記事の監修
株式会社瞬読 代表取締役山中恵美子
大学卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2009年学習塾を開講し3万人の生徒が卒業。
学習効果を上げる方法として速読を取り入れる。これが後の「瞬読」となり生徒が次々と難関校に合格。
2018年瞬読のみの講座が開講し、現在受講生は2,600名を超える。
著書『瞬読』は10万部超えのベストセラーに。その他、TV・ラジオなどメディアにも多数登場し、全国に瞬読を広めている。
もしあなたが今、学力や仕事の効率で悩んでいるなら、右脳を使った速読脳トレでその問題を解決できるかもしれません。
実際、右脳速読を指導する私のもとには、「右脳を鍛えたら暗記が楽になった」「記憶力や理解力がアップして仕事がうまくいくようになった」といった嬉しい報告が毎日のように寄せられてきます。
そこで今回は、右脳速読脳トレのベースとなる右脳速読法「瞬読」を解説したあとに、具体的なトレーニング内容や脳トレのメリットなどを詳しく紹介していきます。
目次
脳トレするなら、右脳を使った速読法「瞬読」がオススメ
具体的な脳トレの内容を紹介する前に、まずはベースとなる右脳速読法「瞬読」について、簡単に解説しておきます。
右脳速読を指導していると、時々、「右脳速読とほかの速読法はなにが違うのか」という質問を受けます。たしかに速読を知らないと、そういった疑問をもつのも当然かもしれませんね。脳トレの効果を最大限に発揮するためにも、まずはしっかりと右脳速読の概要を押さえてしまいましょう。
右脳速読って具体的にどのような速読法なの?
右脳速読は、文字どおり、右脳を主に使用する速読法です。脳は大きく右脳と左脳にわかれており、それぞれ役割が違います。
・右脳:イメージ処理・創造性・ひらめき・全体像把握など
・左脳:言語認識・分析・計算・論理的思考など
通常の読書は、言語を司る左脳を使っておこなわれます。目を速く動かすことで読書スピードを稼ぐ一般的な速読法も、あくまでも左脳で読書をすることに変わりはありません。
一方、右脳速読は、イメージ処理が得意な右脳を使って読んでいきます。1文字ずつ文字を追いかける通常の読書と違い、文章単位(単語単位)で読んでいくため、読書スピードが桁違いに速いです。
文章単位と聞くとなにやら大変そうですが、じつは視野の広げかた(視読といいます)さえマスターできれば、文章単位での読書はそれほどむずかしくありません。
ただ文章単位でインプットした大量の情報を、そのスピードで理解できるかどうかは、また別の話です。右脳速読法「瞬読」がスゴいのは、インプットした大量の文章をイメージとして瞬時に理解していくところにあります。
◆視野の使い方(視読)については、コチラの記事でお読みいただけます
右脳速読のスゴさその1:右脳のイメージ化により1冊3分で読める人が続出
前述のとおり、右脳のイメージ化をフル活用した右脳速読法の場合、普通の人には想像できないようなスピードで読書が可能です。書籍「瞬読」の冒頭カラーページ(上記画像)でも紹介したように、1冊の本を3分で読める人が続出しています。
1冊3分というと、だいたい1分間に2万文字以上のペースで読書をしている計算ですね。
上表は、右脳速読のトレーニングを受けた人の読書スピードをまとめたものになります。多少の個人差はあるにしろ、もともと分速300文字強でしか読めなかった人が、4週間後に分速1.5万文字オーバーで本が読めるようになったのは本当に驚きです。
この結果をみて、もしかするとイメージ化だけでそんなに速く読めるのかと、少々疑問に思ったかたもいらっしゃるかもしれません。
でも、よく思い出してみてください。
「今晩一緒にゴハン食べにいかない?焼き肉と中華ならどっちがいい?」こんな風に友達から夕食に誘われたことってありますよね。そのときあなたの頭のなかには、ジュージュー音を立てて焼けるカルビと豪華なフカヒレの映像が、すぐさま思い浮かんできたはずです。(麻婆豆腐かもしれませんけどね……)
それこそ、一瞬のうちに、映像が頭に浮かびましたよね。これと同じ現象を、読書に応用しているのが、右脳速読法だと思ってください。
読んだ文章を右脳でパッと映像化する。その結果、1分間に2万文字ものハイスピードで読書ができる。右脳を使った速読には、本当にとんでもないポテンシャルが秘められているんですよ。
右脳速読のスゴさその2:ムリなトレーニングがないので誰でもできる
