記事の監修
株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子
大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。
いきなりですが、あなたは、自分の想像力が豊かだと思いますか?
「うーん、想像力か〜……あんまり自信ないなあ」
もし、そう思ったならば、ぜひ今日から想像力を鍛えていきましょう。なぜならば、想像力が豊かになると、非常にたくさんのメリットが手に入るからです。
そういうわけで今回の記事では、想像力の豊かな人が得られるメリットや想像力を鍛える方法など、あなたの想像力を大きくアップさせる情報をわかりやすく紹介していきます。想像力を鍛えて人生を好転させたい人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
想像力が不足してしまう5つの理由
想像力とは、実際に見たり聞いたりしていないことを頭のなかで思い描く能力です。実際に経験したことを的確に判断するのも大事ですが、想像力が欠けているとさまざまな不都合が生じます。
そこでまずは、想像力が不足してしまう理由をしっかりと理解して、想像力を鍛えるモチベーションにしましょう。
想像力が不足してしまう主な理由は、以下の5つです。
- 思い込みの激しい性格
- 周囲の人間とのコミュニケーション不足
- スマホや動画などに時間を使いすぎる
- なんでも検索しすぎる
- 本を読まない
ひとつずつ解説します。
思い込みが激しい性格
一般的に、思い込みが激しい性格の人は、想像力不足の傾向が強いです。「◯◯は△△だ」という先入観があるので、ほかにもさまざまな可能性があることに気づかないのでしょう。
なかでも学校の成績がよい、いわゆるエリート層に、こういった傾向が強いように感じます。あくまでも私見ですが、思い込みの激しい性格を生み出す原因は、日本の教育システムが大きく関係している気がしてなりません。
学校の勉強は、基本的に必ず正解のあるものばかりです。正解がないと、生徒の理解度を確認できませんからね。
しかし社会に出れば、必ずしも正解のあることばかりでないのは、誰もが知っています。にもかかわらず私たちは、人格を形成するもっとも大事な時期に、「読書」や「美術」といった想像力の訓練をおろそかにしているわけです。
これでは、大人になって想像力が不足するのも当然でしょう。
周囲の人間とのコミュニケーション不足
他人に興味のない(薄い)人は、往々にして周囲の人間とのコミュニケーション不足に陥りがちです。
コミュニケーションが不足すると、他人との関わりあいのなかで別な価値観や考え方に触れる機会が減り、自分の思い込みを修正するチャンスがなくなってしまいます。
そうなると、「ほかの人はどう思っているんだろうか」という想像力が働かずに、周囲からは自分よがりの「自己チュー」と評価されてしまいかねません。
悪い評価をされれば、余計に他人とコミュニケーションが取りづらくなり、ますます想像力は欠如していきます。こういった負のスパイラルに陥らないためにも、周囲としっかりコミュニケーションを取って、相手の気持ちを想像してみることがとても重要です。
スマホに時間を使いすぎる
スマホに時間を使いすぎている人も、想像力に欠けるきらいがあります。
あなたは、レストランに食事にきたカップルや家族が、話をせずにお互いスマホをいじっている姿を見かけたことはありませんか?
