つお伝えしたいと思います。
短期集中で、一気に基礎を習得
英語学習の効率を上げるには、短期集中で、一気に基礎を習得してしまうのが1番です。具体的な期間としては、後述する基礎学力を身につけるまで3か月、遅くとも半年以内には終了させてください。
なんといっても、英語学習は基礎を身につけるまでが1番大変です。ダラダラと時間をかけずに、頑張ってここは一気に乗り切ってしまいましょう。
その代わり、いったん基礎を身につけてしまえば、上級者の入り口くらいまでは、一気に伸びます。(中級者と上級者の間に、また大きな壁があるんですけど……)
具体的な基礎学力ですが、中学校レベルの英語がストレスなく理解できれば、ひとまず基礎は身につけたと考えていいと思います。
・語彙数:2,500〜3,000語
・読解力:中学英文法の参考書が理解できる
・リスニング:中学英文法テキストの例文をスラスラ読める
・発音:基本的な発音のルールをマスター
なにごとも、ゼロベースからスタートする状況が、1番大変です。途中で挫折しないためにも、なるべく早く初心者の状況から抜け出しましょう。
◆英語学習に必要な英単語数については、コチラの記事でもお読みいただけます
英語を勉強するのではなく、「英語で勉強する」
英語の勉強が続かない人は、思い切って「英語を勉強する意識」を捨てると、状況が一変するかもしれません。「英語を勉強する」から、「英語で勉強する」に意識を変えてみるのです。
英語の勉強といえば、通常、単語帳や文法問題集を使って勉強する人がほとんどだと思います。ところがこういった教材は、はっきり言って、内容がおもしろくありません。
効率よく単語や文法事項を説明するために、ムリやりつくった文章なので、読んでいても(聴いていても)頭に入ってこないことが多いんです。
もちろん、受験勉強のような勉強が苦にならない人なら、そういった勉強法でも問題ありません。受験の合格やTOEIC試験の点数だけを考えれば、やはり参考書を使った勉強のほうが、圧倒的に効率はいいです。
でも実際にそういった勉強が続かないのであれば、発想を変えるしかないでしょう。そこでオススメなのは、興味がある分野の動画や本を題材にする方法です。
ダンスが好きなら、憧れのダンサーのYouTubeをひたすらみる。ファンタジーが好きなら、洋書でファンタジー小説を読む。海外ドラマをみる、好きな洋楽をカラオケで歌ってみる。興味があり継続できるなら、なんだって構いません。
好きな内容なら、わからない箇所があっても、調べるのが苦にならないはずです。そうやってナチュラルな題材をもとに、少しずつ文法や単語を身につける勉強法もあるということは、ぜひ知っておいてください。
どうしてもやる気が起きない場合の対処法を用意しておく
どんなに勉強慣れしている人でも、どうしてもやる気が起きないときはあります。たまになら、いったんお休みして、気持ちをリフレッシュさせるのもひとつの方法でしょう。
でも毎回休んでいたら、いつまでたっても目標とする自分にはたどり着けません。そこで大事になってくるのが、モチベーションが低下した場合の対処法になります。
「うわー、今日は全然やる気が起きない……」という日でも、なんとかしてスタートさえすれば、案外スムーズに勉強が続いたりするものです。ここでは、そういった対処法をいくつか紹介しておきます。
- 強制的に5分だけ勉強をする
- 図書館やカフェなど、人の目がある場所を選ぶ
- 仲間と一緒に勉強をする
- 好きな題材を選ぶ
- 音声を使って、ながら学習をする
まずは、とにかくムリにでも勉強をはじめてみるのが1番です。それでもダメなら、前述のとおり、場所を変える・誰かと一緒に勉強するなど、半強制的に勉強するシチュエーションをつくってしまいましょう。
また帰宅時や運転中に、英語の音声を流しておけば、それだって立派な勉強です。あまり勉強という意識をもたずにできるので、ツライときは「音声を使ったながら学習」がいいかもしれませんね。
マンツーマンでのコンサルティングも視野に入れる
先ほど紹介した方法を試しても、やはり勉強が続かないというのなら、そもそも英語学習の必要性を見直したほうがいいかもしれません。
とはいえ、受験合格を目指す人や、会社で英語が必要な人だっているでしょう。そういう人は、もちろん英語の必要性を十分に理解しているはずです。それなのにどうしても勉強が続かないときは、正直言って、独力での解決は厳しいと思います。
であれば、マンツーマンのコンサルティングも視野に入れるべきです。コンサルタントがいれば、あなたのレベルや目的に応じて、最適な勉強法を提示してくれます。(学生の場合は、学習塾でしょうか)
他人の力を借りれば、疑問点があっても一緒に解決してもらえるので、挫折の確率が大幅に減少するのは間違いありません。
もちろん、その分比較的高額な費用が必要です。でも、コンサルティングで目標が達成できるなら、多少お金を払っても決して損はしないと思います。そのへんは、自分の置かれた状況に応じて、臨機応変に検討してください。
まとめ
英語を不自由なく使えるようになるには、「1日3時間・合計1,000時間」を目標にしてください。1日3時間の勉強を1年間続ければ、必ず納得のいく結果が出ます。
もちろん、目標に合った勉強法で、というのが大前提です。今回の記事を参考に、まずはゴール設定から、じっくりと取り組んでみてください。
なお、私ども瞬読では、英語を英語のまま学ぶ「瞬読英会話」の体験会を開催しています。日本語訳から脱出して、英語脳を構築したい人は、ぜひ体験会で詳細を確認してください。