右脳速読法のスゴさは、そのスピードだけではありません。誰でもムリなくできる、その再現性の高さにも、ぜひ注目してください。
というのも、上図のように一般的な速読法は、目を速く動かして読書スピードを稼ぎ出します。ただし目を速く動かすには、普段あまり意識しない6つの眼筋をフル稼働させる必要があるため、とにかく目が疲れるんです。
速読の間ずっと眼筋を酷使したら、長時間の速読はとても続けられないでしょう。少し考えれば、すぐにわかる話です。
また、瞬読以外にも有名な右脳速読法はありますが、読書前の準備や焦点の合わせ方など、とにかく再現がむずかしいといわれています。その点、ムリな眼球運動もなく、誰でも再現できるのが、右脳速読法「瞬読」の素晴らしいところです。
なお、右脳速読法と他の速読法との違いについては、別記事で詳しく比較検証しています。今回の記事と合わせて、ぜひ以下の記事にも目を通しておいてください。
右脳速読のスゴさその3:読んだ内容を忘れない
右脳速読で本を読むと、読んだ内容を通常よりも長くしっかりと記憶できます。もちろん、イメージ化が脳へ与えるインパクト(後述)も理由のひとつです。
でも「インプットとアウトプット」をセットでおこなう瞬読独特の読書法も、記憶の深い定着度合いに大きく関係しているのは間違いありません。
瞬読のアウトプットについてものちほど詳しく紹介しますが、1回の読書で右脳と左脳を両方使うことにより、脳はより強い刺激を受けます。そのため、インプットした情報は深く印象づけられて、いつまでも記憶に残り続けるわけです。
もちろん、右脳速読に慣れてくれば、毎回左脳でのアウトプットをする必要はありません。気になる本を読んだ際に、ときどき要点をまとめる程度で、十分効果を発揮してくれるでしょう。
右脳を使った速読脳トレで得られる4つのメリットとは
右脳速読脳トレの概要については、もうご理解いただけたと思います。次に気になるのは、右脳速読脳トレをおこなうと、どのようないいことが起こるのかということではないでしょうか。そこで、右脳速読脳トレで得られる4つの大きなメリットを、ここでご紹介しておきます。
- 大事な知識の大量インプットで仕事や勉強の効率が大きく改善
- 復習の回数を増やして記憶力がアップ
- イメージ化のおかげで情報処理が速くなる
- 記憶力と理解力の改善で学力向上が期待できる
それでは、ひとつずつみていきましょう。
大事な知識の大量インプットで仕事や勉強の効率が大きく改善
速読の種類にもよりますが、私が指導している右脳速読法「瞬読」の場合、通常の40〜50倍ものスピードで読書が可能です。そうなれば当然、普通では考えられないほど大量の知識が手に入ります。
受験を控えた学生・また資料作成や資格勉強に追われる社会人など、大量に本を読まなくてはいけない環境にいる人にとって、これは本当に大きなメリットといえるでしょう。
ただ速読をしたことのない人にすれば、50倍といわれても、いまいちピンとこないかもしれません。通常の50倍というと、「1冊の本を5分もかからずに読めるスピード」だとイメージしてください。
前述のとおり瞬読の受講生には、200ページほどの実用書を1冊3分程度で読破する強者が、ゴロゴロいます。(1冊3分はおよそ分速2万文字のペース)
1冊3〜5分で読めれば、もし急な仕事で情報が必要になっても、サッと確認できますよね。またここまで速く読めなかったとしても、1冊の本を30分以内(このくらいであれば、本当に誰でも到達可能です)で読めれば、情報収集に困ることはほぼないはずです。
◆速読のしくみについては、コチラの記事でお読みいただけます
復習の回数を増やして記憶力がアップ
右脳速読の脳トレ効果によって、記憶力の大幅アップが期待できます。読書スピードが50倍にもなれば、1冊を読み切るハードルが下がり、復習の回数を大幅に増やせるからです。
残念ながら人間の脳は、1回読んだだけでは内容を長期間記憶しておけません。一説によると24時間経過すると、読んだ内容の70%以上を忘れてしまうとか。だから読んだ内容をずっと覚えておくには、なんども繰り返し読んで、少しずつ記憶を積み重ねていくしかないのです。
とはいえ、読書のたびに何十回も復習する必要はないので、安心してください。一般的な復習回数の目安としては、3回が基準です。
サッと情報を入れたいだけなら、1回軽く読む。内容をある程度把握したいなら、3回繰り返す。しっかり覚えたい本についてはそれ以上復習すれば、重要なポイントはほとんど頭に記憶されているはずです。