そもそも友達や家族と食事をするのは、ただご飯を食べるだけでなく、相手とコミュニケーションを取る目的があったはずです。それなのに、食事が運ばれてくるまでお互いにスマホに没頭しています。
急用なら仕方がないとしても、わざわざ誰かと食事にきたのだから、いろいろとお喋りすればいいのに。常識と想像力のある人なら、そう考えるはずです。
しかし、残念ながら想像力の不足している人は、そういう当たり前の発想ができません。想像力が足りないから、自分がスマホをしていることで、相手がどう感じるかまで頭が回らないのでしょう。
考えてみれば、相手の前でスマホを触るという行為は、「あなたよりもSNSやネットサーフィンのほうが大事」と意思表示しているようなものです。このように、スマホはあまりにもできることが多すぎて、あなたの大切な想像力を奪ってしまう危険性があります。
◯スマホとのつきあいかたについては、こちらの記事もどうぞ
なんでも検索しすぎる
前述のスマホの話に関係しますが、現代人はなんでもネットで検索しすぎです。検索したい単語を入力すれば大抵のことがわかってしまうので、自分で考えたり想像したりする機会が極端に少なくなっています。
考えてみれば、ネットがここまで発達するまでは、世の中簡単にはわからないことだらけでした。疑問点を調べようとすれば、図書館で本を読むか、テレビで知るか、あるいはほかの人に聞くしか方法はなかったのです。
私自身もスマホでの検索に慣れてしまい、もはやスマホなしの生活は想像できません。ただこの便利さと引き換えに、大事な想像力を鍛えるチャンスを失っているという事実は、しっかりと認識しておかなければと思っています。
本を読まない
想像力が不足している人の多くは、本をあまり読みません。
本というのは、映像がなく文章だけで成立している媒体であり、ただの文字列にすぎない文章を想像で補いながら読んでいくものです。そのため、本をたくさん読むうちに、自然と「あっ、これはこういう感じだろうな」という想像力が鍛えられていきます。
したがって、読書量の少なさは、そのまま「想像力を鍛える機会の減少」に直結します。
ちなみに、現代人とくに10〜20代といった若者は、本は読まない代わりになんらかのSNSをやっている人が多いです。だから、本を読まなくても、まったく文章に触れていないわけではありません。
ただし、TwitterやLINEのようなSNSは、想像力を鍛えるには文章が短すぎます。しかも表情や声のトーンがわからないので、誤解を生みやすいのが難点です。(顔文字はありますけどね)
ただでさえ本を読まずに想像力が不足しているところ、余計な情報(感情)を省いた簡素なSNSのやりとりばかりしていれば、トラブルが起きるのも当然といえます。
◯読書量を増やすコツについては、こちらの記事もどうぞ
想像力の豊かな人にはこんなメリットがある
想像力が豊かになると、本当に人生が好転します。この章では、想像力豊かな人が得られるメリットを5つ紹介していきます。
- 仕事がうまく進行する
- トラブル処理がスムーズ
- 対人関係が劇的によくなる
- 自分に自信がつく
- ムダのないキャリアを構築できる
ひとつずつ見ていきましょう。
仕事がうまく進行する
想像力の豊かな人は、仕事の流れがじつにスムーズです。理由は簡単。「こうしたらうまくいくだろう」という想像力が働くので、トラブルや手戻りが起きにくいのです。
たとえば、上司に新規案件のレポートを依頼されたとしましょう。
想像力のない人は、ただ「わかりました」と引き受けるだけですが、想像力がある人はさまざまな状況を想定して仕事を進めます。
- 納期に余裕があるのか、それとも急ぎなのか
- レポートの用途は?上司個人の確認用か、役員会議に使うのか
- 同業他社の動きを考えて、代替案も作成しておくべきか
- 海外の事例も入れておくと、将来のグローバル展開に関する判断もしやすいかも
など、上司が要求しそうな内容を事前に想像できれば、手戻りも少なく、相手から喜ばれるはずです。(もちろん、必要事項は確認が大前提)
こういったスムーズな業務が日常化すると、いつの間にかあなたは、「仕事のデキるビジネスパーソン」という、嬉しい評価を手にしていることでしょう。
トラブル処理がスムーズ
トラブル処理についても、想像力は大きく関係してきます。想像力がある人は、常日頃からあらゆる事態を想定しながら行動しているものです。
トラブルの対処法も事前に準備していますので、いざトラブルが発生しても慌てる必要がありません。
もちろんいくら準備をしていても、本人にすれば冷や汗ものでしょう。しかし、トラブルを冷静に処理する(しているように見える)あなたは、周囲の人から間違いなく高い評価を受けるはずです。
また、想像できるリスクに対して事前に対策をしているので、そもそもトラブル自体がほとんど発生しません。「◯◯さんと仕事をすると、いつも仕事がスムーズで助かる」と高く評価されるのも、あなたの豊かな想像力のおかげなのです。