◆復習については、コチラの記事でお読みいただけます
イメージ化のおかげで情報処理が速くなる
右脳速読とは、読んだ文章をイメージ処理して、その映像を記憶していく速読法です。「文章→映像化」というプロセスを大量におこなうため、右脳速読ができるようになると、脳の情報処理速度が大きく向上します。
こういったしくみを意図的につくり出しているのが、いわゆる入門書です。わかりやすい入門書や雑誌には、図解や写真がふんだんに使われていますよね。これは、映像が脳に与える強いインパクト効果を利用して、強制的にわかりやすさを演出しているわけです。
内容が簡単に理解できれば、当然ながら分析や理解に使うべき労力を大幅に削減でき、脳に余裕が生まれます。
もちろん、ビジネス書や実用書には、入門書のような図解や画像はありません。そこで、自分の右脳を使って映像を創り出し、脳の負担を減らしていきます。そうすると、負担の減った脳の情報処理速度がアップして、記憶力によい影響を与えてくれるんです。
記憶力と理解力の改善で学力向上が期待できる
右脳速読をマスターすると、記憶力と理解力がアップして、学力は間違いなく向上します。前述のとおり、右脳速読で復習回数が激増するため、読んだ内容が着実に脳へインプットされていくからです。
また理解力については、右脳速読によっておこなわれる脳の左右バランス補正が、大きなポイントになります。
普段私たちは勉強や仕事・家事などに忙しく、なにごとにも結果を出すように自分を追い込んでいます。だからほとんどの人が、分析や論理的思考といった左脳偏重の生活を送らざるを得ず、脳のバランスは常に悪い状態です。
ところが右脳速読で本を読むと、右脳が刺激され、右脳が活性化します。右脳によるイメージ処理は左脳で文字を読むよりも断然その処理スピードが速いので、「サッと見てパッと理解できる回路」が脳にできてくるというわけです。
右脳速読で「復習とイメージ処理」の恩恵受けて、ぜひあなたの学力をアップさせてください。
速読脳トレの基本的な考え方と実践方法
右脳速読のトレーニング法を紹介する前に、まずは速読全般における基本的な考え方と実践方法についてお伝えします。
速読脳トレの基本テクニック
速読を身につけたいなら、「速く読みたいと思う気持ち」が重要です。「速く読むなんてムリだよ……」と心のなかで考えていると、無意識のうちにブレーキをかけてしまいます。きちんとトレーニングをすれば必ず速読できると信じて、以下の3点に取り組んでください。
- 視読をマスターする
- 脳内音読をやめる
- 全体像を把握してから読む
前述のとおり、視読とは「複数の文章をひとつのまとまりとして理解していく読み方」です。読書スピードを上げるには、まとめ読みが必須になります。正直最初は大変でしょう。しかし、視読に慣れてくれば、必ず読書スピードはアップしますので、安心してください。
また、音読は速読の大敵です。もちろん、実際に声を出して読む人はいません。でも、ほぼ全員が頭のなかで音読をしながら読んでいます。この脳内音読をいかにストップできるかが、速読をマスターする大きなポイントです。
最後に、読書前に全体像を把握しておくと、読書は驚くほどスムーズに進みます。目次やまえがきは、情報の宝庫です。なかでもよくできた目次を読むと、重要なポイントがほとんど理解できてしまうくらいです。これからは、ぜひ重要なポイントを意識しながら、読書に取り組んでみてください。
◆脳内音読をとめる方法については、コチラの記事でお読みいただけます
速読脳トレのための集中力向上テクニック
速読脳トレで素早く効果を出したいなら、とにかく集中力を最大限に引き出すことが重要です。集中力をアップする具体的な方法として、以下の3点をオススメします。
- 瞑想
- 読書環境の整備
- 時間管理
最初のテクニックは、瞑想です。人間の脳は、デフォルト・モード・ネットワーク(無意識でぼんやりした状態の脳、以下DMN)が過剰活動状態になると、集中力が低下します。
ところが、瞑想をよくおこなう人はDMNの働きが不活発になり、集中力の低下を抑制できるそうです。(ワシントン大学の研究データ※)
また、読書環境も集中力に大きく関係しています。静かな環境が好きな人は自室で構いませんが、ひとりだとついほかのことをしてしまう人は、図書館やカフェがオススメです。