対人関係が劇的によくなる
良好な人間関係を築くには、なんといっても相手の気持ちを汲み取る姿勢が大事です。自分のことばかり優先させていては、やがてあなたの周りから誰もいなくなってしまうでしょう。
そういう意味でいうと、やはり想像力のある人は非常に有利です。相手はいちいち自分の気持ちを話してはくれません。そういったなか、気配やしぐさから相手の心情を汲み取って対応できれば、相手は間違いなくあなたに好意をもってくれます。
これは、自分に置き換えてみれば、すぐにわかるでしょう。もしなにも言わなくても、相手が自分の気持ちを想像して動いてくれたら……間違いなく、相手に好意をもつはずです。
もちろん、いつも相手のことばかり優先する必要はありませんよ。自分の主張だってドンドン前に出してOKです。
ただそういった状況のなかでも、どこかで相手に対する配慮は必要になります。それさえ忘れなければ、あなたの対人関係が、劇的によくなるのは間違いありません。
自分に自信がつく
想像力が豊かだと、自分に自信がつきます。うまくいっている自分を想像できれば、それが自己評価となり、あなたの思考と行動が成功者の動きに変わっていくからです。
また前述のように、仕事やプライベートで相手の心情を想像できる力があれば、あなたは間違いなく高く評価されます。こういったことが積み重なると、自分のなかに「想像力があり周りを気づかえる自分」という自己評価軸ができてくるはずです。
このように、想像力があると、相乗効果でドンドン自分に自信がついていきます。
ムダのないキャリアを構築できる
想像力が豊かな人は、ムダのないキャリアを構築できる可能性が大幅にアップします。なぜならば、想像力のある人は将来自分がイキイキと働く姿を明確に想像できるので、自分が歩むべきキャリアを適切に設定できるからです。
一方想像力に欠ける人は、自分の未来像がうまく想像できず、これからどういうキャリアを進めばいいかがわかりません。だから、いつも行きあたりばったり。少しよい情報があれば飛びつき、うまくいかなければまた別の道へと、方向性がすぐに変わってしまいます。
スムーズにキャリアを構築するには、やはりある程度方向性を絞り、1点に時間とリソースを集中させるのが基本です。時代の流れに乗る意識も必要ですが、共通点のない分野に手を出しすぎると、気づいたらどれも中途半端だったということも……
というわけで、想像力は将来のキャリア構築に欠かせない重要な役割を担っています。後述する想像力を鍛える方法に取り組むなどして、なるべく早く想像力を鍛えていきたいですね。
すぐにやってみよう!想像力を鍛える方法6選
想像力の豊かな人が得られるメリットはわかったけど、自分には想像力が不足していて、そのメリットの恩恵を受けられそうにない。もしかすると、そんな風にがっかりしている人もいらっしゃるかもしれません。
そこで今度は、実際に想像力を鍛える方法を6つ紹介していきます。
- まずは相手目線で考えてみる
- 自分と違う価値観の人とも積極的に交流
- 旅行・引っ越しなど、生活環境を変える
- 仮説→検証を心がける
- 小説をたくさん読む
- とにかく普段やらないことに挑戦してみる
どれかひとつでも実行できれば、あなたの想像力は大幅にアップするはず。できることから、挑戦してみてくださいね。
まずは相手目線で考えてみる
グローバル化が進み、「自己主張をしなければダメ」といった風潮が広がりつつあります。しかし、もしも全員が自己主張だけをはじめたら、お互いがぶつかりあい、人間関係もすぐに壊れてしまうでしょう。
たしかに自己主張は大切ですが、やはり相手のことを尊重する姿勢は大事です。そのためには、まず想像力を鍛えるのが一番手っ取り早いと思います。
もし想像力を鍛えたいなら、まずは相手目線でものごとを考えるクセをつけてください。
「この人はどう思っているんだろう」という目線があれば、そういった配慮の気持ちは相手に必ず伝わります。そうすれば、たとえ相手の意に反する結果になっても、人間関係が崩れることはありません。
またこういったトライ& エラーを繰り返していけば、いずれ必ず想像力はついてきます。失敗を恐れずに、まずは相手の気持ちを想像することから、はじめてみましょう。
自分と違う価値観の人とも積極的に交流
想像力を鍛えるには、自分と違う価値観の人とも積極的に交流してみるのが効果的です。いつも同じ環境にばかりいると、どうしても自分がもっていない価値観をイメージできません。
違う価値観を知らないだけならまだいいですが、万が一、知らない価値観を否定するようなことがあれば、相手からの信頼は決して得られないでしょう。
なお、違う価値観に触れるのなら、以下のような方法がオススメです。
- 異業種交流会に参加する
- 資格勉強などのコミュニティに参加する
- 趣味のサークルに参加する
- 地域の集まりやボランティアに参加する