なお、人間の集中力は最大でも90分、本当の意味での集中は15分程度しか維持できないといわれています。ダラダラと速読脳トレを続けるのはやめて、ぜひポモドーロテクニックを活用してください。
ポモドーロテクニックは、25分間の作業と5分間の休憩をワンセットにした、時間管理術です。1回の作業量がわずか25分なので、集中力が途切れずに作業を継続できます。
◆ポモドーロテクニックなど集中力を高める方法については、コチラの記事でお読みいただけます
アウトプットで速読の効果を定着
ものごと、なんでもバランスが大切です。バランスが極端に崩れると、必ずどこかに歪みが生まれます。速読も、まったく同じです。速読をマスターすれば、脳へインプットする情報量は、それこそ何十、いや何百倍にもなるでしょう。
脳のバランスを取るためにも、ぜひそのぶんアウトプットを増やしてください。アウトプットを習慣化すると、記憶の定着度にもよい影響が現れます。読んだ内容を自分なりに整理することで、理解度が深まり、記憶に定着しやすくなるからです。
具体的なやりかたとして、「まとめノートをつくる」「他人に説明する」「ブログやSNSで情報を共有する」など、さまざまな方法が考えられます。脳のバランスを取るという意味では、どの方法を選んでも構いません。
ただし、何かしら強制力がないと続かないという人は、ブログやSNSを活用するのが効果的です。定期的に見てくれる人が増えれば、フォロワーのためにもアウトプットを続けようというモチベーションが生まれますので。
◆アウトプットの効能については、コチラの記事でもお読みいただけます
デジタル化で脳トレを効率的に
スマートフォンやタブレットといったデバイスの利用が当たり前になった現在、アプリを使った脳トレは非常に効率的です。脳トレをデジタルデバイスでおこなうメリットは、大きく以下の3点になります。
- スキマ時間の活用
- 自分のペースで学習が可能
- ゲーム性により継続性がアップ
ボードゲームやパズルと違い、脳トレアプリはスマホさえあればいつでも気軽におこなえるのが嬉しいですよね。通勤中やランチ後、待ち合わせまでの空き時間といった短いブレイクタイムを、脳トレに有効活用できます。
次に、個々の学習進度や課題に合わせて自由にパーソナライズできるのも、脳トレアプリの大きな魅力です。どれほどよい脳トレでも、自分のレベルに合っていなければ、苦痛でしかありません。脳トレは、簡単すぎてもむずかしすぎても、得られる効果が半減してしまうものなのです。
また、脳トレアプリはゲーム性がうまく組み込まれているものが多く、飽きることなく楽しく脳トレができます。強制力のない脳トレだからこそ、「これなら続けたい」と思えるエンターテイメント性が重要なのです。
》》右脳速読「瞬読式脳トレアプリ」についてはコチラから確認できます
◆オススメの脳トレアプリについては、コチラの記事でお読みいただけます
右脳速読「瞬読式脳トレ」なら、誰でも簡単に脳を活性化できる
さきほど、右脳速読法は習得がしやすいとお話ししました。しかし、やはり右脳速読を知らない人にすれば、本当に自分が習得できるのか、不安があるでしょう。そこでこの章では、右脳速読「瞬読」の脳トレ方法を簡単にご紹介しようと思います。
瞬読式脳トレは、全部で4ステップ。ステップ3・4は、いわゆる実戦トレーニングなので、最初の2ステップで実質右脳速読を学ぶことになります。それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
ステップ1:変換力トレーニング
最初に取り組むのは、ランダムに配置された文字を正しい言葉に変換するトレーニングです。慣れないうちは、上記のように3〜5文字程度の短い単語からスタートしてください。このトレーニングを続けていくと、全体像を瞬時に捉える力が鍛えられます。
1秒以内にスラスラと単語が出てくるようになったら、次はもう少し長い単語に挑戦です。「短い単語 → 長めの単語 → 文章」と進めていくうちに、最終的には見開き1ページを丸ごとイメージ化できるようになるでしょう。(もちろん個人差はあります)
とにかく、この変換力トレーニングが、右脳速読におけるすべての基本となります。焦らず、ゲーム感覚で楽しみながら取り組んでくださいね。
ステップ2:イメージ力トレーニング
ステップ1をクリアーしたら、段々とイメージ力トレーニングに移行していきましょう。イメージ力トレーニングは、文字通り単語や文章をイメージ化するトレーニングになります。
さきほどのスプーンなら、上記のように、スプーンの絵がすぐに自分の頭に浮かべば合格です。もちろん、文字数が多くなれば、それだけイメージ化の難易度はアップします。
とはいえ、これも慣れです。速い人なら2〜3日も取り組めば、複数行の文章でも簡単に映像が思い浮かぶようになるでしょう。
ステップ3:本読みトレーニング
ステップ3は、トレーニングというよりも、ただの純粋な読書です。とはいえ、ただ目的もなく読んでも効果は半減します。本読みトレーニングでは、ぜひこれまでに身につけた「文字をイメージ変換する能力」を確認しながら進めてください。
なお、これまでのトレーニングで読む量は、長くても1〜2行の文章でした。しかしステップ3まできたら、最終的には「見開き1ページを1〜2秒で読むレベル」を目指していきます。
もちろん、すぐにはできないでしょう。複数の文章をいっぺんに読むには、視点の効率的な動かし方も身につけなければなりません。でも安心してください。ステップ1から順番に練習すれば、必ずできるようになりますので。
ステップ4:アウトプットトレーニング
ここまできたら、もう右脳速読はマスターしたようなものです。仕上げにアウトプットトレーニングへ取りかかりましょう。具体的には、読んだ内容を文章に起こしたり、口頭で誰かに伝えたりしていきます。とくにオススメなのは、やはり紙への書き出しですね。
別にスマホやPCでもよいのですが、手を動かす行為自体に、脳を刺激する働きがあります。手書きのほうがより深く記憶に刻み込まれるので、できれば手書きでアウトプットをしてください。
また本の内容を要約して重要なポイントを紙に書き出していると、これまで使っていた右脳から左脳へスイッチが切り替わります。つまり瞬読式脳トレなら、1回の速読で右脳と左脳を両方バランスよく使用するわけです。
右脳と左脳を両方使って脳のバランスが修正される。これはほかの速読法にはない、本当に大きなメリットだと思います。
実際にやってみよう!変換力トレーニング
右脳速読脳トレの流れをひと通り理解したところで、今度は実際に変換力トレーニングに挑戦してみましょう。3文字程度のごく簡単なものから文字数を増やして、徐々に難易度を上げていきます。
目安は1問1秒です。考えるのではなく瞬間的に判断するのが目的ですから、できなくてもどんどん進んでください。
【難易度A】
⇓
最初は文字数も少ないので、それほど苦労せずに変換できたかと思います。次は、難易度を少しアップして、文字をバラバラに配置したものに挑戦してみましょう。
【難易度B】
⇓
今度は難易度Aよりも、格段にむずかしかったのではないでしょうか?
それでも、慣れればそれこそ一瞬のうちに正しい配置がわかったはずです。もっとやってみたいというかたは、書籍「瞬読ドリル」などを題材に、ゲーム感覚でぜひ何回もチャレンジしてみてくださいね。
実際にやってみよう!イメージ力トレーニング
変換力トレーニングに慣れたところで、次はイメージ力トレーニングへ挑戦です。前回は単語もしくはごく短い文章でしたが、今回は2〜3行の文章を読み、すぐにその映像を頭にイメージしていきます。
今回も、1文1秒が目安です。文字数が増える分、頭で考えてしまったら決してうまくいきません。正しい文をみた瞬間にその映像をイメージできるよう、頑張っていきましょう。
⇓
スペースの都合上、①の解答例のみ載せておきます。イメージ映像については、当然人によって内容は変わってくるでしょう。なかには、男子生徒をイメージした人もいたはずです。そもそも情報が少ないのですから、イメージする服装や容姿が違っていても、まったく問題ありません。
「高校2年生」「英語のテスト」「100点」というキーワードがイメージできていれば、それで十分役割を果たしてくれます。
もう少しトレーニングについて知りたいかたは、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひそちらもお読みください。
速読脳トレの効果を最大限に引き出すためのポイント
ここまで、右脳速読の概要とそのポテンシャルをお伝えしてきました。しかし、いくら右脳速読がよいメソッドでも、適切な取り組みをしなければ、せっかくの効果が半減してしまいます。
そこで、実際に右脳速読をはじめる前に、速読脳トレの効果を最大限に引き出すためのポイントを5つ紹介しておきます。