内容はともかく、ようは「普段参加しない環境に身を置いてみましょう」ということです。違う環境という意味では、会社内で普段会わない人と喋ってみるだけでも、十分効果があります。
いずれにせよまったく違う立場の人と話をして、時にはとっつきにくそうな人とあえてコミュニケーションを取ってみると、きっと新しい発見があると思いますよ。
旅行・引っ越しなど、生活環境を変える
旅行・引っ越しなど、生活環境を変えてみるのも、想像力を鍛えるオススメの方法です。「自分と違う価値観の人とも積極的に交流」でも触れたように、いつも同じ環境にいると固定概念が生まれ、うまく他人の価値観を想像できなくなってしまいます。
たとえば旅行の場合、普段とは違う文化や価値観に触れる機会が増えます。その地方ならではの美味しい食事を楽しみ、現地の人と話をするうちに、自分のなかにこれまで想像もしなかった新しい世界が広がっていくのを感じるはずです。
最近では、普段都市部で働く人が地方の生活習慣や文化に触れ、移住までするケースが激増中だと聞きます。これも、環境の変化が心を刺激して、地方で暮らす自分を想像できたからでしょう。
引っ越しも同様です。別に、ムリして遠くに引っ越す必要はありません。同じ市内でも、エリアが変われば環境は大きく変化して、新しい刺激があなたの想像力をビンビンと刺激してくれるはずです。
仮説 → 検証を心がける
想像力というのは、いうなれば自分のなかで仮説を立てる行為といえます。となれば、当然その仮説が間違っていることもありえるわけです。
というか、人の心のなかは誰にも見えませんから、仮説が間違っていることのほうが多いかもしれませんね。
そうなると、もし検証をしないで放置すれば、間違った仮説のまま行動する可能性が出てきます。これでは、「空気の読めない人」というレッテルを貼られてしまっても、文句は言えません。
したがって、仮説を立てたらその仮説が正しいかどうか、私たちは意図的に検証を繰り返していく必要があります。仮説を検証して、間違っていたら修正する。この当たり前の行為を繰り返すだけで、あなたの想像力は飛躍的に向上するでしょう。
小説やエッセイをたくさん読む
小説を読むのも、想像力を鍛えるのにはとても有効です。小説には、映画やドラマのような映像と音声がありません。だからこそ、足りない描写を、自分の想像で補う力が身につきます。
小説好きならおわかりだと思いますが、自分の好きな小説を読むと本当にドキドキ・ワクワクしますよね。お気に入りのキャラクターや世界観にハマると、寝る間も惜しんで読みふけってしまうものです。
それもこれも、小説には自分の想像力の介入する余地がたくさんあるからなんですね。そして、読書によって想像力をフル稼働する行為が、自然とあなたの想像力を鍛えてくれます。
とくに小説の場合、登場人物のキャラクターが立っていますから、あなたの常識外の思考をもつケースが多いです。最初は「なんでそうなる!!」と反発するかもしれませんが、段々と「そういう考えをもつ人もいるよね」と相手を尊重する気持ちが芽生えてきます。
こういった繰り返しが、より深くあなたの想像力を鍛えてくれるのは間違いありません。ぜひたくさん小説を読んでみてください。
◯たくさんの本を読むなら速読がおすすめ!速読のしくみについて知りたい方は、こちらの記事もどうぞ
とにかく普段やらないことに挑戦してみる
ここまで5点ほど想像力を鍛える方法について紹介してきましたが、共通しているのは、とにかく「普段やらないことに挑戦してみる」ということです。
想像力は、新しい価値観が増えるほど、どんどん広がっていきます。新しい価値観を身につけるには、とにかくいつも同じことをやっていてはダメです。新しい出会いの場にでかけ、いろいろな人と話をしてみてください。
またそういう意味では、読書はとくにオススメです。小説に限らず、わずか2,000円の出費で、さまざまな識者の考え方を知ることができます。今は電子書籍がありますから、気に入った本をもち出して、たくさん本を読んでみましょう。
そういうわけで、読書に限らず、想像力によいと思うことはなんでも試してみてください。
◯右脳を鍛えて想像力をアップ!右脳速読トレーニングについて知りたい方は、こちらの記事もどうぞ
まとめ
今回の記事でお伝えしたとおり、想像力が豊かな人は大きく得をします。先回りして準備をすれば仕事でも高い評価を受けるし、人の気持を想像して対応すれば、きっとあなたに好意をもってくれるでしょう。
このように想像力は、円滑な人生に欠かせない大事な要素です。ぜひ今回紹介した5つの方法をもとにして、どんどん想像力を鍛えていただければと思います。
なお、想像力を鍛えるには、読書は非常に有効な手段です。私自身も速読で大量の本を読み、さまざまな価値観に出会えました。
速読で読書量を増やし、想像力を鍛えたいというかたは、ぜひ一度「Zoom体験会」に参加してみてください。
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