1. 集中できる環境づくり
速読脳トレを効果的におこなうには、ある程度集中できる環境が必要です。慣れてくれば、人の多いカフェや電車内でも問題ありませんが、やりかたを学ぶ初期の段階なら、やはり落ち着いた場所でじっくりと速読に取り組みたいですよね。
自宅でトレーニングする場合、まずひとりになれる空間を確保し、邪魔になるものはすべて片づけてください。集中力を乱す最大の原因は、間違いなくスマホです。しょっちゅうSNSから通知がくる状況では、集中できるわけがありません。
よく「電源を切っておけばいいんでしょ」といわれますが、じつはいくら電源を切っていても、視界にスマホが入るだけで集中力は簡単に途切れてしまうのがわかっています。速読脳トレをやる間だけでも、ぜひ電源をオフにしてスマホをカバンへしまってください。
また案外忘れられがちですが、座り心地のよいイスも重要です。長時間適切な姿勢を維持できるイスがあると、集中の度合いが大きく変わってきます。多少コストがかかっても、勉強や仕事のクオリティによい影響を与えるなら、投資の価値は十分にあると思います。
◆スマホとのつきあいかたについては、コチラの記事でもお読みいただけます
2. 焦らずじっくりと目標設定を明確に
速読脳トレを効果的に進めていくには、自分に合った目標設定が大切になってきます。病気の治療と違い、脳トレには緊急性がないため、目標がないと途中で挫折しやすいからです。
まず、現在の読書速度や理解度を確認して、それをもとに短期・中期・長期の目標を立てましょう。ただ、どうしても気持ちが急いてしまい、「1か月後に1冊3分で読めるようになる」といった高い目標を立ててしまいがちです。
右脳速読なら十分達成が可能とはいえ、やはり段階的にスキルアップを目指すほうが、挫折のリスクを大幅に軽減できます。
個人差はありますが、最初は1冊30分ペースくらいに目標を設定すると、プレッシャーも少なくいい感じで取り組めるでしょう。
具体的な読書スピードについては、瞬読の体験会に参加すると、自分の速読の素養がおおよそわかります。「このくらいはいけそうだな」というのがわかったら、あとは講師と相談しながら、自分に合った目標を設定してください。
◆速読のしくみについては、コチラの記事でお読みいただけます
3. 適切な教材を選ぶ
速読をマスターしたら、自分の好きな(必要な)本をガンガン読みたいと、誰もが思うもの。しかし、これはあくまでも最終的な目標です。速読を学ぶ段階においては、速読に適した本を意図的に選択しましょう。
文章を映像化して記憶する右脳速読の特性上、画像と文章が混在する雑誌スタイルの本は、右脳速読の教材に向いていません。同様の理由から、画像・イラスト・図解の多い入門書も、避けたほうが無難です。
ビジュアルの多い本は、「文章をイメージに変換する作業」をしなくても読めてしまいますからね。それでは、トレーニングの効果が薄まってしまいます。
なお、変換力を鍛える単語単位のトレーニング題材は、私どものほうで用意しているので安心してください。自宅で試してみたい場合は、「瞬読ドリル」や「瞬読見るだけノート」といった、書籍を題材にしていただければと思います。
4.音声を活用する
速読の補助的トレーニングとして、ぜひ音声を活用する方法も取り入れてみてください。厳密にいえば、文字を読まないと速読とはいえないかもしれません。
しかし、耳から情報を取るのが得意な人にとって、オーディオブックやポッドキャストといった音声教材は、より深い内容理解の大きな助けになってくれるはずです。
また、視覚と聴覚両方から脳を刺激すると、インプットした情報はより強力に印象に残ります。そうすれば脳が、「この情報は重要そうだからしっかりと記憶しておこう」と判断するので、情報を忘れにくくなるのです。
なお、音声教材の最大の利点は、なんといってもスキマ時間の活用です。音声なら移動中や家事をしながらでも学習できるので、速読脳トレの効率が一気にアップします。忙しい現代人だからこそ、ぜひこういったスキマ時間を上手に活用していきましょう。
◆視覚と聴覚のサンドイッチ学習については、コチラの記事でお読みいただけます
5. 生活習慣を整える
速読脳トレの効果を最大限に引き出すた-めには、健康的な生活習慣が欠かせません。速読にはある程度の集中力が必要なのですが、慢性的な寝不足や疲労は、その大切な集中力を奪ってしまいます。
なんといっても、まず気をつけるべきは、睡眠です。できれば8時間以上の睡眠を確保し、脳の疲労をしっかりと回復させましょう。
また人間の脳は、睡眠中にその日のできごとを整理して、大事な情報を記憶していくようにできています。睡眠時間が減ると、そのぶん記憶の整理をおこなう時間も減ってしまう可能性があるので、記憶という観点からもやはりしっかりと睡眠時間は確保したいところです。
もちろん睡眠だけではダメで、バランスのよい食事と適度な運動にも、ぜひ気を配ってください。脳の働きを円滑にするという意味では、サーモンやサバのように、オメガ3脂肪酸をたっぷりと含んだ食材は積極的に食べたいですね。ほかには、ビタミンB6の豊富な、マグロやガーリックなどもオススメです。
さらにウォーキングや軽い筋トレを取り入れることで、血行が促進し、脳に酸素や栄養がしっかりと行き渡ります。食事と運動の重要性については、別記事でも詳しく紹介しているので、ぜひ読んでみてください。
◆食事と運動の重要性については、コチラの記事でお読みいただけます
【分野別】速読脳トレが与える好影響を紹介
この章では、速読脳トレのメリットを分野別にもう少し深掘りしていきます。
受験・資格勉強
前述のとおり、右脳速読脳トレなら情報を大量にインプットできるので、学力向上に大きく貢献してくれます。さらに、インプットした内容を映像化で鮮明に脳へ刻み込むため、忘れにくいというのも非常に嬉しいポイントです。
また、右脳速読脳トレが、試験本番へ与えるメリットについても見逃せません。
・問題を速く読めるので試験時間に余裕ができる
・解答だけでなく見直しの時間が確保できる
・試験当日にも気になる箇所をサッと確認できる
もしかすると、「問題を速く読めても大したメリットではない」と考える人もいるかもしれませんが、正直試験に対する認識が甘いと言わざるを得ません。
PISA国際学習到達度調査※によれば、2012年には世界で4位だった学生の読解力が、2018年には15位にまでランクダウンしています。つまり日本の学生には、知識以前に「試験問題を読み解く能力」が大幅に不足しているのです。
ところが、もし日頃から右脳を鍛えておけば、試験当日に10〜20分程度の時間的ゆとりを生み出せます。そうなれば、見直しもできるし、苦手な問題に時間をかけてもOKです。
※OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント
◆速読が受験にもたらすメリットについては、コチラの記事でお読みいただけます
ビジネス
急激に変化するビジネストレンドへ対応するには、常に自分をアップデートしていく必要があります。そのためには、なんといっても大量のビジネス書を読み、新しい知識をどんどんインプットするのが一番です。
右脳を活用してインプット量を増やすと、手に入るのは知識だけではありません。大量の知識を脳内で分析・処理する過程において、「問題解決能力」「情報処理能力」「理解力」といった分野も鍛えられていきます。
また小説やノンフィクションものを好んで読む人は、共感力に優れた人が多いです。登場人物や著者の考え方に触れる時間が多いので、自然と他人の考え方や志向を尊重する気持ちが芽生えてくるのでしょう。(もちろん反発するときもあるでしょうけど)
そうなると、ビジネスの現場でも他人と良好なコミュニケーションを取りやすくなり、その結果「売上」や「報酬」「人脈構築」といった大きな結果に結びつくわけです。
◆速読と年収アップの関係については、コチラの記事でお読みいただけます
スポーツ
速読と聞けば、単純に本が速く読めるだけと考えがちです。しかし、右脳速読の脳トレ効果によって、じつはスポーツにも非常によい影響を与えるのがわかっています。
なぜ右脳速読が、一見関係なさそうなスポーツにまで好影響を与えるのでしょうか。
いくつか理由はありますが、最大の理由は「動体視力と空間認識能力の向上」です。こういった能力が高まると、ピッチャーの投げた球がしっかりと見えます。サッカーなら、フィールド内にいる選手の動きを瞬時に判断できるようになるでしょう。
もちろん、好影響を受けるのは、野球やサッカーのような球技だけではありません。ダンスやボクシングといった、あらゆるスポーツに対して、右脳速読の脳トレ効果は有効なのです。
なお、動体視力とスポーツの関係については、別記事で詳しく紹介しています。ぜひそちらの記事も確認してみてください。
【体験談】右脳速読脳トレの活用事例
最後にこの章では、実際に右脳速読脳トレを取り入れている人の活用事例を、3点ご紹介します。今回紹介する事例以外については、「瞬読公式サイト受講者紹介ページ」でご確認いただけます。
右脳速読脳トレで英語力アップ「岡本隆順さん(英語講師)」
よく「英語でも右脳速読は活用できますか?」という質問をいただきます。今回はご自身の英語学習に右脳速読脳トレ(瞬読)を取り入れた、英語講師で通訳案内士でもある「岡本隆順さん」にお話をうかがいました。
瞬読スタッフ
岡本さん
瞬読スタッフ
英語瞬読のトレーニングについては、今のところ単語を3~5語一度に見るようにしています。英語は単語自体が意味の塊になっていて、日本語の「てにをは」といった意味のない言葉がないので、とても効率のよい速読が可能です。
ただし英語には関係詞があり、日本語のように読もうとすると、戻り読みしなければなりません。戻り読みをするとスピードが落ちてしまうので、スラッシュリーディング(英語の語順のまま読む方法)で、複数行読みをしていくのが今後の課題です。
岡本さん
右脳速読脳トレで資格取得「添田武彦さん(ワインエキスパート)」
さきほどご紹介した岡本さん同様、瞬読の1級トレーナーである、会社経営者「添田武彦さん」の事例をご紹介します。添田さんは、経営のかたわら、ワインエキスパートの資格を取得されました。資格取得にどのように右脳速読脳トレを活用されたのか、お話ししていただきましょう。
瞬読スタッフ
はい。友人に誘われて、「日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート」という資格を取りました。 ワインの製造方法や地理・歴史など覚えることが多く、さらにテイスティングもあるので、なかなか取得が大変な資格だと思いますね。
また資格が直接仕事に結びつくわけではありませんが、資格をきっかけに話が弾むことも多く、たくさんの仲間ができました。あと、資格のおかげで、イベントのワインセレクトを依頼されたこともありましたね。
添田さん
瞬読スタッフ
さきほどもお話をしましたが、産地・歴史・年号・製造工程など、知らないワードが多く、最初の頃はまったく頭に入って来ませんでした。ところが、瞬読を学びはじめてから1次試験までの約8カ月で、分厚いテキストを流し読みしてもどんどん頭に入ってくるようになったのです。
試験の2週間前からはじめた過去問も、だいたい1問3秒のペースで、とにかく何度も読みまくりました。試験に合格できたのは、間違いなく右脳速読脳トレ効果のおかげです。
添田さん
右脳速読脳トレをスポーツに「佐野月乃さん(アイスホッケー)」
事例紹介の最後は、アイスホッケーの名門「ハーバード大学」でアイスホッケーに打ち込んでいる娘さんをもつ、佐野月乃さんの事例をご紹介します。
瞬読スタッフ
なんといっても、まず読書が習慣になりました。以前より速く読めるようになったおかげで、家族やほかの人から推薦してもらった本にも挑戦できる余裕ができましたね。
また、夫と娘も一緒に瞬読を受講しているのですが、夫と娘は3カ月で「1冊30分」をクリアーしました。わたしも目標に向かって挑戦中です。
佐野さん
瞬読スタッフ
アイスホッケーは、硬質ゴムのパックをスティックでコントロールしながら、ゴールに入れるスポーツです。思い切りヒットした場合、パックのスピードは目にも止まらぬ速さになります。
しかしホッケー選手は、そういった高速で動くパックを追いかけながら、同時に相手や仲間の動きにも目を配らせなければなりません。
右脳をフル活用する瞬読式脳トレは、ホッケーに必要な「動体視力」「空間認識能力」「判断力」などの向上に、大きく役立っていると思っています。
佐野さん
今回は、語学・資格・スポーツという3つの異なる分野の事例を、簡単にご紹介しました。瞬読の右脳式脳トレで記憶力や判断力がアップするお話を聞くと、やはり右脳速読脳トレをもっともっと取り入れていくべきだと、あらためて感じますね。
まとめ
今回は、右脳速読を使った脳トレで得られる4つのメリットを紹介しました。右脳速読の脳トレで、4つのうちひとつだけでもよくなれば、これから右脳速読を取り入れる価値は十分にあると思います。
また右脳速読法「瞬読」の概要とトレーニング法についてもわかりやすく紹介したので、右脳速読に対する不安はだいぶ軽減されたはずです。
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